今季のスーツトレンドにおけるキーワードは、「英国調」。と聞くと、なんだか堅苦しいイメージを持つ方もいらっしゃるかと…。
AUTUMN & WINTER 2018
SUIT TREND BOOK VOL.9
SUIT SELECT
それを解消すべく、スーツセレクトではイタリアの柔らかい仕立てを取り入れて、日本人に合うようなシルエットで提案。トレンドである英国的なクラシックなムードを、「頑張る」ことなく、手に入れることができます。
柄は英国、仕立てはイタリアがいまどき
今季におけるスーツのトレンドワードはズバリ、「英国調」。といってもビルドアップした、いかついショルダーから連想されるような、お堅い仕立てのものは皆無に等しく、はやっているのは、英国に端を発する「素材」と「柄」。
仕立ては引き続きリラックスしたものが主流で、随所に余裕を感じさせるイタリアらしいディテールが多く見られます。流行を日本人になじむように取り入れるのがうまいスーツセレクトでも、今季は英国柄の素材を用いたイタリア仕立てのスーツを展開。
ジャケットの最大の特徴である肩まわりは、アンコンノーパッド仕様、マニカマッピーナでふっくらとした印象です。パンツはテーパードシルエットですが、腰元にはプリーツを入れて、イタリアらしい色気につながる”ゆるさ”を表現しています。
柄もグレンチェックからビッグプレイドまで豊富。プライスがアクセサブルなので、柄もの初心者でも手を出しやすいのもうれしい点です。
ブラウンのグラデーションで
英国的な着こなしを楽しむ
わたりに余裕をもたせ、テーパードラインを強調。スーツ2万8000円、ヴェスト9800円、シャツ3800円、ネクタイ3800円、シューズ1万5000円、ポケットチーフ1500円(すべてスーツセレクト) ●お問い合わせ先/スーツセレクト恵比寿 TEL 03・6408・5921
古きよきクラシックなディテールをもとに、現代的なフィッティングで表現されたモデル「クラシコ テーパード」。ダークブラウンのスーツには、Vゾーンも同系色で。キャンディーストライプのシャツに、ベリーカラーのレジメンタルタイが、英国らしい雰囲気を後押しします。起毛感のあるスーツ地に合わせて、足元はスエード素材を選ぶのが正攻法。
リバーシブルで使える
片側ラペル付きのヴェスト
クラシカルなムードを高めてくれる共地のヴェスト。ラペルが付いているので、ジャケットを脱いでもきちんとした印象のまま過ごせます。裏面は、明るいブラウンのグレンチェック。表地の色ともマッチするので、Vゾーンに合わせて使い分けたい。
そこはかとなく主張する
シャドーのグレンチェック
ソフトな起毛感をもつニュージーランド産ウールを使用。明度の違うブラウンの糸を用いてグレンチェックを表現しています。トレンドの英国柄ですが、シャドーチェックにすることで、主張しすぎることなく肌になじんでくれる色合いです。
イギリスの老舗による生地を、
イタリアンディテールで仕立てる
スーツ3万8000円、シャツ3800円、ネクタイ3800円、シューズ1万5000円、ポケットチーフ1500円(すべてスーツセレクト) ●お問い合わせ先/スーツセレクト恵比寿 TEL 03・6408・5921
イギリス・ウエストヨークシャーにて、1915年に創業した「アルフレッド ブラウン」。打ち込みのしっかりとしたハリ・コシのある生地で、柄は遠目ネイビーのシャドーチェック。そんな英国ど真ん中な生地を用いて、ジャケットは柔らかい袖付けに。
パンツは2プリーツでサイドアジャスターをつけたイタリアンディテールが光ります。色違いのライトグレイも見逃せない。
より英国なライトグレイも魅力です!
ウール100%だけど、ストレッチ。イタリアの老舗による革新のウール
写真は、世界三大ウール産地のひとつである、イタリア・ビエラ地区でも長い歴史を誇る「トラバルド トーニャ」。熟練の職人を多く抱えながらも、時代にそった生地作りを行っています。カシミヤ生地の生産にも定評がある工場です。
スーツだって着心地は楽な方がいい。ですが、いかにも安っぽいペラペラの化繊のものは大人にはふさわしくない。
そこでスーツセレクトが探し出したのが、天然繊維を用いながらも、織りでストレッチ性をもたせた生地。1840年設立の「トラバルド・トーニャ」は、イタリアはビエラ地区の名門生地ファクトリー。化学繊維を用いず、天然繊維でのストレッチ生地の開発を10年以上続けており、近年「エストラート」と名付けられたリアルストレッチの生地開発に成功。スーパー120'Sのニュージーランドウールをベースにした素材は、伸長率20%の高いキックバック性を誇り、なおかつシワになりにくい特徴を備えます。色出しにもこだわり、ニットメーカー専業の染色業者を雇い、ストレッチと相性のいい染色を追求しています。
スーツセレクトではこの生地を用いて、代表的なシルエットのひとつである「クラシコ テーパード」のスーツを仕立てました。左ページでモデルが着ているように、自然と体に沿う、シルエットがとにかく美しい。もちろんストレッチも効いているので、オフィスでも快適です。
写真1.糸に強いヒネリを加えることで、強い弾力性をもたせることができます。この後、糸から反物へと織られていきます。
2. 10年以上の歳月をへて誕生した「エストラート」。横方向への高いストレッチ性をもっています。
3.糸から生地へと、織られていく工程。光沢が美しい生地ですが、体に安全な反応染色にこだわっているので、アレルギーフリーです。
4.糸を撚る作業は、熟練の職人により手作業にて行われます。
5.生産過程では薬品に頼ることなく、生地を作り上げます。環境にもしっかりと配慮されたサステナブルなファクトリーです。
6.本国のスタッフと商談を行う、バイヤーの中川氏(右)。あまたの生地の中から、ナチュラルストレッチ素材だけをえりすぐり、製品化しています。
体の丸みに合わせて、ナチュラルに追従
スーツ各3万8000円、シャツ3800円、ネクタイ3800円、ポケットチーフ1500円(すべてスーツセレクト)●お問い合わせ先/スーツセレクト恵比寿 TEL 03・6408・5921
ストレッチ素材だからこそ、
寒色系で大人の落ち着きを足す
ウール本来の自然なストレッチ性を、強撚糸によって最大限に引き出したスーツ。ひじやひざの曲げ伸ばしがイージーな上に、体に沿って伸縮してくれるので、まるでオーダーメイドのように美しいシルエットを描きます。そんな仕立てを生かすべく、Vゾーンもチェックのシャツとソリッドタイを同系色でまとめて、適度な緊張感をプラスしています。
より英国テイストを感じるブラウンカラーも展開。
昨年好評を博したコーデュロイ。今季はカラバリを増やして展開
写真手前2着/ジャケット2万8000円、ヴェスト9800円、パンツ9800円、奥3着/ジャケット1万8000円、パンツ9800円(すべてスーツセレクト)●お問い合わせ先/スーツセレクト恵比寿 TEL 03・6408・5921
昨年あたりからジワジワと人気を集めていたコーデュロイですが、今季は本格的に流行の兆しを見せています。数々のサプライヤーからリリースされているので、なんとなく抵抗のあった方でも今年はチャレンジする絶好のタイミングかと。
スーツセレクトでは昨年の秋冬からカントリーテイストの流れをくんで、コーデュロイ素材のセットアップを展開。今年は、よりカジュアルでワークっぽいラギッドさを感じる太畝と、そこはかとなく品を主張できる細畝の2種類で展開。
太畝は、コーデュロイの名門「デュカ・ビスコンティ」社のものを使用しています。カラバリもベージュやブラウン、ネイビーやダークグリーンなど、落ち着いた色みがそろいます。インナーはデニム地のシャツやBDシャツなど、くだけたものでつくるVゾーンがおすすめ。
オンタイムはもちろん、セットアップ感覚で、休日着としても面白い。同トーンのインナーを合わせるだけで、手軽に洒落た装いがつくれます。
ベージュトーンでそろえた
カントリートラッド
ジャケット2万8000円、パンツ9800円、ヴェスト9800円、シャツ3800円、ネクタイ3800円、シューズ1万5000円、ポケットチーフ3800円(すべてスーツセレクト)●お問い合わせ先/スーツセレクト恵比寿 TEL 03・6408・5921
ややゆとりのあるシルエットを、光沢のあるコーデュロイで仕立てることで、優雅な立ち姿に。共地のヴェストもそろいますので、併せて着用すれば、よりクラシカルな印象が引き立ちます。ネクタイも同系色で揃えれば、モダンな統一感のあるビジネスコーデに。足元は表革よりもスエードのチャッカブーツなど、表情のあるレザーのものがベターです。
この見た目で、ニット素材。着心地も楽なトラベルスーツ
ジャケット1万8000円、パンツ9800円、セーター6800円、マフラー3800円、ソフトキャリーケース2万3000円(すべてスーツセレクト)●お問い合わせ先/スーツセレクト恵比寿 TEL 03・6408・5921
より楽な着心地を追求するなら
ウールニットの「トラベル」が推し!
スーツセレクトではデビューして3年目となる「トラベル」ライン。今季はややオーバーサイズで仕立て、リラックス感を強調。
とはいえシャープなラペルデザインや、細身のパンツなどで、しっかりとドレス感はキープ。今シーズンはネイビーに加えて、ご覧のグレイが新色として登場。
ウール混紡のニット素材なので、起毛感のある柔らかな肌触りが味わえます。
Photograph / Toshiyuki Imae
Snap & Interview Photograph / Stefano Triulzi
Styling / Hajime Suzuki
Hair & Make-up / Atsushi Takita (avgvst)
Model / Hideki Asahina (donna)
Text / Ryuta Morishita
Coordination & Text / Miki Tanaka
Edit / Masahiro Nishika