イギリス人女優のロザムンド・パイクは、映画『007 ダイ・アナザー・デイ』のオーディションを受けた際、気まずい雰囲気のなかで下着姿になることを拒否したものの、それでもボンドガール役をしっかり射止めました。 

 2018年に39歳になったパイクは、2014年の『ゴーン・ガール』ではアカデミー主演女優賞にノミネートされていましたが、そんな彼女が映画に初出演したのは2002年の『007 ダイ・アナザー・デイ』でのミランダ・フロスト役でした。この役のオーディションを受けたとき、パイクはまだ21歳でした。 

 007でのオーディションに際して、パイクは複数の映画プロデューサーから「セクシーなドレスを着ていくように…」と忠告を受けました。「もし必要があれば、そのドレスを脱ぎ捨てるように」ということまで触れていたようです。

 また彼女は、「当日ドレスの下に身につけるように」と言われ、「紐のような3つの布きれ」を手渡されましたそうです。 

 そして当日、パイクは自分の母親のイブニングガウンを着てオーディションに出かけます。そのことに関して映画の衣装デザイナーは困惑するばかり…「言うべきことが何も思いつかなかったわ」とのコメント。 

「当時、私は21歳。自分がどこで、その決意や心の強さを手に入れていたのかもわからなかったわ。でも、そのときの私は、『実際、もし彼らに自分の下着姿を見せることになったら、絶対にお断り』と思ったいたの。そのとき衣装デザイナーは、『とてもきれいなドレスね。でも、ボンド映画ではこんな感じのものを着るんだよ』と言っていたわ」と、パイクはオーディブル・セッションズ(アマゾンのオーディオブック部門が手がける一連のインタビュー)の中で回想していました。 

「そしてその男は、紐のような下着を差し出したの。そのとき私は、自分の許容範囲を超えたところにいることに気がついたわ。そのキラキラしたタイトなワンピースやらを着ることまではしたの、でも、それを脱ぐことはできなかったわ」とパイク。

  
 そんな経緯で進んだオーディションでしたが、結果はお分かりとおり…見事、彼女はボンドガール役を射止めたのです。そして、いざ撮影の段に入ってたら…心配は無用でした。彼女自身、「気まずい思いをしたことは一度もなかった」と言い、そのことに関して同作品のプロデューサーを務めたバーバラ・ブロッコリは、「#MeTooムーブメントの考え方を、私たちはかなり前から先取りをしていた。そのおかげ」と述べています。 

「あのボンド映画での自分の経験を振り返って今思うのは、なんとも有り難いことに(プロデューサーの)バーバラ・ブロッコリがこの#MeTooムーブメントというものすべてに関して、はるかに時代を先取りしていたということ」と、パイクも同意見を述べています。 

 ボンドガールを演じて以降、パイクは複数の映画で大役を務めてきました。その中には、『ゴーン・ガール』でのエイミー・エリオット・ダン役も含まれます。彼女はこの役で初めて、アカデミー賞にノミネートされました。 
  

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Photograph / Getty Images 

   
 パイクは、2018年秋全米公開の映画『A Private War』(原題)では、主人公のメリー・コルビン(著名な戦争ジャーナリスト)役を演じています。この映画にはジェイミー・ドーナンや、スタンリー・トゥッチも出演しています。パイクはまた『Moominvalley』(原題)というテレビのアニメーション番組で、ケイト・ウィンスレットとともに声優も務めています。 

 デビュー作のオーディションで信念を貫いたパイク。今後の女優人生がいかに飛躍するか、さらに注目していきましょう。そこで今回、彼女の代表作を振り返ってみました。

ロザムンド・パイクの代表作 #1

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(C)20th Century Fox

デヴィッド・フィンチャー監督が手がけた映画『ゴーン・ガール』(2014年公開)に、ベン・アフレックと出演したロザムンド・パイク。彼女の一番の代表作であり、ミステリアスでサイコパスな人妻エイミーを演じました。その演技は素晴らしく、オスカー主演女優賞にノミネートされています。

ロザムンド・パイクの代表作 #2

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(C)Paramount Pictures

トム・クルーズ主演のアクション映画『アウトロー』(2012年公開)に出演したロザムンド・パイク。本作では、弁護士のヘレン・ロディン役を演じました。

ロザムンド・パイクの代表作 #3

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Roger Films LLC (C) 2013

映画『悪魔の秘め事』(2013年公開)に、ジェニファー・ローレンスらと出演したロザムンド・パイク。3人の実力派女優が熱演するサスペンス作品であり、ロザムンド・パイクは気が強く自信過剰な女優の卵を演じています。


From ESQUIRE UK 原文(English)

Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。