音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル2018」で黒人女性として初めてヘッドライナーを務め、圧巻のパフォーマンスを披露したことで、世界中から大絶賛されたビヨンセ…。

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 Beyoncé Reveals the Deeply Personal Story Behind Her Black National Anthem Performance at Coachella

 歴史的な黒人大学、通称「HBCU」の伝統であるステッピングやドラムラインを取り入れ、黒人たちの聖歌と呼ばれる「Lift Every Voice and Sing(ブラック・ナショナル・アンセム)」を熱唱し、ブラック・カルチャーを体現したビヨンセ。 

 US版『ヴォーグ』のインタビューで、そのパフォーマンスの裏話について語りました。

 実は1歳の次女ルミちゃんの影響で、リハーサルで何度も練習していた国歌のオリジナルバージョンを、ライブ前に急遽アレンジしていたことが明らかになったのです。

 パフォーマンスについて、「はっきりとしたビジョンがありました。ある日、(1歳の次女)ルミを寝かしつけている時に何気なくブラック・ナショナル・アンセムを歌っていたんです。それから毎日のように鼻歌で歌ってあげるようになったんですよ」ときっかけを明かしたビヨンセ。

 そうしているうちに、ショーで披露する予定だったオリジナルバージョンには、ダークなマイナーコードやストンプ、叫び声などが含まれていたため、「何度かハミングしているうちに、なんだかしっくりこないことに気がついたんです」と言います。

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 そこで「アンセムの歌い方が間違っている」と思い、アレンジを加えることにしたそうです。

 「ショー直前でアレンジできたことに一番満足しています。私たちに喜びの光が降り注ぐのを感じました。本当よ! ステージにいた若いパフォーマーや観客の多くは、コーチェラに来るまで、この曲の歴史については知らなかったことも理解しています。でもあの曲がもたらすパワーは感じ取ることができたはずです」と振り返っています。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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「ワシントン・ポスト」紙によると、「Lift Every Voice and Sing」はジェームス・ウェルダン・ジョンソンという校長先生が1899年に書いたポエムから誕生したそうです。

 エイブラハム・リンカーン大統領の誕生日にスピーチを依頼されたジェームスは、スピーチの代わりにポエムを読み、「Lift ev’ry voice and sing(ひとり残らず声をあげて歌おう)」と呼びかけたのだとか…。

  そのポエムに、ジェームスの弟ジョン・ロザモンド・ジョンソンがメロディをのせ、歌を完成させたと言われています。そして後に、「全米黒人地位向上協会(National Association for the Advancement of Colored People)」が、その歌を公式ソングに採用し、黒人たちの聖歌として知られるようになったと同紙は解説。


◇「Lift Every Voice and Sing」の歌詞の一部はこちら。

Lift every voice and sing
(ひとり残らず声をあげて歌おう)
Till earth and heaven ring, Ring with the harmonies of Liberty
(天と地が自由と調和して響き合うまで)
Let our rejoicing rise, High as the list’ning skies
(我々の喜びの声は空まで届く)
Let us march on till victory is won.
(栄光を勝ち取るまで行進しよう)


 ライブストリーミングで45万人以上が同時視聴し、YouTubeで生配信された音楽フェスの中で歴代最多の視聴者数を記録したというビヨンセのライブ。

 彼女のパワフルな歌声は、会場に響き渡り、世界中の人々の心を動かしたのは間違いありません。

From Harper’s BAZAAR
Courtesy of @Beyonce
Photos / Getty Images
Translation / Reiko Kuwabara