『夢をかなえるゾウ』シリーズ売り上げ300万部、『人生はニャンとかなる!』シリーズ売り上げ200万部の、人気作家・水野敬也が、自身の最大の弱点「お洒落」に体当たりで臨む企画。日本で活躍する最高峰の美女たちに、水野のお洒落理論は通用するのか⁉


>>>「作家・水野敬也が大政 絢とデート!『天心爛漫な売れっ子美女にはワイルドで勝負の巻』前編」の続きです。
 

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今月のお相手・大政 絢「天心爛漫な売れっ子美女にはワイルドで勝負の巻」

「外の景色もキレイですよ!
 見に行きませんか?」

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大政 絢さん(女優・モデル)…女性誌『Seventeen』、『non-no』を経て、現在は『BAILA』専属モデルを務めながら、ドラマや映画など数多くの話題作に出演する、いま注目の売れっ子女優。2018/2/24公開の映画『レオン』ではワンマン社長を演じる竹中直人と心が入れ替わってしまう派遣OLを演じる知英の秘密を知るたったひとりのキーパーソンとして出演している。


 会うのは1年ぶりでしたが、女優としてさらに本格化した彼女のオーラは尋常ではなく、さらに「林先生が驚く初耳学!」にレギュラー出演していることもあり、美しさに加えて知性まで漂わせる完璧な女性に変貌を遂げていました。

 もうこの時点で完全に逃げ腰になっていた私は、最初の一言で、「いやあ今回は大変でしたよ。どの記事を読んでも『男性の好みがない』としか書かれていませんでしたから……」と言い訳がましい台詞を口にしてしまったのです。

(なんだこの最悪の滑り出しは……)

 そう考えて自己嫌悪に陥ろうとしていたとき、大政 絢はこう言いました。

「すみません! 私本当に好みがなくて……。今回コーディネイト、大変でしたよね?」さらに彼女は私の服装を見て言いました。

「でも今日の格好お洒落ですよ。そのジャケットの色って使い方が難しいと思うんですけどすごく似合ってます。私、好みがないっていうのはその人に似合ってればなんでも良いって思っちゃうからなんですよね」


(次ページへ続く)

大政 絢、めっちゃ良い人じゃねえか。

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 そして私は、ドラマの撮影時、大政 絢はスタッフや他の出演者への気遣いが素晴らしく、めちゃくちゃ評判が良かったことを思い出したのでした。さらに彼女は、「水野さんの新刊読みました。相変わらず面白くてすらすら読めてしまいました。ああいう文章ってどうしたら書けるんですか?」

 どんどん自分から会話を進めてくれるので、事前の準備ができていないことが帳消しになるくらい会話が盛り上がっていったのです。 

 外見と性格の優しさ、大政 絢はもはや生命体として完璧じゃないかと思い始めた私は、「大政さんは周囲の人へのホスピタリティが素晴らしいですよね」と称えたところ、彼女は「そう言ってもらえるのは嬉しいんですけど……」と少し表情を曇らせて言いました。

「私は演技の仕事で人を罵倒したり、悪女の役をいただくことが多くて……もっとキャラクターに幅を持ちたいなって思うんです」

 努力家でもあるんかい。

 外見の美しさ、性格の良さに加えて、努力家でもあるんかい! もうすっかり大政 絢の魅力に打ちのめされた私は、

「チワワを飼っているんですけど、動物と共演する役なんてやってみたいですね」と言う彼女のために私財をなげうって動物映画一本作ったろかくらい思い始めていました。 

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 こうして彼女のおかげで会食は盛り上がり、1時間半という時間が一瞬で過ぎ去ることになり、「お疲れさまでした」彼女は笑顔で言って個室を出て隣の控室の中に消えていきました。

 そして通常、この企画はここで終了なのですが、私は冷や汗を流しながら考えました。(俺の作品が次にドラマ化されて打ち上げに参加できるのはいつなんだ? テレビ局のプロデューサーさんたちは、「この作品映像化したいんですけど」と言われてほくほくしながら作品を預けたら音沙汰がなく、こっちから連絡したら「ああ、あの作品、キャストが決まりませんでしたわ」と白紙に戻され「これって、『映像化あるある』なんで」みたいな雰囲気で去っていく人たちばかりじゃないか。もしかしたら、こんなチャンスはもう二度と来ないのかもしれない。だとしたら――)

 私は震えながら自分に言い聞かせました。

(「今度はプライベートでもお食事に」この台詞を彼女に言うのだ!)

 そして、控室の扉が開いた瞬間、

「大政さん」

 と近づいたのですが、彼女の姿を一目見て、その場に固まってしまいました。(次ページへ続く)

大政 絢の私服がめっちゃお洒落だったんです。

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 この日、東京は大雪だったのですがお洒落なふわふわしたコートを着ており、コートの下のニットもみたこともないような形をしていて、ブーツもワイルドと上品さが混ぜ合わさったような感じで、普通に、ハリウッド女優みたいな雰囲気だったのです。

 対して、私の私服は、普通におっさんが着るような、機能も見た目もワンランクダウンしたダウンジャケットですからね。大政 絢が褒めてくれたサファリジャケットはメンクラのスタイリストに用意してもらったやつですから。今頃ファブリーズかけられてますからね。

 こうして大政 絢に圧倒的なファッション格差を見せつけられた私が彼女に言った台詞は、「今度お食事に」ではなく、次のものでした。

「お土産に激辛せんべい持ってきました!」
 

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
作家・水野敬也が大政 絢とデート!「天心爛漫な売れっ子美女にはワイルドで勝負の巻」
作家・水野敬也が大政 絢とデート!「天心爛漫な売れっ子美女にはワイルドで勝負の巻」 thumnail
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 彼女は「ありがとうございます」と満面の笑みで受け取ってくれたのですが、それ以上踏み込めなかった私のメンタルは、激辛ならぬ激辛(げきつら)であり、その日、枕を涙で濡らすまでもなくオールデイダイニング「ORIGAMI」のトイレで普通に泣いたのでした。

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今回のデート相手、大政 絢さんが出演する2018/2/24公開の映画『レオン』。写真は劇中で買い物につき合うワンシーン。

『レオン』
配給:ファントム・フィルム
©清智英・大倉かおり/講談社・2018映画
『レオン』製作委員会


 
◇今回2人がデートしたのはこちら! 

時間帯を気にせず終日使える
ダイニング&個室が魅力的

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デートで食事を楽しむもよし、仕事の打ち合わせに使用するもよしのオールデイダイニング「ORIGAMI」。柔らかな自然光と水庭に面した立地で味わう、旧キャピトルホテル 東急から受け継がれる歴史と伝統あるメニューはまさに大人の贅沢な逸品。上でご紹介したローストビーフやパンケーキも代々続くメニューの一つ。

《SHOP INFO》
住所/東京都千代田区永田町2-10-3
   ザ・キャピトルホテル 東急 3F 
TEL/03・3503・0872
営業時間/ブレックファーストセット 6:30~10:00、ランチ11:00~14:30、ティータイム14:30~18:00、ディナー18:00~21:30、ミッドナイト21:30~24:00無休




大政 絢さん:トップス4万8000円、ドレス12万8000円(2点共3.1 フィリップ リム) ●お問い合わせ先/3.1 フィリップ リム ジャパン TEL 03・5411・2870 ピアス5万7000円、バングル42万5000円、15万6000円、リング21万円(すべてティファニー) ●お問い合わせ先/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク TEL 0120・488・712 バッグ19万2000円(ジミー チュウ) ●お問い合わせ先/ジミー チュウ TEL 03・5413・1200


Photograph / Rintaro Ishige 
Styling / Tatsuya Imai[Keiya Mizuno]、Natsuki Takano[Aya Omasa] 
Hair &Make-up / KUBOKI(Three PEACE)[Aya Omasa] 
Text / Keiya Mizuno 
Edit / Yasuhiro Sato 
Cooperation / THE CAPITOL HOTEL TOKYU