世界の洒落者のご自宅に突撃して、
コーディネイトはもちろん
クローゼットまで見せていただく連載。
スタイルにしっかりと核がある人は、
それが男のカッコよさとしてにじみ出ていました。
トーンを合わせればデニムスタイルが上品に
アンドレア・アンドレオーリさん。ドリュー&コーのオーナー。自身のブランドのほか、ラルディーニのニットラインの企画を全面的に手がけるなど、近年頭角を現している超売れっ子デザイナー。(写真の)自転車は老舗メーカーATALAのモノ。
「ブルー系はあまり着ないんだけど、このジャケットは合わせるアイテムによってエレガントにもスポーティにもなるので、今シーズンは出番が多いよ。同系色のデニムでくずしすぎないのがポイントです」(アンドレアさん)。ジャケットはドリュー&コー、パンツはラルフ ローレン。
ファッション以外の経験が、
巧みなミックススタイルのルーツ
モデナ近郊で、建築関係の実業家の父、ニットブランドをもつ母との間に生まれたアンドレアさん。トライアスロンで有名なチームに入団するために、カリフォルニアのカレッジに入学したという経歴の持ち主。また同時期にアート&デザインを学び、某有名インテリアデザイン事務所でオーナーの右腕に。
ハリウッド俳優の豪邸のリフォームや売買などにも携わり、5年前ほどにイタリアに帰国して今のポジションに落ち着くまで、あらゆる分野で活躍しました。「人生経験のなかで培われたセンスとファッションへの思想がミックスして、今の僕のスタイルがあります」。エレガントスタイルをベースにし、クラシック、スポーツ、リゾートなどを巧みにミックスする技は、そんな経験からきています。
ローゲージのカーディガンはジャケット感覚で品よく着る
「春夏はベージュ × 白の組み合わせがお気に入り。このショールカラーのカーディガンは落ち着いた柔らかい雰囲気。ジャケット感覚で着られるので、シャツやスカーフなどを合わせた上品なレイヤードスタイルが可能。大人カジュアルのためのお役立ちアイテムです」(アンドレアさん)。
ニットはドリュー&コー、スカーフはエトロのヴィンテージ、デニムパンツはピープル、シューズはチペワ、サングラスはレイバン。バイクは94年に購入した、リミテッドエディションのハーレーダビッドソン。「そろそろヴィンテージの仲間入りができる年になって、愛着が増しています」(アンドレアさん)。
時計は愛用のオーデマ ピゲ
ソラーロのスーツはあえてポロシャツで抜け感を
(レッジョミーリア州の会員制)カントリークラブの広大な中庭にて。「お気に入りカラーのひとつ、光が当たると生地の表面がキラキラと玉虫色に輝く素材“ソラーロ”のスーツは、シャツではなく、タオル生地のホワイトポロを合わせるのがアンドレア流。「普段スーツを着るときはサスペンダーが基本なんだけど、このコーディネイトの場合は、当然ナシですね」(アンドレアさん)。
シューズはオールデン。
時計はヴィンテージ。
スーツはラルディーニサルトリア、ポロシャツはドリュー&コー、シューズはオールデン、バンダナと時計はヴィンテージ。パンツの裾幅は19㎝、カフス幅は5㎝が基本。
レストランで食事のときはリネンスーツでドレスアップ
「100%リネンの上下は、ラフなイメージがありますが、エレガントに着こなすこともできます。ただの黒ではない、風合いのあるデラヴェ加工の生地だから、少しカジュアルダウンしたいときなど、さまざまなシーンで愛用中です」(アンドレアさん)。
スーツはラルディーニサルトリア。
下半身をシャープにして全身をスッキリ見せます
ノスタルジックなジャケットには、ヴェストとリネンのシャツを。パンツはしっかりとプレスの効いたコットンで、スッキリとした着こなしに。
「たぶん、僕のいちばん好きな定番スタイルじゃないかな」(アンドレアさん)。ジャケットとヴェストはドリュー&コ−、パンツはラルフ ローレン。
Photograph/Massi Ninni
Composition & Text/Minako Shimada
Edit/Yumi Matsubara