ジェームズ・ボンドと、彼の友人であるCIAエージェントのフェリックス・ライターとは長い付き合いです。

 なので、そんな関係性もあってのことでしょう。映画「007」シリーズでボンド役を務めるダニエル・クレイグは米国の諜報員の実態について知るためか、それとも逆でしょうか…2018年6月、米バージニア州ラングレーにあるCIAの本部へ、実際に足を運んでいたことがこのたび明らかになりました。 

 実は今回の訪問は、CIAの広報室が「Reel Vs Real」と称するCIAのイベントのひとつに、クレイグをゲストとして招待したのだそうです。 

 このイベントは「CIA職員の人間的な側面を伝える」ことを目的としたもので、また、彼らがそれほど悪意をもった人間ではなく、一日中「ピッグス湾事件」(1961年に在米亡命キューバ人部隊がアメリカ合衆国CIAの支援のもとで、キューバに侵攻してフィデル・カストロ革命政権の打倒を試みた事件)のような陰謀を画策しているわけではないということを、ここで確認してもらうことも目的のひとつにしているそうです。

facebookView full post on Facebook

「クレイグ氏はCIAの首脳陣や職員たちと面談し、彼らから実際の諜報活動について、スパイ同士の対決というエンターテインメントの世界での表現のされ方に比べて、はるかに『隠れて行動する』側面が多いとの説明を聞いた」と、CIAのブログで説明しています。は書かれています。 

 また、「CIAの諜報活動に関する専門家との会話のなかで、クレイグ氏は情報収集に関するさまざまな側面について知り、また、CIAに5つある総局が組織全体のミッションを前進させるために、どのように協力しているかについて学んだ。その後、クレイグ氏はCIA局員との交流の時間をもったが、そのなかで同氏は、情報収集サイクルに投入されるチームワークについて発言し、CIA職員の仕事への打ち込み方やその献身ぶりに対し、自分がいかに強い印象を受けたかを語ったくれた」とのこと。

 CIAは過去の「Reel Vs Real」イベントで、テレビドラマ「The Americans」の出演者や制作関係者を招いてパネル・ディスカッションを行ったこともあります。セキュリティサービスの内情を公開し、その実態が映画やテレビドラマよりもずっと退屈なものであるように見せるというアイデアが生まれてきた理由について、「CIAは真空状態のなかに存在しているわけではありません。CIAは連邦議会に対して責任を負い、また、米国民によって精査されている」と、CIAは述べています。

 CIAは適切な領域で、映画業界と協力している

Bird's-eye view, Aerial photography, Metropolitan area, Residential area, Urban area, Suburb, Sky, City, Landscape, Urban design, pinterest

写真:アメリカ・バージニア州ラングレーにあるCIA本部。Photograph / Getty Images 

  
 また、「さまざまな秘密は守られなくてはならず、CIAの業務に伴う秘密は破られてはなりません。ですが一方で、CIAは適切な領域で映画業界と協力しながら(CIAに関する)誤った表現と戦い、バランスのとれた正確な描写が行われるように支援しています」と、CIAはコメントしています。 

 結局のところ、われわれが期待していたペンの形をした爆弾や、水中を航行できるロータス「エスプリ」のような秘密の武器に関しては、話に上らなかったようです…残念!


From ESQUIRE UK 原文(English)

Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。