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「将来、トランプ政権をテーマにした映画が製作されるのでは?」と、ESQUIREばかりでなく多くの方が予想しているかもしれませんね。
 

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 2016年の米大統領選に関しては、映画『ゼロ・ダーク・サーティ』の製作チームによるドラマ化が進められているほか、人気ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』のラストシーズンでもテーマにされるなど、すでにいくつかの映像作品の題材となっていますし…。 

 とはいえ、ドナルド・トランプの大統領就任という米国を揺るがす衝撃は、ハリウッドで表現するにはまだ早過ぎるとの見方もあります。映画業界も、視聴者の私たちも、この大混乱がどのような物語として描かれることになるのか、トランプ政権の行く末をうかがっているところといった感じでしょう。 

 しかし、遅かれ早かれ、トランプ政権のホワイトハウスを描いた映画が製作されることは間違いなさそうです。トランプ大統領の就任からわずか1年で、彼と寄せ集めの無能な部下たちは、前任者たちの数々の失態をももはや上回って余りあるほどなのですから…。まさに、映画化するにはぴったりの事件やサプライズ、失言のオンパレードではないですか!

 そこで今回、将来トランプ政権をテーマにした映画が作られる際のキャスティングを大胆に予想してみました。

ドナルド・トランプ → マーティン・シーン

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 トランプについては「アレック・ボールドウィンで決まり!」、と予想を切り上げたいところですが…確かにボールドウィンが、TV番組『サタデー・ナイト・ライブ』のなかで扮したトランプは完璧でした。 

 しかし、だからといって台本のあるドラマでも、ボールドウィンがぴったりとは言えません(笑)。ドラマの場合、「風刺がきいていればいい」というものでもありませんから。では、金髪にダラしないネクタイのマーティン・シーンならどうでしょう。それこそ、ハリウッドらしいトランプ大統領と言えないでしょうか。 

 シーンは人気ドラマ『ザ・ホワイトハウス』で、人格者のジェド・バートレット大統領を演じていました。このため、このドラマを見た人は、そんなシーンが今度はトランプ役で金ピカの大統領執務室に足を踏み入れる様子を見て、何とも言えない気持ちになるかもしれません。 

 ちなみに、シーンは筋金入りのアンチトランプで、トランプもマーティンのことは好きではないでしょう。だからこそ面白いと思います。

メラニア・トランプ → エリザベス・ハーレイ

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 英国の女優であり、モデルでもあるエリザベス・ハーレイは、メラニアと双子のようにそっくりではないでしょうか? もはやメラニア役は、彼女しかいませんね! また、TV番組『サタデー・ナイト・ライブ』でメラニアを演じたコメディエンヌのセシリー・ストロングも、ディテールに富んだ驚くべき演技を見せてくれました。『サタデー・ナイト・ライブ』のキャストをそのまま起用できるなんて、かなり珍しいことです。 

 トランプ陣営のなかでも、メラニアは口数が少ないほう。なので、実写化でセシリーが使われるとなると、メラニアのキャラクターにどんな要素が加わるかは想像しづらい部分も多々ありますが…。

イヴァンカ・トランプ → タルラ・ライリー

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 タルラ・ライリーは外見的にイヴァンカと瓜二つであることだけでなく、人気ドラマ『ウエストワールド』でもドラマでロボット役を巧みに演じる演技力も買っての予想になります。この実力ならば、トランプが信頼を寄せるお気に入りの娘、イヴァンカを演じるのもたやすいことでしょう。 

 また、今年始めに新作映画『Unforgettable(原題)』でのルックスが、イヴァンカとそっくりとネット上で騒がれたキャサリン・ハイグルも、演技力には定評あり! 見事にイヴァンカを演じてくれるはず。彼女も候補に加えておきたいですね。

ジャレド・クシュナー → マイルズ・テラー

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 大統領の義理の息子であるジャレド・クシュナーの役は、カリスマ性を備えながらも、どこか嫌なヤツを演じるのがうまい俳優でなければなりません。また、ほとんど口を開くこともなく、中東に平和をもたらせるような存在感も欲しいところです。 

 野心的な若者や自信過剰なリア充を演じさせたらピカイチの、マイルズ・テラーならジャレド役にぴったりではないでしょうか。

ドナルド・トランプ・ジュニア → ウィル・アーネット

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 ウィル・アーネットが「ドン・ジュニア」にぴったりだと思うのは、彼が人気ドラマ『アレステッド・ディベロプメント』のモラルが崩壊した家族のなかで、もっと愛されていなかった息子のジョージ役をうまく演じたからでしょう。 

 自意識過剰なトランプ・ジュニアの、1つのミスをいつまでも悔やんでいるようなキャラクターを考えても、アーネットは間違いないキャスティングだと思います。

エリック・トランプ → マルティン・ヴァルストロム

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 エリックの間抜けなキャラクターには、チャニング・テイタムがぴったりかもしれません。が、『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』で悪役を演じたマルティン・ヴァルストロムなら、よりスマートで邪悪なトランプの次男を演じられるでしょう。 

 エリック役はこのトランプ映画のなかですと、ひと際地味なものとなるでしょう。実際、エリックはホワイトハウスにおいても存在感は希薄。そんなわけで、彼はカメオ出演のような形でいいかと思います(笑)。

マイク・ペンス → スティーブ・マーティン

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 無表情で堅苦しいキャラクター演じたいという俳優は少ないこともあり、副大統領のペンス役のキャスティングは悩ましいところです。また、ペンスは女性やLGBTへの嫌悪にも代表されるように、融通がきかない性格が特徴です。 

「マイク・ホット・ペンス(ペンス氏にそっくりのLGBT活動家)」がキャスティングできないのなら、スティーブ・マーティンはどうでしょう? スティーブなら見ため的にも似ていますし、ミスター「伝統的家族観」、トランプの右腕、性的虐待の加害者(と報じられています)などの、様々な側面をもつペンスを巧みに演じられることでしょうから…。

ショーン・スパイサー → ボブ・オデンカーク

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 TV番組『サタデー・ナイト・ライブ』で、ショーン・スパイサーを演じたメリッサ・マッカーシーは大ウケでした。ですが、残念ながら、さすがに彼女をキャスティングするわけにはいきません。スパイサーといえば、サイズの合わないスーツに身を包み、壇上で冷や汗をかきながらドン引きするようなジョークを放ち、ホロコーストに関する失言でさらに墓穴を掘った男…最終的に癇癪(かんしゃく)を起こして、大統領報道官を辞任した人です。 

 そんな彼の役には、ボブ・オデンカークがぴったりかもしれません。切望していたローマ法王との面会を果たせなかったり、スティーブ・バノン大統領首席戦略官に「デブになった」と晒し上げられたりするなど、屈辱的なトラブルが尽きず、さらに哀愁さえ漂うようなスパイサーをぜひともオデンカークに演じてもらいたいものです。

ケリーアン・コンウェイ → ローラ・ダーン

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 ローラ・ダーンはどんな役も演じられる実力派女優ですが、特に大統領顧問のコンウェイ役として期待したいところです。コンウェイに人間味を与えるのは簡単ではありませんが、ダーンならコンウェイの神経質なキャラクター、マスコミの前で「ボウリング・グリーン大虐殺事件」のような、でっち上げの事件を紹介してしまうほどの迂闊(うかつ)さをうまく表現できるでしょう。 

 もう少し若い女優から選ぶなら、ある種のソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)を演じさせたら随一のリース・ウィザースプーンを。見事にこなしてくれるはずです。

アンソニー・スカラムーチ → ボビー・カナヴェイル

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 ホワイトハウス広報部長を務めたアンソニー・スカラムーチをご存じですか? 彼が有する溢れんばかりのエネルギーを表現できるのは、特別な俳優でなければなりません。スパイサーとは似ても似つかないスマートで落ち着いた様子で演壇に登ったかと思えば、今度は「ニューヨーカー」誌の記者に同僚を非難する暴言を吐いて見事に炎上。 

 ほとんど何もすることなく解任されたスカラムーチです。広報部長就任からわずか11日間で、スピード解任となりました。 

 ボビー・カナヴェイルは、そんなスカラムーチに外見が似ているだけではありません。カリスマ的でせっかちながら、ゴロツキ的要素のあるキャラクターを演じるのが実に巧みな俳優なのです。

サラ・ハッカビー・サンダース → ケイシー・ウィルソン

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 スパイサー、ダブキ、スカラムーチとホワイトハウスの広報関係者が次々と交代するなか、サンダースは虎視眈々とチャンスをうかがい、ついに報道官に昇格しました。 

 サンダース役はこの映画で目立つものではないかもしれませんが、ケイシー・ウィルソンなら演技力もコメディ要素も不足はありません(『サタデー・ナイト・ライブ』にも、2シーズン出演したことがありますし…)。普段は冷静で優秀でありながら、ときに正気を失ってしまうサンダースの役にぴったりではないでしょうか。

スティーブ・バノン → マイケル・ハーニー

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「赤ら顔のネオナチ」とも言うべき大統領主席戦略官のバノンは、トランプ政権の黒幕とも度々噂されてきた人物で、演じるのは至難の業となるでしょう。しかし、TVドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』で看守のヒーリーを演じたマイケル・ハーニーは、スティーブ・バノンと驚くほどそっくりなのです。 

 またラッセル・クロウも、バノンに似ています。彼なら「シャーレで生まれた性的不能のクソヤロー」(バノンがポール・ライアン下院議長を侮辱して言った言葉だとされています)というようなセリフも、ガツンと決めてくれるでしょう。

ポール・ライアン → マシュー・モリソン

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 ポール・ライアン下院議長と瓜二つの俳優といえば、TVドラマ『glee/グリー』のマシュー・モリソンです。そんなモリソンは、「自分をいい人だと考えながらも実際はわがまま…」といったご都合主義なキャラクターを演じさせれば、彼の右に出るものはいないほどの実力者。このライアン役にぴったりだと思いませんか? 

 また別に、今はまだ32歳と若すぎますが…人気ドラマ『シリコンバレー』のザック・ウッズも、あと10年もすればライアンの適役となるでしょう。

ロバート・ミュラー → ジェームズ・クロムウェル

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 米大統領選へのロシア介入疑惑の展開にもよりますが、特別検察官のボブ・ミュラー役は、この映画のなかでトランプを追い込む重要な役となる可能性があります。 

 ロバート・ミュラーは元海兵隊で元FBI長官、元弁護士でもあります。誰が演じるにしても冷静で手強く、高潔を体現し、トランプを動揺させるのに十分なほどタフでスマートな人物であるべきでしょう。そうなると…ジェームズ・クロムウェル以上の適役は思いつきませんね。

マイケル・ウォルフ → デヴィッド・クロス

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 この映画において、多くのジャーナリストは一度きりの登場となるでしょう。しかし、トランプ暴露本『Fire and Fury : Inside the Trump White House(炎と激怒――トランプ政権の内側)』の著者であるマイケル・ウォルフは別です。

 彼はあらゆるシーンの裏側を密かに嗅ぎ回り、トランプが自制心を失っていく様子を見つめながらスティーブ・バノンの静かなつぶやきに耳を傾けることでしょう。この映画が、どんな結末になるかはまだわかりません。ですが、この本の出版はあらゆる伏線を回収するクライマックスとなる可能性は大でしょう。 

 コメディアンのデヴィッド・クロスがトランプ劇場の幕を引くウォルフを演じることになれば、必ずや面白いことになるでしょう。

ヒラリー・クリントン → メリル・ストリープ

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 ヒラリー・クリントン役には、メリル・ストリープ以外ありえませんね。2017年のゴールデングローブ賞で、トランプをこき下ろした受賞スピーチが記憶に新しいストリープですが、2016年の大統領選でも重要な役割を果たし、ヒラリーとの絆を築きました。 

 ストリープがヒラリー役を演じるという噂はすでに何度か出ています。ここで我々が、この完璧なキャスティングに水を差す必要はないでしょう。

By Emma Dibdin
on January 6, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊