つい飲みすぎて二日酔いになったり、つまみを食べすぎてしまったり…と失敗した経験がある人も多いはず。
そこで今回は医師が教えてくれた、悪酔いしたり太らないための、ヒントをご紹介します。ただし、アルコールは水分補給にはならないので、今夏それだけは気を付けてくださいね。
03 最初のつまみはチーズを
二日酔いや悪酔いを防ぐためには、アルコールを体にゆっくり吸収させ、血中濃度を緩やかにアップさせるのが鍵。
東海大学医学部 内科学系消化器内科学教授の松嶋成志氏によると、アルコールを吸収するのは、胃が5%で95%が小腸。また小腸は、表面積が大きいので吸収速度が速いとか。
つまり、いかに胃でアルコール滞留時間を長くするかがポイントです。それには、最初のつまみで油分を摂取するのが効果的。乳脂肪分を含むチーズのほか、オリーブオイルを使ったカルパッチョ、マヨネーズを使ったポテトサラダ、さらには食物繊維を多く含むきんぴらごぼうや切干大根などを最初に食べると、悪酔いを防ぐには効果的なのだそうです。
04 飲むペースはゆっくりマイペースで
二日酔いの原因は、体の処理能力を超えるアルコールを摂取してしまうことにあります。
アルコールの摂りすぎにならないためには、自身の“適量”を知っておくべきなのです。自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授の浅部伸一氏によると、摂取した純アルコール量を知る計算式は、アルコール度数÷100×飲んだ量(mL)×0.8。
そして、体重が50Kgの人が1時間に処理できるのは、純アルコール5g、お酒に換算するとビール中瓶の約1/4本といいます。つまり、ハイペースでお酒を飲むと、処理できる能力を超えてしまうため、自分の“適量”を意識しながら、マイペースで飲むべきなのです。
08 トイレでは尿の量や色をチェック
二日酔いを招く“脱水”の予防策が、尿の量や色のチェックをしましょう。
慶應義塾大学病院の血液浄化・透析センター長・教授の林 松彦氏によると、ビールを飲んだ後の尿の量は、平常のときの量の1.5倍も排出されるといいます。そのため、ビールをはじめとするアルコールの摂取は水分補給になるどころか、体内の水分を排出し、脱水状態を引き起こす危険性があるのです。
また、健常者の尿の色は通常、淡い黄色だと水分が適量な証拠です。お酒を飲んで脱水状態を引き起こすと腎臓が通常のように動かなくなり、濃い黄色になります。
つまり尿の量や色を見て、体内の水分量を把握することができるのです。
『酒好き医師が教える最高の飲み方』でさらにチェック!
今回の記事の引用文献は、葉石かおりさんの著書『酒好き医師が教える最高の飲み方 太らない、翌日に残らない、病気にならない』(監修/浅部伸一・日経BP社刊)。
自他ともに認める酒好き医師25人に健康で、飲み続けられる方法を葉石さんが徹底取材。太らない、二日酔いしない、病気にならない最高の飲み方を指南しています。今回の記事の内容以外にも体にいい飲み方、太らないアイデアがたくさん記載されているのでぜひ、参考にしてみてください。
◇PROFILE
葉石かおりさん
…酒ジャーナリスト、エッセイスト。全国の酒蔵を取材し、各メディアにコメント、コラムを寄せる。2015年一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーションを設立。国内外で日本酒の伝道師SAKE EXPERTの育成を行っている。SAKE EXPERT資格取得セミナーはミラノ、ローマ、バンコクのほか、10月より東京、秋田でも開催。日本酒の正しい知識を会得し、世界で通用する日本酒のプロを育成する。受講資格は20歳以上。年会費永年無料。受講費¥43,200(税込)。https://www.j-sake.com/jpn/learn-tokyo-8/