昨年、『ルーム』での熱演で 
オスカー主演女優賞を受賞した彼女が 
このたび演じるのが、 
『キングコング:髑髏島の巨神』のヒロインであり、 
戦争写真家のメイソン・ウィーバー。 

今回、ブリー・ラーソンに 
本作での役作りやプライベートな話を 
メンズ・プラス編集部が聞いてきました!

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©YOSHIKO YODA

映画『キングコング:髑髏島の巨神 × ブリー・ラーソン

メンズ・プラス編集部(以下、編集部):史上最高のキングコング映画になっているのではと思われ、観客がみんな楽しめる映画に本作は仕上がっています。演じられたメイソンは、キングコングと一番親密なキャラクターと言えるかと思いますが、グリーンバック(実物が目の前にいない撮影)を前に、演技を深めていくことはとても難しいことだと思われます。キングコングとの関係性を積み上げていく際はどのようなことを考えていましたか?

ブリー・ラーソン(以下、ラーソン):想像力を使うしかないですね。私の俳優業における根底は、まず想像力なのですが、それをさらに拡大させたのが本作における想像力です。各キャラクターにとって、キングコングは何かの意味をもつ存在だと思います。 

インドに滞在していたときに象に会う機会がありまして、その時に心が少し揺さぶられました。象はものすごく強い動物ではあるのに、すごい優しい動物でもあるのです。人を傷つけることもできる動物であるため、最初は怖かったのですが、優しい動物であることを知り、感動しましたね。そのことを頭に思い浮かべながら、本作での演技に取り組みました。

編集部:本作で演じられているメイソンは予告編を観る限り、とても強い女性であることが感じることができますよね。本編では、キングコングと向き合っていくうちに女性らしい優しい部分が出てきますよね。強い女性と優しい女性のどちらの部分をより注力したのでしょうか? どちらの部分を演じるのが、より難しかったのでしょうか?

ラーソン:まあ、その日によりますよね(笑)。私は、両方の側面を演じるのが好きですよ。人間はそれぞれ、あらゆる側面をもっていますよね。そのため、新しいキャラクターを演じるたびに、自分が持っている新しい側面を発見することができるのです。メイソンを演じた際に学んだのは、自分がこれは大事だなと感じたことは、常に発信することが大事なことですね。他の人がその発言は間違っていると指摘しても、自分の強い思いを周りに発言しなければなりません。その真実については、時間が経てば分かることですからね。

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写真:男性だらけの調査隊のなかで、華と言える存在のメイソン。キュートなルックスを誇る彼女ですが、男性顔負けの発言をします。© 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

編集部:今回、戦場カメラマン役を演じられていますが、役作りはどのように行われたのでしょうか?

ラーソン:まず、戦場カメラマンはどのような仕事をしているのかをリサーチすることから始めました。70年代に実在した戦場カメラマンがいましたので、彼女の本を最初に読みました。現在、活躍しているフォトジャーナリストの方々ともお会いし、話しましたね。それらの情報をもとに、自分が演じるカメラマンの理想像を作り上げたのです。 

高校時代、学校で写真の勉強をしていましたので、カメラのいじり方については、すでに知っていたのです。今回の撮影をきっかけに、また写真をたくさん撮るようになりましたね。カメラの扱いに慣れるというのは、今回のキャラクターを演じるにあたってとても重要なのです。特にみなさんは大スクリーンで鑑賞されるので、私のカメラ使いが下手であればものすごく目立ちますからね。 

また、クラシカルなカメラをいじりながら、怪獣たちから逃げ回らないといけないため、とても難しかったですね。走る演技をリアルに見せるために、毎日身体トレーニングを2時間行っていましたよ。

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写真:高校時代に学んだカメラのスキルを活かして演技に励んだブリー・ラーソン。実在するカメラマンたちから、多くのことを学んだようです。© 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

編集部:これまでのキングコングの映画では、キングコングと女性の関係性が名シーンとして残っているのですが、今回描かれているキングコングと女性の繋がりについて、本作で新しく感じた点やキングコングの手の上に乗った感想を教えてもらえますか?

ラーソン:今までに登場した女性キャラクターたちより、私が演じるメイソンは行動派のキャラクターなのです。なにせ、他のキャラクターたちに救われる立場ではなく、救う立場に位置しているからです。今の男女平等社会では、違和感はないはずですね。 

キングコングの手の上に乗った感想は、素晴らしいものでしたね。毎日、10時間ほどジャンプしたり、山登りしていましたため、身体的にはかなりハードになりましたね。5ヵ月間、ひたすら走り回っていたため、アクションシーンの撮影終了後は、とにかく疲れていましたね。キングコングの手の上に乗ったときも、何も演技せずゆっくりと休んでいました。

大作映画に初出演して、最も驚いたこととは?

編集部:今までインディペンデント映画で活躍されてきて、大作映画に初出演されましたが、撮影ロケや撮影方法について色々と驚かされることが多かったと思いますが、一番驚かされたことは何でしたか?

ラーソン:一番驚かされたことは、セットにいる人の数ですね。これまで大勢の人に見守られながら、演技をしたことはありませんでしたからね(笑)。あとは、CGIに関わっている人の多さにも驚かされましたね。スカルクローラー(本作に登場するトカゲ型の怪獣)とのシーンを撮る際には、スタッフが段ボール板を持ち、「ここにスカルクローラーがいると想像して」と説明してくれて、その指示通りに演技をしましたね。

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写真:大作映画を制作するスタッフ数の多さに衝撃的であったようで、あらゆることが初めての体験で勉強になったと明かしたブリー。©YOSHIKO YODA

編集部:ちなみに、大作映画に出演して一番辛かったことは何ですか?

ラーソン:辛かったことは、やはり天気ですね。半年間、3カ国で撮影が行われていたのですが、とても暑い日もありましたし、ものすごく寒い日もありました。雨が降ってきてしまったときは撮影ができませんでしたので、そのときは笑うことしかできませんでしたね。

編集部:ロケが潰れてしまった、雨の日はみなさん何をされていたのですか?

ラーソン:ハワイでのロケでは、洪水になるくらい雨が土砂降りでしたので、何も出来ませんでしたね。そのため、たくさんの食料品が積んである車の中にいることが多かったです。

編集部:本作のキングコングは男らしくて、とてもカッコ良いです。作品ができ上がって、鑑賞した際に感じたキングコングへの思いについて、教えてください。

ラーソン:私も最初にその姿を見たときは、かなり驚きましたよ! 特に、目がとてもカッコ良く見えましたね。キングコングの目は大きく、そしてとにかく体が大きいです!

編集部:本作を通して、ご自身で感じたことや考えたことはありましたか?

ラーソン:映画の方向性において、ワクワクするものがありました。方向性とは、本作のような大作であっても、何か考えさせられることを作中で描かれていることですね。自然と人類についてもそうですし、「愛」とは何かについても感じることができる作品になっています。そして、男性が支配する社会についても触れているため、考えさせられますよね。

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写真:あらゆるテーマが盛り沢山の本作は、ブリーにとってとても魅力的であったようでオファーを受けたとのこと。© 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED 

編集部:もし、ブリーさんが髑髏島に何か1つアイテムを持っていくことが出来るとしたら、何を選びますか?

ラーソン:ラベンダーオイルですかね(笑)。なぜなら、虫よけの成分が含まれているからです。外のロケがメインなので、たくさん虫が寄ってきて刺されまくりでしたよ。なぜか、自然が多い場所に行くたびに刺されてしまうのです。(泣)

仕事を選ぶ際に、大事にしているポイントとは?

編集部:ブリーさんの代表作である『ルーム』(2016年)では、多くの人々が感動してファンが一気に増えたと思われます。お仕事を選ぶ際に、大事にしているポイントはあるのでしょうか?

ラーソン:最初に言えることは、ロケの場所は気にしていませんよ(笑)。物語の伏線となるものなのかなと思っています。私は考えていることを行動に移すために、映画に出演しています。映画というのは、人々が映画を観てもらうよう働きかけて作成しており、映画を観た人たちは、自身のライフスタイルのことについて考えますよね。 

『ルーム』のようなヒューマン映画では、色々なことを考えさせられ、感じることのできる映画だと思います。今度は本作のような楽しくて、大きなスケールの作品で出演してみたいと思いました。

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写真:ハリウッドを代表する若手行動派女優であるブリーは、ジャンル関係なくストーリーが良ければ出演したくなるようです。©YOSHIKO YODA

編集部:本作のようなエンタテインメント大作に出演したり、『ルーム』のようなヒューマン映画にこれまで出演されてきましたが、好きなジャンルやストーリーはあったりするのでしょうか?

ラーソン:好みというのは、ありませんね。ストーリーといっても語り方が色々とあり、そのバリエーションの広さがありますよね。私はまさに、そんな可能性の広さが映画の好きなところですね。どんなジャンルでも、観客の皆さんが映画館を去る際に、どのような気持ちを持って去られるのかが私にとって、一番重要なことなのです。 

つまり、何があって人それぞれが考えるキッカケになったのかとか、何があったから人が疑問を浮かんだのかなど、そちらの方が大事だと私は思います。そうやって、私たちは成長していきますからね。

編集部:ブリーさんが女優になりたいと思ったキッカケのジャンルは、何だったのでしょうか?

ラーソン:ある1つのジャンルが決め手になったことはないのですが、私がこれまで観てきた様々な映画の組み合わせですね。若い時は『風とともに去りぬ』が大好きでしたね。様々な映画を鑑賞することで、インスピレーションを受けています。日本で公開されているか分かりませんが、『Get Out Right Now』(原題)というホラー映画があるのですが、この作品は人種問題について触れている作品でとても考えさせられる作品です。どのジャンルでも、それぞれの価値があると思いますよ。

編集部:多くの作品に出演するにあたり、役作りをする際はすぐ切り替えられますか?

ラーソン:次の役を演じるまでは、時間を多く取っていますね。なぜなら、今まで演じてきたキャラクターを自分から離していくためには、やはり時間がかかるためです。そして、時間をかけて役作りを行いたいので、次に演じるキャラクターがどのような女性なのかをじっくり準備したいのです。次の役にあっという間に切り替えられるタイプではないですね。 
 

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©YOSHIKO YODA

ブリー・ラーソンのプロフィールと映画の詳細

ブリー・ラーソン(Brie Larson) 
1989年10月1日生まれ。アメリカ出身の女優。代表作は『ルーム』、『ショート・ターム』、『ドン・ジョン』など。昨年行われたアカデミー賞で、主演女優賞を受賞したことは記憶に新しい。これまで主にヒューマン映画に出演し、ハリウッドを代表する若手演技派女優として注目される。明るい健康的な姿に多くのファンを抱えており、今後のハリウッドを牽引していく行動派女優として知られている。

『キングコング:髑髏島の巨神』 
2017 年/アメリカ/カラー/英語/118分
原題:Kong: Skull Island
配給:ワーナー・ブラザース映画
2017年3月25日(土)より、全国ロードショー  
© 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

公式サイト
>>>http://wwws.warnerbros.co.jp/kingkong/

映画『キングコング:髑髏島の巨神』の作品情報ページはコチラ↓
>>>http://www.mensclub.jp/lifestyle/news/fantasticbeast16_1118_link/

(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED 
編集者:山野井 俊