セレクトショップに行くとワクワクします!
この高揚感は、バイヤーが発掘してきた
まだ知らないブランドや既知のブランドの
新しい提案に触れたときに感じるものです。
セレクトショップの編集力7番勝負の一発目は、
「ブランド発掘力」と題して、
今季イチ押しのブランニューなアイテムを
比較検討していきます!
ジャケット対決「エルネスト VS ザ ジジ」
このヘアリーな生地が今季は
大人気になると踏んでいます
起毛感、ブラウンカラーがとても秋らしい雰囲気に
この秋、大ブレイク間違いなしなのがこのようなヴィンテージ調、もしくはカントリーライクな紡毛生地のジャケット。エルネストはそういった生地づかいでは最先端のセンスをもっています。茶系のチェック柄は、秋の到来を感じさせます。コーデュロイのパンツと合わせればとても優しげな表情のスタイルに仕上がります。ジャケット14万円(エルネスト)、セーター5万7000円(デ ボン ファクチャー)、チーフ5000円(ブリューワー)、パンツ3万1000円(インコテックス)、クラッチバッグ1万2000円(シップス/以上すべてシップス 渋谷店 TEL 03・3496・0481) シャツ2万2000円/アイク ベーハー(シップス 銀座店 TEL 03・3564・5547)
「このヘアリーな生地が今季は大人気になると踏んでいます!」
by 秋山智春さん
「独創性のあるファブリックコレクションが目を引きます」
正統派イタリアンクラシックを極めたスーツメーカー、ジャンフランコ・ボメザドリとリミニのセレクトショップオーナーの2人が作り出した『遊び』の利いたジャケット。本当に驚くほど柔らかく、軽い着心地を実現しながら仕立て上げる高い技術力を持ち合わせた、一枚仕立ての新感覚ジャケットなんです。さらに、ウィメンズのコレクションに用いられる紡毛素材や他ブランドにはない生地を採用する独創的なアイデアは、イタリアンニュークラシックスタイルと言えますね。
左/カジュアルスタイルもどこか品が漂う
ありそうでなかった、そんなディテールや素材使いがザ ジジのストロングポイントです。ネイビーのニットジャージ素材のダブルブレストはその織柄が特徴的。シンプルにジーンズと合わせたスタイルも、どこか洒脱な存在になるのがうれしい。ジャケット11万6000円(ザ ジジ)、ジーンズ2万7000円(ノティファイ/以上2点共アスティーレ ハウス TEL 03・3406・7007) シャツ3万4000円(参考価格)(フィナモレ)、グローブ2万6000円(参考価格)(アルポ)、ブーツ5万2000円(デュカルス/以上すべてアマン TEL 03・6805・0527) 肩にかけたセーター2万4000円(ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館 TEL 03・3479・8180)
「新しいテーラードスタイルを作れるブランドだと思った」
by 藤井尚志さん
「バイヤーさんにも大好評なんです!」
独自の素材開発やパターン技術力も素晴らしいですが、突出すべきはデザイナーのピエルイジ・ボリオリ(通称ジジ)のクリエーション。誰もやろうとしなかったことや、できなかったことに挑戦しています。さらに何を打ち出してくるのか予測がつかないのも彼の魅力。まさに新しいテーラードスタイルを作れるブランドだと思いました。また、9月26日にオープンするアスティーレ ハウス限定のザ ジジのジャケットを取り揃えておりますので、ぜひお手に取ってご覧ください。
右/ジャケットを際立たせるシンプルなコーディネイト
ザ ジジの特徴はその素材使い。ヘアリーな素材はトレンドですが、ザ ジジは頭ひとつ抜けています。ベージュ×茶×ネイビーのモヘアウールは大柄のチェックで、ほかにはない存在感。シャツやヴェストとのレイヤードはシンプルに、ジャケットのパターンをおおいに楽しみたい逸品です。ジャケット12万6000円(ザ ジジ)、ヴェスト3万4000円(ラルディーニ)、シャツ2万円(ジャンネット)、チーフ8000円(サルヴァトーレ ピッコロ)、パンツ3万2000円(PT01)、シューズ6万9000円(サントーニ/以上すべてビームス 銀座 TEL 03・3567・2224) ベルト8500円(アール エル シー フォー シップス/シップス 渋谷店 TEL 03・3496・0481)
「ピッティで見た瞬間これは売れると直感しました!」
by 無藤和彦さん
「エクスクルーシブな素材使いがキモ!」
今年の1月にフィレンツェでおこなわれた、世界最大級のメンズファッション見本市・ピッティ・イマージネ・ウオモで鮮烈なデビューを果たしたザ ジジ。ジャケットスタイルがまだまだ根強い人気の今、コーディネイトをより新鮮に演出するにはモダンシルエットは勿論のこと、生地の個性が重要になってきます。ここは、オリジナリティ溢れたエクスクルーシブ・ファブリックを多く使用。独特の個性と目新しさを感じました。見た瞬間に、楽しんで着られるイメージができたんですよ。
【メンズクラブ総評!!】
話題性で先行する「ザ ジジ」に軍配があがりました!
ジャンフランコ・ボメザドリが手がけたブランドということで、エルネストには非常に注目しています。その芸術的な仕立て技術と素材使いは素晴らしいものがありますね。こちらは玄人筋に非常に受けるブランドだと思います。ザ ジジはとにかくこの秋の話題をさらっていった注目ブランド。かなり幅広くウケるという意味で、軍配です。
アウター対決「ストーン アイランド VS スピワック ゴールデンフリース」
「ブランド初となる別注カラーなんです。
今すぐ店頭へ!」
by 神谷真太郎さん
ダウンジャケット9万8000円(ストーン アイランド)、セーター1万7000円(トゥモローランド トリコ)、パンツ2万7000円(トゥモローランド ピルグリム/以上すべてトゥモローランド TEL 0120・983・522) サングラス2万7000円(ペルソール/ペルソール事業部 TEL 03・6427・2980)
「このクオリティでアンダー10万円は勝負かけました」
ストーン アイランドは、古典的なミリタリーディティールを踏襲しつつ、ハイテク素材やエクスクルーシブな素材を使うことで、常に新しく普遍的なウエアを作り出しているブランド。我々が打ち出していきたい、スポーツ×ファッションというキーワードtと親和性があるため買付けました。特に今回別注したイエローカラーのナイロンフーデッドダウンは、防風性と撥水性を兼ね備え、極限の軽さとソフトで快適な着心地を実現しています。しかもアンダー10万円。イチ押しです!
「買いつけ出張でビビッときました。
本物の貫禄が秀逸」
by 神子島孝治さん
コート11万6000円(スピワック ゴールデンフリース)、ジャケット12万1000円(ラルディーニ)、セーター3万6000円(クルチアーニ)、ジーンズ3万8000円(スリーバイワン/以上すべてバーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター TEL 0120・137・007)
「大人のミリタリーアウターの決定版です」
例年、秋冬物の買いつけ出張はロンドンから入り、欧州各国を回ります。今回ミリタリーウエアを提案しているブランドが数多く見受けられ、意識しながらピッティで見つけたのが、今年で創業110周年を迎え、新ディレクターとともにデザインも一新された新生スピワックでした。見た瞬間コレだ!と思いましたね。ミリタリーの本物感、リアルなスペック、カジュアルにもモードにも合わせられるバーニーズ ニューヨークのテイストにもマッチした高品質な大人アウターです!
【メンズクラブ総評!!】
期待度の高い2ブランド。これは両者痛み分けに!
欧州で安定的かつ圧倒的な人気を誇るストーンアイランド。一方で、リビルドされた話題のブランド「スピワック」。どちらもスポーティなウエアだけに、素材など男受けするスペックに関するうんちくも充分だし、文句なしにかっこいい! というわけで、この勝負は引き分けということに。冬の到来前に買わないと売り切れるかも。
靴対決「アレンエドモンズ VS エシュン」
「アメリカ靴の質実剛健のよさを
再評価したいです」
by 秋山智春さん
黒の内羽根ストレートチップシューズ5万5000円、バーガンディのフルブローグシューズ5万5000円(2点共アレンエドモンズ/シップス 渋谷店 TEL 03・3496・0481)
「アメリカ靴らしいクラシック感が魅力的」
1922年にウィスコンシン州にて創業、現在も同州でメイド イン USA、グッドイヤーウェルテッド製法を貫いているアレンエドモンズ。歴代の大統領が就任後ホワイトハウスに初登庁する際にはアレンエドモンズを履くという慣わしも。彼らは履き手のことを第一に考え、徹底した実用性を追求しています。アメリカ靴らしいベーシックな丸みを帯びたフォルムながらビジネス、カジュアルどちらにも使えるのがいいですね。また、コストパフォーマンスの高さも魅力的です。
「時代を超越したスタイルがある、フランス靴が推し!」
by 神藤光太郎さん
茶の外羽根プレーントウ7万1000円、コンビUチップ編み上げブーツ9万1000円(2点共エシュン/ストラスブルゴ TEL 0120・383・563)
「現代における究極の贅沢靴といえるでしょう」
ストラスブルゴのこのAWのテーマのひとつに、フレンチニューカマーがあります。フランスのナチュラルで、シンプルでありながら、品のあるアイテムが今の気分です。エシュンの歴史的背景やモノづくりに対する姿勢、クラフツマンシップもストラスブルゴの本物志向のお客様に受け入れられるのではないかと思い、買いつけました。1934年創業のエシュンの靴は、目先の流行を追わず、伝統とトレンドとの接点を図るものです。優雅さ、快適さ、そして丈夫さを高く評価されています。
【メンズクラブ総評!!】
2足目のターゲットとしてフランス靴は興味深い
アレンエドモンズは、大勢の人が履いているイタリアや英国の靴とはまた違った、アメリカ靴の無骨な雰囲気がいま旬ですしお洒落です。こちらは1足目の候補でしょう。変化球が欲しくなる2足目としてはフランスのエシュンがおもしろいです。ちょっとほかとは違う提案力、という意味ではこの勝負、エシュンに軍配を上げさせてください。
Photograph/Ichiro Kumada(K.Graphics)
Styling/Kohei Kubo
Hair & Make-up/Saori Hattori
Model/Naoki, Takeshi Watanabe(INDIGO)
Text/Kenji Takao