2018年公開の新作は、監督の生まれ故郷・奈良で全編撮影。さて、どんな作品ができ上がるのか? 今後に注目です。

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映画『Vision』

 1997年に映画『萌の朱雀』を発表してから早くも20年…世界的に高い評価を得ている河瀨直美監督が、自身の出身地である奈良で再び新作映画『Vision』の撮影をスタートさせました。 

 主演に迎えるのは、フランスを代表する大女優ジュリエット・ビノシュと、日本が誇る名優永瀬正敏に。 

 今作のきっかけは、2017年5月に開催された第70回カンヌ国際映画祭にて。映画祭の公式ディナーで、偶然にも河瀨監督と同席となった今作のプロデューサー マリアン・スロットが、国籍や言葉の壁を越えた“映画への愛”を共通言語に河瀬監督とジュリエット・ビノシュを引き合わせたところ、2人はすぐに意気投合。ビノシュは監督の次回作出演に意欲を見せ、翌6月には制作が決定しました。

 さらに監督はすぐにオリジナル脚本を執筆。運命的な出会いからなんとたった3カ月で、この作品は船出を迎えたのでした。
 

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左から/主演を務める永瀬正敏、監督の河瀨直美、フランスから撮影のため来日したジュリエット・ビノシュ。

 
 「ジュリエットに出会い、彼女と作品を作りたいと思った瞬間から、すべての準備がパズルのピースのように次々と奇跡的にはまっていき、帰国して3カ月ほどで、ゼロからの企画がこうして立ち上がりました。ジュリエットの映画に対する姿勢と、フレームの中の存在感は圧倒的です。彼女も使命と運命を感じてくれていて、日本の奥深い森に来るのは永年の夢だったと聞きました。撮影が楽しみです」と、河瀨監督は語っています。 

 自然豊かな神秘の地・吉野での撮影となるこの作品、『Vision』。ストーリーは世界中を旅して紀行文を執筆するエッセイストのジャンヌと、吉野の山を守る山守の男・智(とも)が出会い、心を通わせていく――というもの。

 公開は2018年を予定。今から待ち遠しいですね。

編集者:小川和繁