『白雪姫』『眠れる森の美女』に『シンデレラ』といった、ディズニーアニメを代表するプリンセスたち。現代となれば、白馬に乗った王子さまが助けにきてくれるのずっと待つなんて…「ありえない話よ!」とクールに言い放つ、オシャマな子どもたちだって少なくないでしょう。

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Ellie Bamber, star of The Nutcracker, stands up for the Disney princess

 そんな時代の変化に合わせ、ディズニーも少しずつストーリーの内容をアップデートしているようです。

 その証拠に、『メリダとおそろしの森』のメリダや、『アナと雪の女王』のエルサといった自立心が強いプリンセスたちも登場するようになり、『モアナと伝説の海』のモアナや『プリンセスと魔法のキス』のティアナのように、多様性が重視されるようにもなっています。

 そして、不朽の名作を実写化したディズニー最新作『くるみ割り人形と秘密の王国』(2018年11月30日本公開)でも、モダンな解釈がなされているようです。

「お菓子の国」の統治者シュガー・プラムを演じるキーラ・ナイトレイはじめ、大女優ヘレン・ミレン、ミスティ・コープランド(黒人女性として初めてアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルに任命されたバレエダンサー)、ジャック・ホワイトホールも出演するとあって、早くも話題となっています。

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 キャストの中でも注目を集めているのが、21歳の若手女優エリー・バンバー(Ellie Bamber)。

 彼女が先日、ロンドンで開催されたヨーロッパプレミアでUK版『ハーパーズ バザー』のインタビューに応じ、これまでのディズニー映画に変化をもたらすパワフルな女性キャラクターたちについて語りました。

 エリーは「強い女性が主役を務める時代がやっときた」と喜ぶいっぽう、実は古風なプリンセスも好きなのだとか…。

「今でもシンデレラが大好き。あの映画や他のディズニー作品には、私たちを夢中にさせる魔法のような魅力があると思うわ。でも、いまの時代はパワフルな女性キャラクターを必要としているし、この映画にも強い女性がたくさん登場するわ。物語に真実味を持たせ、若い女の子たちのロールモデルとなりそうな女性を主人公にするのは、とても素晴らしいことよね」と。

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シャネルのオートクチュールも堂々と着こなすエリー。Photograph / Getty Images


 映画に登場する女性たちも、このロールモデルにふさわしいキャラクターです。しかしながら、エリーには子どものころから尊敬している2人の女性がいるのだとか…。それが彼女の母と祖母。

「私の人生に欠かせない、とても強くてパワフルな女性 ― 私からしてみれば、彼女たちの人生そのものが物語のよう」とのこと。

 本作では、主人公クララ(マッケンジー・フォイ)の姉を演じるエリー。この映画に出演を希望したのは、彼女の大好きな映画『ショコラ』を手がけたスウェーデンの巨匠ラッセ・ハルストレム監督と仕事をしてみたかったからだそうです。

「近ごろ、名作をリブートした映画が多い。誰もが知っているストーリーに新たなひねりを加えることで、とても美しい作品が完成するといつも信じているわ ― 思いもよらない展開があることで、新鮮さがプラスされる。それにちょっとしたマジカルな演出があったほうが、観ていても楽しいでしょう?」とコメントしています。

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『インターステラ―』のマッケンジー・フォイ(左)と、ご存じキーラ・ナイトレイ(中央)らとのペアショット。© 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 
 1997年生まれ、イングランド南東部のサリー州で育ったエリー。子役からキャリアをスタートさせ、2016年に公開されたトム・フォードが監督した映画『ノクターナル・アニマルズ』で、ジェイク・ギレンホールとアイラ・フィッシャーの娘役に抜擢されました。

 監督のトムについては、「彼からはディテールの大切さを教わった」「トムは細部に強いこだわりを持っている。すべてのシーンにおいて、細かい部分まで気を配っていたわ。それをすることの大切さと、アピールしすぎないほうが観客に伝わりやすいということを教えてくれた。洗練されたディテールは、映画を観ている人たちに大きなインパクトを与えるってね」と語っています。

 さらには、ファッションについても学んだようです。

「だって彼は、天下のトム・フォードよ ― 彼が現場に着てくる服をいつもチェックしていたわ。彼はよく、デニム on デニムにカウボーイハットを合わせていたわ。これまで見たスタイルの中で、一番クールだと思ったの…。家で真似してみたけど、うまく着こなせなかったわ。またトライしてみる予定だけど…」とコメントしています。

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トム・フォード(中央)、アイラ・フィッシャー(右)とともに。Photograph / Getty Images


 そんな彼女が次に出演するのが、英BBCのTVドラマ『レ・ミゼラブル』。彼女はコゼット役を演じ、デヴィッド・オイェロウォやドミニク・ウェスト、リリー・コリンズ、オリヴィア・コールマンなど、そうそうたる面々と共演。

「信じられないほど素晴らしい体験だった ― 豪華キャストと共演することができて、とてもラッキーだったし、みんなクールで素敵な人たちばかりだったわ。ドラマの脚本を担当したアンドリュー・デイヴィスはオリジナルの小説の美しさを見事に再現しつつ、1500ページ分のストーリーをうまくまとめていて感服したわ。とにかく素晴らしい脚本だった」とコメントしています。

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カンヌにて。Photograph / Getty Images

  
 立て続けにディズニー映画、BBCの豪華TVドラマに出演し、トム・フォードからファッションアドバイスをもらい、シャネルのブランド・アンバサダーも務めるエリー。大きな可能性を秘めた彼女の今後の活躍から、目が離せません。

From Harper’s BAZAAR UK
Photograph / Getty Images
Courtesy of @Disney
Translation / Reiko Kuwabara