人知れず病と戦うセレブたちと題し、それぞれの病気との向き合い方を調べてみました。いつ何時病にかかるかは誰にも分かりません。もしもの時にどう捉えるかで人生の歩みは大きく変わる、変えられると思うのです。
努力の人、ブラッド・ピットは人の顔が覚えられない
「相貌失認」という病名を聞いたことはありますか?
別名失顔症とも呼ばれる、脳の機能障害の一種なのですが、「人の顔が覚えられない」「顔で識別できない」というもの。この相貌失認を患っている人は人口の2%ほどいると言われていますが、俳優をはじめプロデューサーとしても成功を収める天才肌セレブ、ブラッド・ピットもこの病と戦っている一人なんだとか。顔からその人が誰なのか判別できないということは表情を読み取ることも難しいようです。となると、日常生活はもちろん、俳優として演じること自体がかなりのハードルに。
ブラッドも、一時は人の顔を覚えられないこと、認識できないことで相手に不快感を与えた経験から、家に引きこもっていた時期もあったといいます。ちなみに残念ながら相貌失認には現在、根本的な治療法はないそう。病を自覚し、上手に付き合っていく独自の方法をブラッドも探っているようです。
オーランド・ブルームは読み書きが苦手なディスレクシアと戦っていた
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ロード・オブ・ザ・リング」でその名を広めたイケメン俳優、オーランド・ブルームも難病と戦うセレブの一人。オーランドが抱えているのは「ディスレクシア」という学習障がいの一種。俗に読み書き障がいとも言われるもので、文字が滲んで見えたり、ゆがんで見えたり、はたまた逆さに見えたりとその症状は個々により様々。知的障がいではないので、日常生活は送れるものの、そこに文字が絡んでくると大変なのです。
オーランドは7歳の頃にディスレクシアであると診断されたそうです。
文字や文章を理解するのに人の5倍ほど時間がかかっていたようなので、学校の勉強や宿題をこなすのは本当に大変だったと思います。
聖書の朗読を根気よく続けることでディスレクシアを克服するべく努力を重ねていたんだとか。このように文字の読み書きが苦手ということは、台本を読むのも一苦労で、俳優にとっては一大事。ディスレクシアの症状は訓練を重ねることで改善されることもあるようですが、オーランドは今もディスレクシアと向き合い戦っています。「幼少期に文字の読み書きが苦手なことで劣等感を抱きがちだが、決して自分を責めることなく、個性として受け止めて欲しい」と同じ病に悩む子供達へ向けたサポート活動も行っているとか。うう、頭が上がりませんね。
闘病生活26年、マイケル・ジェイ・フォックスは財団を設立し慈善家に
パーキンソン病という名は一度は耳にしたことがあると思いますが、実際どんな病なのか、実はよく知らないという人も多いのが事実。そんな状況を少しでも緩和すべく、病の理解と患者のサポートを広げるべく、財団まで作ったあるセレブがいます。それが、自身もパーキンソン病と闘う俳優のマイケル・ジェイ・フォックスです。
まず、パーキンソン病がどんな病気なのかを説明すると・・・脳の黒質と呼ばれる場所に存在するドパミン神経が脱落してなくなってしまう進行性の病です。ドパミン神経が欠落することで、歩行障がいや手足の震えなど運動機能に障がいが出てくるのが特徴です。
マイケルは30歳の時にパーキンソン病を発症。現在56歳なので26年もこの病と向き合っています。マイケルはパーキンソン病に屈することなく、同じ病気で苦しむ人たちのため、また社会の理解をより深めるために、財団を設立したり、自身の闘病生活の記録を書籍にしたりと病人とは思えないほどアクティブな活動を続けています。
薬で症状を抑えているのだとは思いますが、やはり日々の生活の中で、手足の震えやいうことをきかない体に嫌になることもあると言います。
そんなマイケルが今までこの病気とつきあいながら、しかもポジティブに生きてこられたのは紛れもなく妻、トレイシーの存在が大きいと思います。
「ああ、治癒が望めない病気になってしまった」と悲観するのではなく、病気を理解し、マイケルを尊重(ここ大事!患者扱いしないんだとか)し必要ならばサポートする。マイケル自身ももちろん素晴らしいですが、サポートする家族や周りの人たちの姿勢もとても大切なんだなとマイケル一家を見ていると思うのです。
成功者だって患う、ジャレッド・パダレッキは激しい鬱に悩む
アメリカの人気ドラマ「スーパーナチュラル」のサム役でおなじみのジャレッド・パダレッキ。彼もまたとある心の病気を抱えていたセレブの一人でした。
もはや現代病とも言える「鬱」。鬱病と聞くと、社会に適応できない人がかかる心の病とう認識がまだ色濃く残るが、誰しもがかかる可能性があるものでもあるのです。端から見たら経済的にも恵まれていて仕事もプライベートも順調そのもの! そんな人も突如鬱症状に襲われることがあるというのです。ジャレッドがまさにそのパターンでした。
25歳の頃のジャレッドは自身の番組もあり、愛犬との生活、豊かな生活、愛すべき友人たちに囲まれ鬱の原因となりうる欠片なんて一つも見当たらない状態。そんな幸せを理解する一方で、心の中はいつも言い表せない違和感でいっぱいで自殺衝動にかられることもあったとか。人は見た目によらず…ではないですけど、心の中は自分自身にしか分からないものなので本当に難しく、実は身体の病より治癒するのが難しいものなのかもしれません。
では、ジャレッドはどうやって鬱症状を克服したのでしょうか? とあるインタビューではこう答えていました。
「自分が今抱えている問題に正面からぶつかる。ぶつかることで何かしらのアクションを起こせるはず。そしてそのアクションはどんなに小さくても必ずプラスに働くはず」と。
人間辛い事実から逃げ出そうとしたり、目をそらしたりしがちですが、きちんと受け止めることが大切なんですね。これって鬱だけでなく、人の生き方そのものにも通じる話のような気がします。
ストレス社会の現代病!? ジャスティン・ティンバーレイクが向き合うOCDとADD
ディズニーチャンネルに出演していて子供の頃から知名度&人気ともに抜群だったジャスティン・ティンバーレイク。今ではグラミー歌手であり、俳優業もこなすマルチな才能を開花させています。そんな器用なジャスティンもとある病気を抱えているとカミングアウトしたのです。
ジャスティンが抱えるのはADD(注意欠陥障害)とOCD(強迫性障がい)の合併障がい。
ADDとは、落ち着きなく衝動的に行動してしまったり、すぐに忘れてしまうなどの症状が。OCDとは物がきちんと整理整頓されてないと気が済まないとか、全てのことを完璧にきちんとこなさなくては、という強迫観念に襲われるのが特徴です。ジャスティンの場合は相反する二つの病の合併障がいなので、本人は周りが思う以上に苦痛に感じているのではないでしょうか。
「〇〇しなくてはならないと自分を追い込んでしまうのに、それらを忘れてしまう」のですから。
二つの症状がそれぞれのタイミングで現れ、その都度対応していかなければならないというのは相当な負担だと思います。これらの症状と幼い頃から闘っていたというジャスティンはカミングアウトするということで周囲に理解を求めることにしました(これ大切ですよね)。
また日常レベルでは、やらなければいけないことをメモに全て書きだし、一つ一つ確実に達成していくということを自身のルールにしているんだとか。このような明確なルールを周囲にも示してくれていると、妙な誤解も生まれず、理解も進みそうですよね! ジャスティンの勇気あるカミングアウトは同じ症状で悩む人たちにたくさんの勇気を与えたはずです。