少なくとも公式には、「プリンセス(王女)」にはならないのでした…。

The Duke and Duchess of Sussex 

 バッキンガム宮殿は先日、エリザベス女王が孫のハリー王子に「サセックス公爵」の称号を与えたと発表しました。

 それにともない、花嫁であったメーガン妃は「サセックス公爵夫人」となり、「妃殿下(Her Royal Highness)」の称号も授与されることになります。また、ハリー王子は「ダンバートン伯爵」および「キルキール男爵」の称号も授かったことが明らかとなりました。


 発表によると、「エリザベス女王は本日、ハリー王子に公爵の位を授与しました。王子の称号は、『サセックス公爵』、『ダンバートン伯爵』、そして『キルキール男爵です』」と述べられています。

 そして、「ハリー王子は『HRH(His Royal Highness)サセックス公爵』となり、メーガン・マークルさんはこの結婚によって『HRH(Her Royal Highness)サセックス公爵夫人』となります」と続けています。(次ページへ続く) 
 

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Photograph / Getty Images

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 王室メンバーの結婚に際して、君主は新しい称号を与える慣習があります。 

 2017年、ハリー王子とメーガン妃との婚約が発表されると、現在王位継承順が第6位であるハリー王子には英国貴族の称号としては最高位である、「公爵」の称号が与えられると予想されました。なかでも、「アルバニー」や「クラレンス」と並んで空いていた「サセックス」が最有力候補だったのです。

 最後のサセックス公爵は、ジョージ3世の9番目の息子だったオーガスタス・フレデリック王子のこと…。 

 彼は2度、1793年と1831年に結婚しています。ですが、彼の父がどちらの関係も承認しなかったため公爵の子どもたちに王位継承権はなく、1843年に彼が亡くなった後は公爵の称号が絶えていたのでした…。(次ページへ続く)

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 上の写真が最後のサセックス公爵である、オーガスタス・フレデリック王子。

 メーガン妃の新しい称号が認められたことで、彼女が「プリンセス・メーガン」になるという噂は消えました。

 ウィリアム王子との結婚により「ケンブリッジ公爵夫人」となったケイト・ミドルトン同様、メーガンも夫の称号と名前を名乗ることになるのです。つまり、女王が彼女に与えた称号と並び、「HRHプリンセス・ヘンリー・オブ・ウェールズ」となります。

 ジョージ王子やベアトリス王女のように、自分の名前とともに「王子(プリンス)」や「王女(プリンセス)」の称号を使うことができるのは、ロイヤルファミリーから生まれた人だけなのです。

 では、「メーガンの姓はどうなるのか?」というと…ロイヤルファミリーの姓である、「マウントバッテン=ウィンザー」を名乗ることになるようです。

 王室のウェブサイトによれば、「ロイヤルファミリーの『ウィンザー』という姓が、女王が1952年に戴冠した際に認められました。しかし1960年、エリザベス女王とフィリップ王配は、ジョージ5世の子孫であるすべての男子と未婚の女子が「ウィンザー」という姓を使っていることから、直系の子孫をほかのロイヤルファミリーと(王室の名前を変えることなく)区別すると決定。そのため枢密院は女王の子孫や、子孫に嫁ぐ女性は『Royal Highness(ロイヤル・ハイネス=殿下)』や、『王子・王女』のほかに『マウントバッテン=ウィンザー』の姓を用いると宣言したのです』と記載されています。(次ページへ続く)

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 上の写真は、サセックスにあるアランデル城になります。

 ハリー王子は出生時に、父の「プリンス・オブ・ウェールズ」という称号を反映させて「ウェールズ」の名を与えられました。しかし規則としては、今後は「サセックス」を用いることになり、メーガン妃も「メーガン・サセックス」となるのです。

 とはいえ、メーガン妃は苗字を使う必要はありません。実際、「HRH王子」や「HRH王女」の称号をもっている王室メンバーなら誰もが、姓を使う必要はまったくないのですから…。

 また、もしこの新婚カップルに子どもが生まれれば、女王が例外を適用しない限り、王子や王女ではなく、「ロード(卿)」や「レディー」をつけて呼ばれることになります。

 話が先回りしてしまいましたが、第1子の誕生も楽しみなところですね。


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英ロイヤルウェディング写真集レポート


From Harper’s BAZAAR UK
Photography / Getty Images
Translation / Mitsuko Kanno