メキシコの国境で行われる謎の麻薬捜査

編集部注目のエイガ

By エスクァイア編集部公開日:2016/04/01

一人の女性FBI捜査官が
隣国メキシコで目にした
麻薬取引とは一体何なのか？

映画『ボーダーライン』

Shooting, Shooter game, Machine gun, Air gun, Flash photography, Shotgun, Gun barrel, Glove, Action film, Gunshot,

　
　アメリカとメキシコは、あらゆる意味で国境によって平和が守られている国同士であります。犯罪率の高いメキシコ人を簡単に入国させないため、国境では厳重なセキュリティと張りつめた冷たい空気が存在しているのです。世界中でも隣国同士で警戒し合っている国々は少なくないことは事実として分かっています。

　本作は、FBIで誘拐事件を担当する捜査官ケイト（エミリー・ブラント）が、秘密裏に編成された特殊チームにスカウトされるところから始まります。チームに課せられたミッションは、アメリカ社会を触むメキシコの麻薬組織ソノラ・カルテルの壊滅。持ち前の正義感に駆られてチームに志願するケイトでしたが、リーダーの特別捜査官グレイヴァー（ジョシュ・ブローリン）、謎めいたコロンビア人のコンサルタント、アレハンドロ（ベネチオ・デル・トロ）は、なぜか作戦の詳細を教えようとしません。　

　何もわからぬままメキシコのフアレスへ同行したケイトは、人命が虫けらのように軽んじられる暴力が日常化した街のおぞましい実態と、作戦中に手荒な超法的手段を駆使するチームの方針に疑問を抱きます。やがて、麻薬戦争の得体の知れない闇の奥深くに身を投じ、さらなる想像を絶する真実を目の当たりにするのでした。　
　

Hair, Face, Head, Electronic device, Peripheral, Office equipment, Computer monitor, Desktop computer, Display device, Computer,

　リアルなメキシコの内情、そして麻薬組織の実態を細かく描かれている本作。これまでに見たことのなかった多くの真実が今暴かれます。また「ボーダーライン」は、アメリカとメキシコの国境の意味のみならず、善悪の境界線についても触れているため、鑑賞後は改めて頭の中で整理することができるかと思われます。　

　主人公ケイトを演じるのは、キュートなルックスで絶大な人気を得るエミリー・ブラント。ストーリー序盤で映し出される彼女の女性らしい一面に、惚れてしまうことは間違いないでしょう。また、銃を構える姿がスタイリッシュでカッコいいのです。FBI女性捜査官は美人で強いイメージを私たちに植え付けてくれることかと。　

　ケイトのミステリアスな仲間にはベテラン演技派俳優、ジョシュ・ブローリンと南米屈指のオスカー俳優のベネチオ・デル・トロが脇を固め、緊張感溢れるシリアスな演技を魅せてくれます。ベネチオ・デル・トロに至っては、話すシーンはもちろんのこと、表情、雰囲気、佇まいでも怪演しており、私たちをスクリーンに引き寄せる魔法を披露してくれます。　
　

Eyewear, Vision care, Glasses, Sunglasses, Mammal, Shooting, Goggles, Windscreen wiper, Windshield, Automotive carrying rack,

　本年度のアカデミー賞3部門（撮影賞、音響技術賞、作曲賞）でノミネートされた本作。ストーリーやキャストのみならず、撮影や音響にも大変優れている本作をぜひ大スクリーンでご観賞ください。　
　

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

4/9公開映画『ボーダーライン』本予告

Watch on

【ストーリー】
巨悪化するメキシコ麻薬カルテルを撲滅すべく、特別部隊にリクルートされたFBI捜査官ケイト（エミリー・ブラント）。特別捜査官（ジョシュ・ブローリン）に召集され、謎のコロンビア人アレハンドロ（ベニチオ・デル・トロ）と共に国境付近を拠点とする麻薬組織ソノラカルテルを撲滅させるミッションに就く。仲間の動きさえも把握できない常軌を逸した極秘任務、人が簡単に命を落とす現場に直面したケイトは、善悪の境界が分からなくなってゆく。麻薬カルテルを捕まえるためにどこまで踏み込めばいいのか？法無き世界で悪を征する合法的な手段はあるのでしょうか？得体の知れない悪を前に、知れば知るほど深くなる闇の行く末とは―。

監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本：テイラー・シェリダン
撮影：ロジャー・ディーキンス
出演：エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、ジェフリー・ドノバン他　

『ボーダーライン』　
2015 年／アメリカ／カラー／英語／121分
原題：Sicario
配給：KADOKAWA
4月9日（土）角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー　　
（C）2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

　
公式サイト
>>>http://border-line.jp/

（C）2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
編集者: 山野井　俊