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映画のロケ地として誘致すると、その映画がヒットすれば観光で賑わう…ゆるキャラやB級グルメと並んで、“町おこし”の成功事例を出しているのが映画・ドラマ等でのロケ地誘致。現在、この誘致活動を勢力的に行っている街も多いとのこと。そんな折、映画と(地方の)町との関係に一石を投じる映画が公開されます。それがこの『エキストランド』(2017年11月11日公開)。そこで主演の吉沢 悠(よしざわ ひさし)さんにインタビューを行いました。
  

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映画『エキストランド』は2017年11月11日から東京・ユーロスペース他、全国順次公開します。配給:コトプロダクション(c)Koto Production Inc.

 
 過去のある失敗によって、映画を製作することできなくなった映画プロデューサーが主人公となり、物語を展開するこの映画。主人公を務めるのは、俳優・吉沢 悠。彼が再びプロデューサーとして活躍する足掛かりとなる映画をつくるため、地方の市民を騙して映画を作ろうと画策するストーリーになります。

 見所は吉沢 悠、戸次重幸、前野朋哉ほか演技派俳優たちが織りなす、リアル感とユーモアが交差するキャラクタ―づくりにあります。ですが、それ以上にストーリー自体も秀逸です。撮影最終日に自分たちが利用されているだけだと気がついた市民たちが企てる前代未聞の計画…その展開は見事、痛快であり哀愁もそそるストーリーになっているところは見逃せません。

 自らの成功のため映画で地元を盛り上げたいと考える市民を利用する、いわば悪徳映画プロデューサーの駒田役を演じる吉沢 悠。本当は許すことのできない「騙す」という行為をしておきながら、どこか憎めないところも見せる吉沢の演技は堪りません。

 また、この主人公・駒田に追従する映画監督・石井を演じる戸次重幸の真っ直ぐな演技、そんな映画スタッフたちと対峙する誘致先「えのき」市観光課職員・内川役の前野朋哉が繰り出す独特のテンポ感…さらには「えのき」市民である土田役で登場する金田 哲(はんにゃ)の巧妙なユーモアにより、物語全体にグッと厚みを増してくれているのです。

 そして映画の内容をリアルに再現した、エキストラ陣の存在も重要な役割となっています…このように、言ってみればバラバラのキャストたちを上手にまとめ上げた坂下雄一郎監督。この映画は彼の代表作と言っていいほどの秀作です。

 今後のシリーズ化も期待できる作品ですので、ぜひ映画館でご覧になってください! 

 
【主役を演じる吉沢 悠のインタビューはこちら!】

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映画『エキストランド』主人公・吉沢 悠インタビュー#01

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まず最初に、この『エキストランド』の
台本を読んだとき、どういう印象でしたか? 


吉沢悠さん(以下敬称略で吉沢に):まだ、出演を決めていないときですが、事前に台本を読ませていただいたのですが。読めば、ふだんボクがオファーをいただく役とは、「ちょっと違うな」という感じでしたね。でも、そこに否定的な思いなどなく、純粋に気持ちで「新しいチャレンジができる面白さ・楽しさ」を感じさせていただきました。「ヤリガイのある仕事」だなと。数回読んでいるうちに、演技の方向性も自然と浮かできました。つまり、その時点で自分はその主人公・駒田役にすんなり入り込めたんですかねぇ。つまり、演じるべきキャスティグであると体が判断したってことかと、今だから言えるかもしれませんね。なので、素直に出演のオファーを受けさせていただきました。

編集部:今回の駒田という映画プロデューサー役ですが、言ってみれば悪役じゃないですか。先ほども吉沢さんがおっしゃったとおり、「吉沢 悠」という俳優のイメージじゃないって感じたのですが、その辺、抵抗はまったくなかったということですか?


吉沢:はい。それがむしろ、興味がもてたというか、自分の演技に幅をもたせるいいチャンスとも感じましたね。いつも配役をいただくと、そのキャラクターの演技方法について想像するのですが今回は市民を騙す、言ってみれば悪徳な映画プロデューサーじゃないですか。でも、単なる「悪」、記号としての「悪」を描くのだけはしたくないって思いました。人々を騙すという悪行を躊躇なく行う人物・駒田の中にも、「なぜ駒田がこのようになったのか?」という想像を観客に疑問を抱いてくださるような演技をしたいって思ったんです。現在の駒田という人物の背景から滲み出た、現在の駒田の人間性が描けたらいいなと強く感じましたね。その思いを監督に相談させていただいたら、すぐに賛成してくれて。そして、脚本のほうも少々手直しを加えていただけたのです。

編集部:なるほど、素晴らしいですね。それが演技の醍醐味ですね。観ているほうも、そうした演技によって、スクリーンに引き込まれるのだと思います。吉沢さんは、いつもそうしたスタイルで演技方法を深堀りしていくんですか? 


吉沢:そうですねー。今、映画でもアニメものが人気じゃないですか。昔はアニメというと、「悪」と「正義」が記号的にきっぱりとわかりやすく存在していたように思うんです。ですが最近は、アニメの登場人物たちも人間性を感じさせる演出がなされている。それもあって、いまアニメ映画が人気になっているのかもとも思っています。つまり、いま観客の皆さんは登場人物の背景を感じるとか、読み解くことに楽しみを見い出す傾向にあるのではと思っているんですね。とはいえ、自分自身の演技スタイルがキャラクターを深堀りしていくことが好きなので、実践させてもらっただけなのですが(笑)。やはり、演じているのも人間、観ていただいている方々も人間じゃないですか。こんなデジタル的になった現在でも、やはり人間の生き様はアナログ、特に心は。心に訴える職業をさせていただいているので、人の裏側に潜むことまで演技できるようにしたいなぁと思っています。心の機微が演じられるような演技を目指していきたいと思っています。 

編集部:そういったなかで、具体的な役作りはしましたか?  


吉沢:この『エキストランド』でいえば、自分の周りにも駒田に近いというか、駒田っぽいところを一瞬でも見せる人っているじゃないですか(笑)。そんな人たちの行動を観察したりして、演技というか演技中の仕草やクセのような表現に取り入れさせていただいています(笑)。演技って、「アウトプット」じゃないですか。そのためには、「インプット」が必要になります。新たな役柄に挑戦する場合にはなおさら必要。そうした研究のようなことは、毎回させていただいています。でも、実際の演技のときには、参考にした人の真似をしようとは思っていません。まさに「インプット」。そのまま自分の中に取り入れて、あとは自分の中で咀嚼(そしゃく)していく感じですかね。その栄養から、演技すべき駒田の人格そして肉体を作り上げる感覚でしょうか。なので、演技の段階になって、その参考とした人を思い出すことはあまりありません。たぶんそうすると、演技の芯がブレて、観客の皆さんに違和感を感じさせることになるかと思いますので(次ページにつづく) 



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映画『エキストランド』主人公・吉沢 悠インタビュー#02

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Photograph / Aki Kinoshita

編集部:私たちな勝手な思いなのですが…これまでの吉沢さんの役柄って、「吉沢 悠=王子さま的な好青年」という印象だったのです。爽やかで実直で…といった。でも、この映画『エキストランド』ばかりではなく、最近の吉沢さんの演技を観させていただきますと、なんか演技の幅を広げてきていると言いますか…。すみません、生意気な発言で!  


吉沢:いや多分、ボク自身も自分のパブリックのイメージって、よくわかってないんですけど。自分自身でも不思議なんですよ。そのように思ってくれている方が結構多くて…。自分自身の中にも、「ちゃんと」と言ってはおかしいかもしれませんが、駒田的な要素もありますしねぇ(笑)。たぶん、たまたまそういう役への縁があったからですね…。でも、この映画『エキストランド』の駒田役を演じることで、「自分の違う面が出せる場がもらえ、それを出せた」かなぁって思えました。今後、この経験を活かしていけえば…と思っているのは確かです。 


編集部:なるほど、縁が少なかったんですね。では、演技の基本的な姿勢って今回、特別に変えていないということですね? 


吉沢:はい、ぜんぜん変えていません、自分ではそういう認識です。まあでも、人って経験を積んでいって、自然と変化していくものじゃないですか。自分でも無意識のうちに変わっていると言われれば、そうかもしれませんね。それがいい方向にいっていることを願っています(笑)。「ボクはこういうスタンスで演技したい」って、明確な方向性とかもっていないんです(笑)。いかに自然体で…と言いますか、意識しないでその人物を演じることが一番大切だと思っていますので…。でも、そんななか、葛藤もあるんですよ。駒田ですとやはり悪役ですので、「俺は悪役だぜっていう風に、わかりやすくした演技したほうが本当はいいんじゃないか?」って、反対の意見を言う自分もいるんですよ。「どっちがいいのか?」、その答えは一生得ることはできないかもしれませんね。

編集部:でも、俳優の皆さんはわからないまま、ずっと模索し続けている…それが演技=俳優の仕事っていうことなんですかね? 


吉沢:そうなのかもしれませんね…。でも、現場では「振り切っていかないと!」って思っています。迷いをもたず、自分が信じる方向へと振り切って演じることが大切だと…。そこに微調整を与えて仕上げてくれるのが、演出家や監督の技だと思っているんですね。それが映画や舞台づくりの形ではないかって…。ボクが20代中盤くらいの頃、故つかこうへいさんの舞台に立たせていただいたことがあるんですが、そこで演出の指導をいただいて幕が上がると、自分でも思っていないほどオープンになっていたんですよ。その役柄どおりの自分になっちゃう…。舞台の上で「うぉらぁ~!」的な男になっていたんですよ。で、それは舞台を降りているときも続いていたらしいです。舞台を降りて、普段の生活のなかでも「うぉらぁ~!」的な男になっていたそうで…(笑)。そこで感じたんです。無意識のうちに、そのキャラクターが降臨する感覚というのが「演技」というものかなぁって…。「演技」することを意識したときには、そこには違和感しか観客に提供することができないのでは?と。でも、そうなると、その後に苦労するときもあるんですよ(笑)。舞台が終わり、そして次の作品に入るとき…。自分でもよくわかっていなかったのですが、実際に次の仕事であったんです。その以前の役が抜けていないらしくて、そこでは全く違う役柄なのに、その作品で「うぉらぁ~!」って感じで…。あの頃は20代だったので、自分をコントロールしきれていなかったんですね。なにがいいのか悪いのか、よくわかんなくなっちゃっていましたね(笑)。でも、そのときの「どっちがいいのかわからない」っていう経験も、結構勉強になりましたね。 

編集部:なるほど~俳優って難しいですね。私も学生時代には、演劇を専攻していたのですが…「演技とは演技をしないとこと」だとか教わりましたね~。あと、チャンプリンの名言で「偉大な俳優になるために必要なのは、演技をする自分を愛すること」とかって、難しすぎてわかりませんでした。でも、その回答を求め続けることが役者の仕事なのかって、吉沢さんの話で思いました。そして、それが役者冥利といいますか、ヤリガイではないか…と。素敵な職業だと思います。では、今回の映画で、吉沢さんは迷わずに振り切った演技はできたのですか? 役柄の駒田は、吉沢さんの中に降臨してきましたか?(次ページにつづく)  



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映画『エキストランド』主人公・吉沢 悠インタビュー#03

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編集部:今回の坂下監督の世界感、いわゆる「坂下ワールド」はいかがでしたか? 


吉沢:坂下さんに最初に会ったのは、ボクの所属事務所でした。そこで最初に挨拶をさせていただいただけで、あとは喋ってないですね。坂下さんのほうが(笑)。「うわぁ、すげーシャイな人だな」て思ってエキストランドの(実際の)プロデューサーさんが。ずっと坂下さんと組んできた方なので、そのプロデューサーの方から「彼、普段はこんなじゃないんですから」というフォローを入れてくれるんですよ。でも、映画の現場では本当にすごい情熱でしたね。映画に対する愛も強いですし、まさに「坂下ワールド」って呼びたくなるほどの世界感をもっていることがすごくわかったんです。ボクと坂下さんのお仕事は今回初めてなんで、こちらも坂下さんをもっと理解してかなきゃいけないっていう部分がありました。そして、都度都度コミュニケーションを重ねていくごとに、互いの考え方の到達点が見えてくるんです。坂下さんはボクより年下で、30代前半の新進気鋭の監督です。でも、指揮の立場にいるべき存在であることがよくわかったんですよ。坂下監督による過去の作品に『らくごえいが』というオムニバス映画があるのですが、それに今回共演させていただいた撮影監督役土田を演じる戸次さんも出演していたんです。ですので、戸次さんからも「坂下ワールド」について教えていただきながら演じていきました。「えのき」市観光課職員・内川役の前野さんも、坂下組での撮影を何回か経験していたので…。そんな役者・スタッフの皆さんがもつ「坂下愛」は凄いんですよ。ボクも実感しました、坂下監督はキャストを本当に大切にしてくれるんです。そして純粋に、作品に対する思いも強い…。だから、そんな強い結束で「坂下ワールド」ができ上がるんだなぁって思いましたね。坂下さんの愛に呼応するように、周りのキャストスタッフたちも協力し合って、「坂下ワールド」を増幅させていくって感じです。今回のその一端を担えていたことが、とてもうれしいですね。 

編集部:坂下監督は、役者さんが考える演技の方向性を尊重してくれるという意味でしょうか? 


吉沢:そうだと思います。結構、今回はいろんな個性的な俳優さんと一緒に演じることができました。特に、はんにゃの金田さんとかは、自分にはないロジックで演技をされる方なんです。見ていても凄く面白かったですし、それはやはりひとえに、それぞれの役者がそれぞれの個性を出し切って作り上げた世界観を活かして、そこに微調整を加えることで見事なひとつの世界にまとめ上げた坂下さんの実力だって思うんです。決して、「絶対こうしてくれないと困る!」みたいな演出はなかったんですよ。それをよくここまでまとめ上げたな、と思っています。

編集部:なるほど、では、主役の駒田を演じた吉沢さんとして、この映画『エキストランド』の見どころはどこにありますか?  


吉沢:題材が映画の中の話です。皆さんは、映画といえば完成されたものを観るじゃないですか。映画づくりっていう現場は、なかなか観る機会はないと思います。今回の映画は、その一部が描かれています。もちろんフィクションです。そして、ちょっとやりすぎなところもあります。けど、それを楽しんでいただきながら、映画づくりの世界を楽しんでいただけるとうれしいですね。そして映画界だけに限らず一般社会のなかでも、駒田に近いような振る舞いをする人って少なくないと思うんです。自分のことばかりしか考えない人って。そういうところにも共感をもっていただきながら、楽しんでほしいですね。

編集部:でも、確かに悪徳な駒田ですが、なんか可愛らしいところも感じちゃったりしたのですが…。 


吉沢:そうですか? そう感じていただけるとうれしいです。駒田ってやつは、「本当に自分が好きなんだな」ってところを表現したかったんです。「すべて自分の手柄にしたい…」みたいな。そういう方、もしかするとこれを読んでくれている方の隣にもいるかもしれませんね(笑)。そんなリアル感が描ければ、と思ってやっていましたね。その登場人物がたとえダークサイドの人間だとしても、まるで隣にいるような人に見えたら、愛情が芽生えるというか同じ空間に存在しているような錯覚に陥るじゃないですか? そこに共感が生まれるのと同時に理解も生まれる。違う生き方、悪い生き方だけど理解ができるので、「こいつがこうなった裏には、なんか訳があるんだな…」って、観客自らドラマティックな方向に推測してしまう…そんな方が少なくないかもしれませんね、それで「可愛いらしい」という感情が浮かぶのでないでしょうか。「そんなキャラクターが演じることができたら…」と自分は思っていたので、今回、そう言っていただけると、とてもうれしいです。その駒田のキャラクター自が、今回の見どころでもあるって言わせてくださいね(笑)。 

編集部:では、もっと限定的に「自分のここ、この表情を見てくれ!」っていうシーンはありますか? 


吉沢:あります! それはボクが台本を最初に読んだときから思っていたところです。「ここに全部を注ぎたい!」っていうところがあったのです。

編集部:いきなり、台本からですか(笑)? ネタバレ注意ですよ!! 


吉沢:大丈夫ですよね(辺りを見回す吉沢さん)…それは最後の場面ですね。最後の最後に…、「もうどうしようもない」っていうときのシーンにすべてをかけたんですよ、ボクは。あそこでどれだけ魂を抜くことができるかってね…。ああいう演技、あんまりやったことないので、燃えました! 

編集部:なるほど~あそこですか!? なら、思う存分できましたね!


吉沢:はい! そう思っています。なので、多くの方に観てほしいですよ(笑)!(次ページにつづく) 



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映画『エキストランド』主人公・吉沢 悠インタビュー#04

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編集部:シーンの次はセリフです。ご自身で、「これは聞いてくれ!」っていうところありますか!? 


吉沢:セリフも一緒にして好きなシーンがあるのですが、いいでしょうか。映画を製作する側、駒田側は「映画だけ撮れればいい、実績が作れればいい」といった考えなのですが、市の役人である前野さん演じる内川は、地元を盛り上げることに一生懸命じゃないですか。それで互いに平行線で…。これ絶対的に「ダメだな!」ってわかる渋谷を街につくって、渋谷のシーンを撮るっていうシーンは、ちょっと自分でも感動するぐらいいいシーンになっています!!

編集部:あのハリボテみたいな(笑)渋谷の交差点付近を想定したシーンですね。

 
吉沢:そうです。あれ、本当は晴れのシーンだったんですよ、台本上では…。でも、たまたま雨が降っていて、これもう本当に、「ロケって計算できないよなぁ」っていう撮影だった気がするんすけど…。でも、逆に雨が降っていたからこそ、すごく物悲しくなっていて…お互いに「こんなんやってらんねーよ!」って感じがリアルに表現できたんですね。そのシーンの後半、「えのき」市のFC(フィルムコミッション)の人たちは現場から立ち去っていく状況のなか、「じゃ帰ったらいいんじゃないですかー?」と呟くシーンがいいんです。そしてそのあとに、FC側は内川役の前野さんだけが一人ぼっち佇むわけです。

編集部:はい、あれは相当悲しさが伝わってきましたよ。



吉沢:雨が降っていたことで、より物悲しくなるっていうのがすごく不思議だなぁと思って…。現場でも、スタッフの皆さんも言っていたのですが、「これ雨で逆によかったね」って…。これはもう計算ではつくれないシーンだったなぁって思っています。ボクだけが傘をさして、他の皆さんはカッパなんすよ。でも、カッパはビショビショになるじゃないですか。で、皆さんビショビショの中でやっている姿を観ていて、ボクの気持ちも2倍3倍ってノリ始めてきたんですよ。その意味では、あのシーンはすごく好きなシーンですね。自分が言うのもおこがましいですが、あのとき、「あ、ノッテルな!」って思いました(笑)。(次ページにつづく)



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映画『エキストランド』主人公・吉沢 悠インタビュー#05

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吉沢:坂下ワールドに魅了されたキャスト、そしてスタッフたちによって増幅された坂下ワールドに、天候といった文字通り天の恵みが加わって、この作品は自信をもっておすすめできる物語になったと思います。

編集部:それは素晴らしいことですね。次の仕事=演技の肥やしになりますね? 


吉沢:ええ(笑)。だから、この映画は皆さんのぜひともシアターで観てもらいたいって思っているんです。しかも、この映画はDVD化して売る予定は、まだないんですよ。

編集部:ほ~、イマドキ珍しいですね。DVD化はある意味、収益に貢献するので映画作りにとって当然のフローとなっているはずですが⁉


吉沢:はい。それだけ坂下組からは、映画に対する強~い愛を感じてしまうんですよ。でも、最終的にはDVD化するかもしれませんけど…。より多くの人に、観てもらいたって考えでDVD化するってこともあるので。

編集部:でも、現段階では映画館で観てほしいという希望をのせているわけですね。なんかそれって、心打たれますね。自分も坂下ワールドにハマりそうです。 


吉沢:そういうやり方をするっていうのは結構面白くて、そこには坂下さんだけの考えではなく、プロデューサーである田中さんの意向もあるようです。田中さんもとっても映画愛の強い方で、一斉公開ではなく単館上映で順次拡げていくことで、その映画の口コミなどで皆に伝えていくという手法が好きな方なんです。そういう新しい配給の仕方も、とっても興味深いですよね。  

編集部:最近では、AmazonやNetflixも映画製作をしたりしているじゃないですか。そういう形の延長上に、今回の映画づくりはあるのではないかという気もしています。かなり先端を走っているような…。クラウドファインディングを利用したりして、お客さんサポートをいただいてつくっていくということは、最新の映画づくりのカタチではないかと思いますね。そうすることで、その方たちが満足する。それで得た満足感って、人に伝えたくなるじゃないですか。そうして口コミで広がっていく…というような流れ。そして自然と上映するシアターも増えていく…。実はこれこそ、一番健康的な映画づくりのひとつではないかって思ったりするんです。  


吉沢:他のビジネスでも同様かもしれませんが、最近よく「どんどんニッチになっていったほうがいい」という思考がありますよね。この業界もその流れを感じることがありますね。ボクは実際、製作側とお客様を繋ぐハブ役じゃないですか。狭間にいる人間なので、それを見守る側なんですね。そういう意味では「どうなるだろう?」って、ハラハラしながらドキドキしながら作品づくりに参加していますよ。期待しながらですよ(笑)。(次ページにつづく)



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映画『エキストランド』主人公・吉沢 悠インタビュー#06

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編集部:お話をさせていただき、この映画『エキストランド』への思いがさらに増してきました。この際、この悪徳プロデューサー駒田をシリーズ化して映画がつくれたらいいんじゃないですか?  


吉沢:現場ででました、その話…。

編集部:吉沢さんと戸次さんのコンビで…。





吉沢:今回のカメラマン役の人が、色々なジャンルの現場で実際に撮影している方で、待ち時間に裏話をいっぱい聞いたんですよ。それがめちゃくちゃ面白くて…。その現場を撮影するうんぬんではなくて、そんな現場で生まれる面白い事件的なことを題材にするのも、面白いのではないかって話になりましたね。駒田も通常の映画を撮れなくなって、次は映画以外の現場へ行く。そして、そこで起こる珍事を題材にするという内容で、第2弾をやるのはどうか?って話になったんですよ。ま、それは役者同士で盛り上がった話なんですどね。こんな感じに、続編への希望は、キャスト全体にはありましたね。

編集部:もう第2弾のプロット、完成したのも同然じゃないですか。その展開、ぜひ実現してほしいですね(笑)。


吉沢:戸次さんはもう坂下組の常連的になっているので、これは全くあり得る話ですね。あと、今回の駒田の過去を描くのも面白いと思うんですよ。どのように前の映画で大ゴケしたのかって、興味もちませんか?





編集部:はい、まずはその過去を探る的な続編がいいですね。で、「スター・ウォーズ」シリーズや「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」みたいに、どんどん作られていくうちに何が先か後か分からなくなるぐらいが楽しいです(笑)。


沢:そうですね! シリーズ化やりたいですね!! ですが、その前に、この映画を成功させないといけませんね…。


編集部:では最後に、まだこの『エキストランド』を観ていない方々に向けて、吉沢さんなりのメッセージをお願いします。 


吉沢:実は物語の内容は、若干難しいかもしれません。ですが、とっても観やすい映画にはなっていますので、ぜひとも映画館でご覧になってください。主役の駒田を演じさせていただきましたが、多くの人がリアルに感情移入できるキャラクターに仕上げることができたと思います。そして、駒田のストーリーが展開していくうちに、どう変わっていくのかを見守ってあげてください。自分の日常に置き換えられるような、そんな映画になると思うので…。そういう意味で、楽しんでもらえる作品ではないかって思っています。最終的に「駒田がああなるんて…」っていうほどのドンデン返しを、ぜひ味わってください! スカッとできる作品でもあると思っています。そういう風に共感していただけたら、とてもうれしいです。ある人は駒田を憎むかもしれません。ある人は俺もそうだと…。そしてある人は駒田を観て、泣き出す人もいるかもしれません。ある種の強い意思で突き進んでいくと、そのやり方ではうまくいかないという壁にぶつかる経験、皆さんもあるかと思います。そこにぶち当たったときの駒田の演技に、チャーミングさが表現できたらと思ってやりました。そういう意味では、今かなりの達成感があります。なので皆さんもぜひ、そんな駒田を観てやってください。スクリーンの中ですが、お待ちしております!(以上)



※では最後に、予告編をご覧ください!

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
『エキストランド』予告
『エキストランド』予告 thumnail
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以上、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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編集者:小川和繁