新譜「Still Feel Like Your Man」のミュージックビデオが、日本人には少し理解しがたい(!?)世界観で注目を集めています。しかも、ギター弾いてるカットありませんし…。

 2017年4月5日(現地時間)に、人気シンガーソングライターであるジョン・メイヤーの公式YouTubeに公開された新曲MVが、世間をザワつかせています。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
John Mayer - Still Feel Like Your Man (Official Music Video)
John Mayer - Still Feel Like Your Man (Official Music Video) thumnail
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 クエンティン・タランティーノ監督の映画『キル・ビル』を彷彿させるような…、間違いなく日本文化からインスパイアされたそのMVの世界観は、日本人が観ると、とっても不思議な感じ。とはいえ、欧米人が描く日本のシークエンスとしては見慣れているかもしれません。

 扇子を片手に着物(和装)姿の女性陣、剣道、ヤクザのような人物が登場するなか、曲のサビの部分にかかると、相撲の四股(しこ)を踏むような振り付けが…。で、ここが衝(笑)撃のシーンで、四股を踏むジョン・メイヤーの両脇でダンスするのは、なんと2頭のパンダなのです。「おいおい、確かに日本でもパンダは動物園の人気者だよ…、けど、パンダは中国でしょ!」とツッコミたくなるでしょう。

 このMVに対してのコメントは、ジョンのセクシーさを称賛するコメントが多いなか、(日本以外に在住する)一部の外国人からは、「ジョン…、パンダが日本だと思っているの?」「日本と中国を混合しちゃってるわ…」との真摯なコメントも…。理解している外国人の方もいて、ちょっとホッとしました。

◇これは「文化の盗用」とみなされるの?

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 多くの日本人にとってはなかなかイメージのつきにくい、この“文化の盗用”とう言葉。

 過去にボストン美術館の「キモノ試着イベント」が人種差別だという抗議を受けて中止したり、米『VOGUE』誌で人気のスーパーモデル、カーリー・クロスが「芸者スタイル」を披露して、Twitter上で謝罪する事態にまで追い込まれたニュースもありました。が、どちらのニュースも擁護的なコメントがあったのです。それを投稿したのは、日本に住む日本人から。

 しかし、多民族国家のアメリカでは非常にナーバスな問題で、多民族国家に住むマイノリティにとっては、常に議論されることのようです。

 女性向けニュースサイト「CELESY」に掲載された“文化の盗用”に関して、以下のように説明しています。

“つまり、これらのコミュニティの人々は、文化的・宗教的な意味合いがある伝統をその意味を理解せず、そのうえ勝手にトレンドとして使用を煽(あお)るような行動は、彼らの文化を盗用しているのと同じだと感じている。白人は他の文化を一部利用するも、個人の裁量でそれを利用しないも選択の余地があるけど、マイノリティの人々はその文化を背負って未だ人種差別が残る社会で生きていくしか道がない、という不平等な文化搾取からもこの「盗用」という表現が為(な)されている。”

 ある国家の中で、マイノリティーとして生きる人々にとっては、ステレオタイプ化された表現は、非常に深刻な問題になるようです。

 日本に住み、日本国籍のあなたは、ジョン・メイヤーの「Still Feel Like Your Man」のミュージックビデオを観て、どう感じるでしょうか。人によって意見はさまざまかと思います。ただ、ひとつ間違いなくいえることは…、ジョン・メイヤーが非常にセクシーだということです。そして、この曲はサイコーです!!