人気俳優マーク・ウォールバーグとミシェル・ウィリアムズのギャラに、1500倍の差があったと報じられました。2人は同じ事務所に所属しているだけに、納得がいってないことかと...。

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 マーク・ウォールバーグ & ミシェル・ウィリアムズ

 ケヴィン・スペイシーのセクハラが発覚し、再撮影が行われた映画『All the Money in the World』(原題)。米「USAトゥデイ」紙によると、撮り直しに参加したマーク・ウォールバーグとミシェル・ウィリアムズのギャラに1500倍の差があったそうです…。 

 マークとミシェルは、ケヴィンの代役を務めたクリストファー・プラマーとともに、再撮影に参加。その際、マークに150万ドル(約1億6680万円)のギャラが支払われたのに対し、ミシェルのギャラはたったの1000ドル(約11万円)であったようです。 

 その事態を受け、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が調査に乗り出したわけです。

 SAG-AFTRAのスポークスパーソンは、「我々はこの業界における男女の賃金を平等にすべきだと考えており、格差解消への取り組みをサポートしたいと思っています」と、コメントしました。また、「通常、出演料の交渉は、代理人であるエージェントを通じて行われます。俳優や女優だけでなく、代理人の意見を聞いてみるのもいいかもしれません」とも…。 

 そうしたなかエンタメサイト「デッドライン」は、「ミシェルの報酬が少なかったとしても、SAG-AFTRAはどうすることもできない。それにマークがギャラ交渉を行っても、問題はないはず」と指摘。 

 またマークもミシェルも、同じエージェンシー(WME)と契約しているため、エージェンシーもクライアントを平等に扱う必要はあると主張。それに対しSAG-AFTRAは、「その件については調査中です」と返答しました。  

 今でも続いている、 ハリウッドの性差別問題

 男女の賃金格差には、ハリウッドに潜む性差別問題も大きく関わっています。多くの女性たちは「扱いにくい」と思われないため、つねに親切で協力的ないい人を装わなければならないと思うのに対し、男性は積極的に昇給を求める傾向に。 
「女性は親切で協力的で、さらに静かであるべき」という観念は、西暦340年にもさかのぼり、カトリック教会の「女性は生まれつき従順である」という考えに基づいているようです。その一方で、男性はアグレッシブに振る舞うことが求められていました。 

 ミシェルは以前、ケヴィンと共演した映画は宣伝したくないと訴え、「ギャラもホリデーも何もいらない」や「(ケヴィンの代役を立て、再撮影に踏み切った)スタッフの努力をとても感謝している」と、ノーギャラで撮り直しにも応じると米「USAトゥデイ」紙に語りました。 
  

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写真:マーク・ウォールバーグと同じ事務所に所属しているのに、ここまで格差があったとはさすがにオスカーノミネート女優も苦笑いすることしかできないはず...。Photograph/ Getty Images  

  
 同映画の監督を務めるリドリー・スコットも、「全員がノーギャラで再撮影を応じてくれた」と発言。「報酬を払いたくなかった」のではなく、「(クリストファーとスタッフ以外は)無償で参加してくれた」と話していました。 

 しかしその後、マークのチームが高額なギャラを要求し、マークに150万ドルが支払われたことが発覚…。その金額を知ったミシェルは、複雑な思いを抱いたに違いありません.....。


From Harper’s BAZAAR UK
Photograph / Getty Images
Translation / Reiko Kuwabara


編集者:山野井 俊