67歳の元『BBC』ロイヤルファミリー担当記者が王室について学んだ9つの事
9 things I learnt about the royal family by Jennie Bond
英『BBC』で14年間にわたってロイヤルファミリーの情報をお茶の間に届け続けた元担当記者、ジェニー・ボンドさん。一般的な記者としてキャリアをスタートさせた彼女は、元々英国王室にはほとんど興味がなかったといいます…。
―しかしながら、1997年にダイアナ元妃が亡くなった後からは、よりロイヤルファミリーの節目を伝えるという重要な仕事を務め続けてきました。
2003年に一線から退いた彼女は現在67歳ですが、このほどオンラインフォトプリント会社「Photobox」と提携を結び、ロイヤルファミリーのベストショットを掲載するために仕事復帰を果たしました。
今回の目標はハリー王子とメーガン・マークルへの結婚のお祝いとして、2018年5月19日(現地時間)に行われる式典までに300枚の写真をまとめ上げること。写真を販売して得た収入はすべて慈善団体に寄付されるそうです。
ジェニーさんは王室について、ありとあらゆる情報を持つ人物。今回、最も彼女の記憶に残るエピソードを特別に教えてくれました。
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From Harper's BAZAAR UK
Photography / Getty Images
Translation / Ai Ono
ダイアナ元妃は私を信頼して秘密を明かしてくれた、賢い女性
「私はダイアナ元妃と出会い、じっくりと話をし、彼女の私生活や結婚、気持ちについて多くの質問を投げかけました。彼女はそのすべてに答えてくれました。それはとても異例なことで、1995年に放映されたBBC番組「パノラマ」のインタビューよりも前のことでした。彼女は“この結婚には3人もいたんです”とも話してくれました、内密に…」
「私たちは彼女の応接間で1時間半ほど、色々なことについて話しました。最後に彼女はこう言ったのです。“ねぇ、ジェニー。これは私たち2人と壁4面の間だけの話よ”と。黙っていることが正しい決断だったのか、彼女の本心はその話を伝え広めてほしいと思っていたのか、なぜ彼女が私にすべてを話してくれたのか、心のどこかで疑問に思う私もいます。彼女は“自分(ダイアナ)の言葉”として伝えてほしかったと、実は思っていたのではないかと思います。そのことに気づくには、私はあまりにも鈍感すぎました」
「ダイアナ元妃は私が思っていた以上にはっきりと、筋の通った、賢く、強い人でした。彼女はとてもおもしろく、公に見せていた姿よりもずっと知的でした。彼女は周りを笑わせては頭を反らして彼女自身も笑っているような人でした。彼女は人々が思っていたよりもずっと賢い女性だったのです」
ロイヤルファミリーは、彼ら自身の最大の敵になりうる
「彼らに同情を感じると同時に、王室メンバーは彼ら自身の最大の敵になりうることもあると感じています。彼らはどんなときも“イメージ”を持たれることを嫌います。宮殿はいつも私に“私たちの問題ではありません”と言います。そして私は“聞いてください、イメージは重要ですよ”と伝えたのです」
「大事なことは、王室が遂行する仕事にあります。その影響力を利用し、いい仕事を公表するためには記者が必要です。記者と適切な関係を築くことが賢明だと思います。多くの女官は、私が女王とランチを共にしなかったことを話にならないと思っていました。理解できなかったようです。他の記者たちは女王と会っていましたが、彼らは王室特派員のように見えました。それは誤った判断だと思いました」
ロイヤルファミリーは記者との交流を最小限に抑えるのが掟
「王室担当記者は専門職としてフルタイムの仕事であり、誰かに託すことはできません。上司からは7日間・24時間いつでも動けることを望まれます。この仕事を始めた直後の38歳の時に、娘を妊娠しました。待ち望んだ子供を授かりながら、世界中に行かなければならないこの大きな仕事をこなすのは難しかったです。ひとたび電話がなれば、出なければなりませんでしたから」
「ジャーナリズムの難しさもあります。時に聞こえてくる話に信憑性がないことがあります。そんなとき、(記者が単身で)女王と会うことはできないので、真実を確立させることは非常に困難です。政治担当記者のように首相を呼び出すことはできません。記者や秘書、女官らと会うことはありますが、ロイヤルファミリーと直接ご対面して話を聞けることは非常に稀なことなのです」
今度のロイヤルウエディングはよりアットホームな雰囲気
「ウエディングケーキや会場選びを見ると、ハリー王子とメーガンがこれまでの(王室の)伝統にこだわらない姿勢を示しているのがよく分かります。式は形式的な感じではなく、よりアットホームなもので、堅苦しい大きな式にはならないはずです。といっても、彼らは形式ばらないことをしているように見えるかもしれませんが、本質的には女王が出席されることから、伝統的な結婚式になるとも思います。招待状についての宮殿からの発表から察するに、ハリー王子が軍服を着用するのはほぼ間違いないでしょう」
ハリー王子&メーガンのウエディングケーキを手がけるクレア・プタックさんの作品。 Courtesy of Violet Cakes London via instagram