世界一睡眠時間が長いとされるオーストラリアの動物コアラを社名の由来とする「コアラ・マットレス」は、オーストラリアの若い起業家2人組によって2015に設立されました。それからわずか2年で、売上高を5000万豪ドル(約43億円)に伸ばした、オーストラリアでいまもっとも勢いのある企業のひとつなのです。今回、共同創業者のダニー・ミルハム氏(27歳)が来日、インタビューに答えてくれました。

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Koala Mattress 

メンズプラス編集部(以下MP):「コアラ・マットレス」を創設されるにあたっての経緯ときっかけを教えてください。

ダニー・ミルハム氏(以下ミルハム氏):いまから2年前の2015年にビジネスを立ち上げようと考えまして、まずオンラインで家具のビジネスを始めたいと思いました。その際に、「顧客に素晴らしい経験をしてもらいたい」ということをビジネスの基盤として大切にしようと考えるようになりました。世界でもっとも速い家具の配送を達成したいと思いまして、搬送システムが成熟しているオーストラリア、ニュージーランド、そして日本でビジネスを始めようと考えたのです。だから「コアラ・マットレス」はショールームを設けたり、中間業者を介して販売する従来の寝具業界の方法とは違って、デジタル時代の家具としてオンライン販売に徹底したんです。品質の高さにも関わらず、比較的低価格で販売することを可能にしています。インターネットから購入ができて、商品のマットレスはコンパクトなボックスに入って届けられるんですよ。

《次ページ》ミルハム氏の過去といまの繋がりについて

MP:ダニーさんは元ラガーマンとうことで、この事業で活かされていることはありますか。

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ミルハム氏:私のビジネスパートナーである共同設立者ミッチェル・タイラーとはラグビー選手時代、師弟関係にありました。そういった関係性のなかで、チームワークや献身さを培えたことがビジネスパーソンとしてベースを形作れたと思っています。また、ラグビー選手時代が、いまのビジネスにどのように影響しているかというと、実は21歳のときに背中をケガしてしまい、それでラグビー選手を続けることができなくなってしまったという過去があります。そのときに感じていたのが、「どのようにしたら背中の痛みを感じず、質の良い睡眠をとれるだろうか」ということでした。大きなケガをした経験のある人は分かるかと思いますが、寝るときって本当に大変なんですよね。どういった体勢で寝るかとても苦労するんです。そのときの辛い経験と当時感じていた思いが、いまの開発したマットレスに繋がっていると思います。


MP:コンピューターサイエンスの学士号を取得されているとうかがいましたが。

ミルハム氏:はい。ラグビーをプレーできなくなって休養していた際に考えるようになったのが、元々、興味のあったコンピューターサイエンスをしっかりと勉強してみよう、ということでした。そのこともあり、「コアラ・マットレス」を創設するにあたってはソフトウェアに関する知識を活かして、「コアラ・マットレス」の完全オンライン販売への技術にも応用することができた面もあります。たとえばWEBサイトの作成や、記号論理学のプラットホームを開設することに役立っています。特に、物流関係のシステムの構築へ応用することができました。

《次ページ》「コアラ・マットレス」驚きの構造について

「コアラ・マットレス」はワイングラスだって怖くない!

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MP:では、商品についてですが、マットレスの上にワインの入ったワイングラスを置いて、その横で人がジャンプしてもワイングラスがビクともしない動画広告を見たのですが、どういった構造になっているのですか?

ミルハム氏:独自の技術を使用しているのですが、(海上でドーナツ状に穴の開いた雲が,ハチの巣のようにすきまなく並んだ雲域のことを指す)クラウドセルというような形で、連続気泡構造になっています。これが、一般的にマットレスに使用されているスプリング代わりの役割を果たしています。これによりってスプリングを使用せず十分な弾みが実現でき、しかも通気性もいいというメリットを突き詰めることができたのです。また、「ゼロ・ディスターバンス技術」を使っていて…簡単に言うとこれは「振動が伝わらない」という技術なんです。映像でご覧いただいたように、マットレスの上にワインを入れたグラスを置いて、その隣で跳ねても、ワインがこぼれるようなことはないのです。いままで、一度も倒したことはないんですよ!!


MP:そういった構造は、使用者にどんなメリットをもたらすのですか?

ミルハム氏:実際にリサーチしてみて分かったのですが、パートナーと一緒に寝ていて、夜中トイレに起きたり、朝どちらかが先にベッドから出る際に、振動で起こされてしまうという声を多く聞きました。「コアラ・マットレス」は、隣で寝ているパートナーを起こすことがないのです。

MP:愛犬と一緒に寝ている人も、犬に起こされる心配はないということですね?

ミルハム氏:そうですね(笑)。

 
《次ページ》ビジネスパーソンとして大切にしていること…

MP:ダニーさんがビジネスパーソンとして、常に意識していること。たとえば、「座右の銘」などあったら教えてください。

ミルハム氏:Facebookの共同創業者兼会長兼CEOマーク・ザッカーバーグの言葉で、『迅速な行動が物事を動かす(move fast and break things)』という言葉が好きですね。敏速性をもって既存のモノを壊し、モノゴトを速く進める…そういった考え方でビジネスにも挑んでいます。

 
MP:最後に、「日本人のユーザーにどのように使用してほしいか、これを使用することでどういった良いライフスタイルをもたらすのか」を教えてください。

ミルハム氏:「質の高い睡眠の重要性」ということを、日本のユーザーの方に十分に理解していただきたいと思っています。私たちの商品を使っていただけることで、より深く、より質の高い睡眠を手に入れることができます。熟睡できるということは、次の日のビジネスや日々のパフォーマンス向上にも繋がることとなるはずです。それで、豊かなライフスタイルを過ごして欲しいと願っています。

MP:オーストラリアからもたらされた新しい風が、日本人の睡眠の質をさらに改善し、一人ひとりの生産性が上がる一因に成り得ることに期待しましょう! パッピーで健康的な日々を送るには、やはり睡眠は大切ですからね。

●お問い合わせ先
「コアラ・マットレス」
https://jp.koala.com/

Edit / Hikaru SATO