世界の洒落者のご自宅に突撃して、
コーディネイトはもちろんクローゼットまで
見せていただく連載。
スタイルにしっかりと核がある人は、
それが男のカッコよさとしてにじみ出ていました。
スーツはネイビーがいちばん落ち着きます
エンリコ・メッツァドリさん。「エルネスト」オーナー。イタリア・パルマの老舗サルト「ジャンフランコ・ボメザドリ」のオーナーでもあり、地域経済発展の貢献者として認められている実業家。
「以前に比べると、シックなスーツを着る機会が増えてきたような気がします」(エンリコさん)。基本的に、スーツはブルー系を選ぶことが多いというエンリコさん。エルネストのスーツに、オーダーシャツはバルバ。ポイントとなっているペイズリー柄のネクタイは、アトキンソンズ。
高校の同級生だった奥さま、エリザベッタさんとともに義父の会社を受け継いだエンリコさん。「放課後のデートは決まって商品の配達だったな。ほぼ毎日アトリエで義父を手伝っていたんだよ」と語ります。今では120人の従業員を抱える辣腕オーナー。大切にしているのは、家族との週末だそう。「子供たちが大きくなったから、ベッティー(奥さま)と2人、バイクでゆっくり出かけたいな」(エンリコさん)。
公私ともに固い絆で結ばれている、イタリアのファミリー企業の典型といえます。豊かな経済力でイタリアを引っ張ってきた地パルマは、昔からお洒落な人が多い町といわれます。自転車愛好家も多いことでも知られていて、エンリコさんもその一人。「あくまでもエレガントに乗るのがパルマ流だよ(笑)」とのこと。
ネイビーに茶の小物を差すのがお気に入りです
ジャケット&ネクタイはエルネスト、オーダーシャツはアレッサンドロ ゲラルディ、ニットはF.G、デニムはヤコブ コーエン、バッグはエルネスト、シューズはオールデン。
「デニム & ネクタイは、よく使うコーディネイトです。ブルーが今の自分にいちばん似合うと思っているので、ブルーベースのアイテムを選ぶことが多いですね」とエンリコさん。
濃紺と相性のいい茶系小物をチョイスして、大人カジュアルスタイルの完成です。
デニムでも上品さはキープ
リネンのスーツもあくまでドレッシーに着ます
スーツ & ネクタイはエルネスト、シャツはバルバ、シューズはチャーチ。
水色の糸が織り込んであるリネンスーツ。「誰が着ても清々しいイメージに仕上がる」とエンリコさん。
「ベージュなどの淡色トーンやグレイは、ほとんど着ませんね」。リネンのスーツもあくまでもピシッと、シックに着こなすのがエンリコさん流なのです。
リネンを都会的に!
インパクトのある柄ものは落ち着いた合わせが鉄則
今シーズン、いちばん出番が多いというジャケット。大胆な柄でハードルが高そうに見えますが、合わせるアイテム次第で落ち着いたイメージに。
「クラシックなシャツ&ネクタイスタイルでもいいし、こんなデニムシャツ&ホワイトパンツにも相性がいいんです」(エンリコさん)。
時計はヴィンテージ。
バッグは、デルモンテ。
ヴェストとの色リンクで柄ジャケを攻略できます
「あえてブルー以外の色を選ぶとすれば、ダークブラウン。自分らしく、しっくりきます」(エンリコさん)。ストライプジャケットと色をリンクさせたヴェストを合わせることで、エッジの効いたなかにも落ち着きを感じさせる大人の着こなしに。
「淡い色より、濃い色が好きです」(エンリコさん)。
Photograph/Massi Ninni
Composition & Text/Minako Shimada
Edit/Yumi Matsubara