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徐々に「なぞ」ではなくなってきたイタリアン芸人・
佐々木カルパッチョ、連載第2回目の公開です。

今回は日本のビジネスマンを中心に愛用者の多い、
バッグを中心としたファッションブランド「オロビアンコ」。
折しもC.E.O.であるジャコモ・マリオ・ヴァレンティーニが
来日したということで、カルパッチョが独占取材を敢行!
ここでも再び、熱き“パッション”と“ファッション”の
融合がもたらす濃厚なトークが繰り広げられました。

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Giacomo Mario Valentini(ジャコモ・マリオ・ヴァレンティーニ) もともとは革製品を取り扱うバッグの職人として活躍したのちに、1996年にブランド「オロビアンコ」を立ち上げる。現在もC.E.O.兼デザイナーとして、ブランドの最前線に立っています。イタリアのブイタリア勲位コンメンダを受勲。さらに、CNAイタリア職人協会の会長も務めています。 ・オロビアンコ >>> http://www.orobianco.com/

オロビアンコ C.E.O.兼デザイナージャコモ・マリオ・ヴァレンティーニ氏にインタビュー!

 皆さん、オロビアンコというブランドをご存じでしょうか。ファッション通が多い「メンズ・プラス」の読者の皆さんなら、もはや言わずもがな…かTOTOTO!簡単に言えばバッグを中心に、いまやトータル展開を図るイタリアのファッションブランドなんです。 

 イタリアの職人技術による洗練されたデザインワークから生み出されるそのアイテムは、世界中で多くの支持を得ています。なかでも、上質なナイロン素材とレザーのマトリモニオ(英語でいうマリアージュ)からなるバッグは、日本でも爆発的にヒット。なおもその人気は継続中です。そんななか、この「オロビアンコ」の成功の秘訣を、ブランドバッグビジネスの第一人者、髙木浩一氏が一冊の本にまとめたということで、東京・神宮前にあるオロビアンコ スプマンテリアで出版パーティが開かれました。そこには創設者であり、現C.E.O.兼デザイナーのジャコモ・マリオ・ヴァレンティーニもいらっしゃるということで……、こりゃもう、カルパッチョお邪魔するしかないと、お願いしたわけでSUSUSU!
 

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 ときは2015年1月30日(金)、場所は東京・神宮前。表参道沿いのファッションビルGYREの4階にある、「オロビアンコ」のオフィシャルレストラン「オロビアンコ スプマンテリア」にてパーティは行われました。  

 カルパッチョも気になっていました。上質なナイロンとレザーから生まれる、あの美しくも機能的、さらにコストパフォーマンスにも優れるバッグはどのように誕生してきたのか。毎年約10億円余りの成長を続ける「オロビアンコ」の成功を支える柱は何なのか!? ブランド創設者本人に確認したくなったわけです。

 
 では、インタビュー開始です!

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ジャコモ・マリオ・ヴァレンティーニにインタビューするカルパッチョ。得意のイタリア語で…のはずがぁ。。。なぜかこのパーティの主役でもある著者の髙木浩一氏に通訳のサポートしていただきました。

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 「オロビアンコ」が日本のマーケットに進出するにあたり、まず何に気を付けたのでしょうか。


 「日本は世界でも、一番進出が難しい国でした。それはマーケットが非常に洗練されており、国民全体のファッションレベルが高い。だけれど、そんな難しいマーケットに挑むことこそが、自分にとっての一番のエキサイティングな挑戦だと考え、前に進んできました。わたしは自分のスタッフに、常々言い聞かせていることがあります。“行動すること”“続けること”“チャレンジすること”、この3つを決して忘れるな!と。わたしは、今イタリア中の職人が集まる3400名の組織 、「CNAイタリア職人協会」の中でボスを務めさせていただいています。このことを強く意識して、イタリアの職人の代表だというプライドとともに、オロビアンコの商品を作り上げてきました。今後も創る=作ること、オロビアンコの技術の継承に力を入れていきます」 

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 「イタリアが誇るアルチザンの代表であることのプライドとともに、私は常々取引させていただくお相手を「尊敬」し、そして「愛する」ことに徹するようにしています。このことが一番大切だと思います。それが個人であろうが国であろうが同じ。つまり、友だちとして理解することであり、認め合うことによって、より関係性を深めていく。深まれば深まるほど、精度の高い行動ができるのだと信じているからです。それを続けてきたからこそ、今のオロビアンコがあるわけですから…。私は日本を心から愛してきたことで、今日の日本市場での成功につながった…そう私は信じています」


 でも現在、ファッションの世界ではイタリアのトレンドが主流。それはカルパチョにとっても非常に喜ばしいことで、そんな流れがあるからこそ、カルパッチョも天下の『メンズクラブ』のオンライン版「メンズ・プラス」で連載ができるようになったわけですGAGAGA(笑)。…ということは同じイタリアの、いわばライバルのブランドも続々と日本に進出してきてるわけで…。そんななか、他国も含めた数多あるライバルたちと張り合うための強みって、どこにもっているのですか?

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「イタリアのブランドは…、私たちオロビアンコもカルパッチョが前回インタビューしたドゥカティも、同様にファミリーでの密なコミュニケーションを大切にしながらもの作りをしています。それが成功しているイタリアのブランドが、共通してもっている哲学ではないでしょうか。そこがアメリカの資本主義のもと、アメリカナイズドされた大規模な組織化によって成功してきた企業と大きく違う要素です。我々はべらぼうな規模や拡大することを求めているわけではありません。もの作りに参加するすべての人の同意をもって、美しいものを追求し作り続けることを尊重しているのです。ファミリービジネスをベースにすることで、ブランドはその意思はスタッフ全員に浸透しやすくなるのです。隆々と横に広がっていくわけです。そしてさらに、縦にだって隆々と継承していくことができる…。つまり時の流れによって代が変わっても、そのブランドの根底には、創設当時からの信念がしっかりと宿った経営ができるんです。もちろん、時代の息吹きを踏まえたアレンジはしていかなくてはいけませんが…」


 これはいいことを聞かせてもらっちゃったじゃないですかぁ。確かにアメリカは、数字を優先した上でもの作りをしているイメージが強いですね。ま、これはイタリアびいきのカルパッチョ個人の意見となりますが…。これに対して、イタリアのもの作りは数字よりもまず、そのもの作りに携わる人すべての思いを大切にしている。そして、その思いの先にある、より美しいものを形にしようと追求していることが、商品を見るだけで伝わってきますものね。自分の情熱を込めて、それを人々に届けたい、気に入ってもらいという考えが伝わってきますから。「TUTUTU! 俺らが作ったものを手にして、みんな仲間になろうぜ!」って感じがぁ。


 「そうです。オロビアンコの考えを言いますと、自分たちの仲間だけじゃなく、得意先もまた商品を購入し、使ってくれているお客さまもまたファミリーとして尊敬しています。私たちはこんな言葉を大切にしてます…、“私はあなたを信じます。あなたも私を信じてください”…」
 

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 素晴らしいです。今回は短いインタビューでしたが、新たなイタリアの魅力を再確認できました。ジャコモ、カルパッチョは2015年5月1日(金)~10月31日(土)の期間で行われる“ミラノ国際博覧会”に行きます。なので、そのとき工場をぜひ見学させてくださいね!


 「ぜひ遊びに来てください。カルパッチョなら商品を作らせてあげるよ! 売りものにはならないから、持って帰ってもらうけどね…。もちろん費用は円でいただくよ(笑)! 今日でカルパッチョも“Famiglia(ファミッリア=ファミリー)”だなぁ」

 
 いいんですか? 

 「Certo(もちろん)!  私は常にファミリーに門戸を開放しています」

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最後にインタビューのお礼として、カルパッチョは自分とお揃いのイタリア国旗、コローレ=色のクラバッタ(ネクタイ)をレガーロ。大喜びのジャコモは、さっそくそれを首に絞め、記念撮影。 

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 ジャコモ、イタリアに戻ったら、日本にはイタリア人を上回るほどのアモーレイタリアなカルパッチョという男がいることことを、ぜひジャコモのファミッリア=家族によろしく伝えてペルファボーレ(お願いします)!!


 徹底した職人魂をもち、利益の半分をもの作りに対して投資し続けているというオロビアンコ。かといって昔気質の部分ばかりでなく、職人技に“IT”を駆使したシステムも融合した斬新な経営スタイルも、オロビアンコの魅力だと通訳を務めていただいた髙木氏のコメント。カルパッチョがその先を質問しようとすると、それを制する髙木氏は最後にこう言いました。
 

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「その他詳しく知りたい方は、この本をお求めください」、そりゃそうです!今日はなんたって出版パーティですもんね!!! 
  


著書:

Advertising, Graphic design, pinterest

『オロビアンコの奇跡』 
(繊研新聞社・刊/たかぎこういち・著)
>>> http://www.senken.co.jp/books/orobianco/

会場:
オロビアンコ スプマンテリア
>>> http://www.reage.co.jp/ 

・佐々木カルパッチョのブログ
「イタリア親善大使への道」でも公開中!



【連載アーカイブ】
イタリアーノ・パッショーネ講座 第1回「ドウカティ」

イタリアーノ・パッショーネ講座 第3回「ナポリスタカ」

番外編 熊本パッショーネ講座「くまモンサポート計画1」

番外編 熊本パッショーネ講座「くまモンサポート計画2」

番外編 熊本パッショーネ講座「くまモンサポート計画3」


Interview/Carpaccio Sasaki
編集者:小川和繁