視聴したいYouTube動画が始まる前に流れる短い広告動画に、今秋日本公開予定の『死霊館のシスター』の恐ろしいコンテンツが流れていました...。

Human, Long hair, pinterest

(c) New Line Cinema

  YouTube Removed This Ad for The Nun After People Complained About the Jump Scare

 2018年に入って私たちが特別気づいたことは、「アメリカ人はいま、怖い思いをしたがっている」ということではないでしょうか。そして自分自身も、そんな時代に生きているということを実感しているはずです。つまり、「自分たちがおくる実際の生活以上に、恐ろしいことは滅多にない!」ということなのです。いかがですか? 皆さんもそう実感していませんか?

 なので今、アメリカではホラー映画が必要なのです。

「いまの状況が最悪なわけではありませんよ。目の前の広がる現状は、突如として急激に悪化する可能性もあれば、得体のしれない状況へといつの間にか変容する可能性だったあり得る…」ということを想像させることで、ちょっとした逃避を味わせてくれるもの…それがよくできたホラー映画の条件とでも言えるのです。

 そういった風潮から、このところホラー映画が好調なのです。

 現にアメリカでは、『クワイエット・プレイス』(日本公開は2018年9月28日)、そして『ヘレディタリー』(日本公開未定)といった作品が注目を集めています。しかし、これから公開となるホラー映画『死霊館のシスター』(日本公開は2018年9月21日)の新しい広告は、YouTubeというプラットホームにとって少しばかり行き過ぎたものだったのです。 

まずは過去、多くの人に衝撃を与えた動画を。 
【心臓の弱い方は見ないでください!】

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Ghostly Car Ad
Ghostly Car Ad thumnail
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 この動画は、本編が流れる前に再生される宣伝映像になります。最初の部分でコンピュータの音量を調節するアニメーションが表示され、その後突如、女性の幽霊の顔が大写しになるのです。

 そして運悪く、最初の部分で音量を上げてしまったユーザーは、あの瞬間の大きな音と映像によってびっくり仰天させられるという仕掛けになっています。YouTubeの初期には、これと同じようにユーザーをビックリさせる、浅はかな自動車のCMがありました…。これでは、なんのクルマが映っていたのか忘れてしまいますので…(笑)。 
 そんなクッションを入れながらも、これからご紹介する映画『死霊館のシスター』の広告動画は、一部の人たちにとっては少々行き過ぎたものでありました…。

YouTubeでNGになった『死霊館のシスター』の広告動画はこちら

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=DR-K9zOd-Bc 

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<ツイート内容> 
この動画に対して10万件を超えるいいね!やリツイートがあった後、YouTubeはあるTwitterユーザーに答えを返し、この広告を削除する予定であると説明しました。 

 YouTubeの「広告内での暴力的または衝撃的なコンテンツ」ポリシーページには、次の記述があります。

「私たちは多様性と他者に対する敬意を大切に考えており、そして、私たちの広告ネットワークには不適切な広告やウェブサイト、アプリでユーザーを攻撃する、またはユーザーに衝撃を与えることを回避するべく努力しています」。そして、「ユーザーに衝撃を与えたり、ユーザーを怖がらせるようなプロモーション」は認めないと、具体的に記されています。

 人気ホラー映画「死霊館」シリーズの最新作である『死霊館のシスター』は、時系列的には一番最初の作品となっており、悪魔の尼僧「ヴァラク」に修道僧や専門家たちが立ち向かうという物語になっています。 

 この動画に突如出てくる恐ろしい「ヴァラク(悪魔学における悪魔の一人)」の過去が、それでもなお気になる人はぜひ、映画館のスクリーンでこの映画を鑑賞してみるといいでしょう。

By Matt Miller on August 15, 2018
Photos by (C)New Line Cinema
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊