「以前はすべてのシーンを観て、すべての草案を読まなければならない時期もありました」と、ネットフリックスのチーフ・コンテンツ・オフィサーを務めるテッド・サランドス氏がコメントしました。では今は…?
ネットフリックスのCCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)であるテッド・サランドス氏は、ストリーミングサービスのすべての作品を視聴することは「人として可能ではない」と認めました。
ネットフリックス主催によるエミー賞向けのキャンペーン・パーティで、サランドス氏はもはや彼自身が「配信するすべての作品を観ることはできない」と認めたのです。
急激にコンテンツ数が拡大するにつれ、代わりに自らの部下たちのチームによって、ウェブサイトを監督する役割を担っていると言います。
「ハリウッド・レポーター」紙によれば、「私には素晴らしいチームがある」、とサランドス氏は主張。さらに、「以前は私自身がすべてのシーンを観て、すべての草案を読まなければならない時期もありましたが、それはもはや人道的なものではないと思っています。現在は素晴らしい能力を備えたチームが、(私の代わりに)期待以上の決断を下すことができています」ともコメントしています。
カンヌ映画祭からの撤退を余儀なくされたネットフリックス
しかし、このコメントをサランドス氏が発したのは、ネットフリックスのCEOを務めるリード・ヘイスティングス氏が、ストリーミングサービスというビジネスモデルのためにカンヌ映画祭から撤退することを謝罪した後のことでした。
ヘイスティングス氏は、フランスで劇場公開がない映画のコンペ参加を禁止する新しいルールを制定されたことにより、カンヌ映画祭からの撤退を余儀なくされたことに関して、以前、「私たちは時々間違いを起こす」とコメントし、(この決断について)遺憾の意を表していました。
そもそも今回の騒動は、昨年コンペティション部門に初選出されたネットフリックスの2つの作品(『Okja/オクジャ』と『マイヤーウィッツ家の人々』)が劇場公開をしなかったことにより、(フランス映画館連盟から)反発が起こったことに端を発しています。
一方で最近の調査によれば、米国内ではネットフリックス オリジナルのテレビ番組や映画を観ているのは同社の加入者の20%のみで、42%はオリジナルではなくライセンスされたコンテンツを主に視聴しているということも明らかになっています。
今後も、コンテンツが増加することは間違いないと想定されるネットフリックス。映画業界とこれから、どのように共存するのかを皆さんも一緒に注目しましょう。
Source / ESQUIRE UK
TRANSLATION BY Nana Takeda
※この翻訳は抄訳です。