トレーニング分野のプロダクツにおいて、その技術革新に注力しながら戦力を拡充するリーボック。そんなリーボックが現在手がけている新技術は、とても画期的なものなのです。

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Reebok

 現在、トレーニングウエアやシューズの分野において、技術革新を巡る競争が激化しています。大手各社はいずれも競合相手より有利な立場に立とうと、かつてないほどの野心的な素材や製造方法を開発し、提案しているのが現状かと…。

 リーボックは、これまで「Instapump Fury(インスタポンプフューリー)」に代表されるような“The Pump テクノロジー”、また、「DMX RUN 10」に搭載された“DMX Moving Air Technology(ディエムエックス・ムービング・エア・テクノロジー)”、宇宙用ブーツにも採用されるクッショニング素材である“Floatride Foam(フロートライドフォーム)”などなど、数多くの独自の革新的テクノロジーを世に送り出してきたブランドです。

 そんなリーボックが2018年、新たなテクノロジーとして満を持して発表したのが「Flexweave™」になります。

一般的なシューズは、40ほどのパーツで構成されていると言われています。なぜなら、それぞれの部分によって求められる機能が違うから…。すぐとなりのパーツでも、強度を優性すべきか?通気性を優先すべきか?…役割を分けて組み立てられるのです。こうして、その場所に応じたさまざまな機能をもたせるために、いくつもの布地やパーツを組み合わせる結果に。よってシューズ作りは、このパーツの数によって比例する重さとどう戦うか? そう、軽量性との戦いでもあるのです。

 近年のリーボックは、この従来のシューズ作りを根本から見直し、“Less is More”=“シンプルな構造でありながら、機能性を確保する”という考え方へとシフトし、シューズ作りに力を注いでいるとのこと。これまでち違い、シームレス構造や一枚布構造でのアプローチに注力しているのでした。

 こうしたリーボックの考えのもと、誕生したのが一枚布構造でありながら、アスリートの求める用途に応じたサポート性の実現とアッパーの柔軟性、通気性、軽量性を両立させた「Flexweave™」なのです。
 

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 一般的にニットに代表される「編み」素材は、1種の繊維そして1本の糸から形成されます。ゆえに、その1つの繊維の特徴しかもてないと言っていいでしょう。ですが、この「Flexweave™」は、「織り」の技術革新なのです。「織り」は縦糸と横糸から形成され、構造的に単なる「編み」よりも強靭に…さらに、異なる繊維を組み合わせることが可能であることも示唆するのです。 

 その結果、異なる特性を併せもつことが可能な、多機能な一枚布を作ることができたとのこと。

「Flexweave™」は、「8の字織り」構造を採用し、そこに最新のプログラミング技術を導入することによって、一枚布構造でありながらシューズの部位によって自由自在に柔軟性・通気性・強度やサポート性を変えることに成功した脅威の素材なのです。 

 例えば、柔軟性が必要とされる前足部には横糸に柔らかい繊維を用い、織り目の密度も大きくすることで足指を動かしやすくし、一方で中足部やヒール部分にかけては横糸を丈夫な繊維に変え、織り目も高密度にすることで、サポート性や耐久性を高めていく…というように、シューズの部位によってどのような繊維を用いるか、織り目の密度をどうするかは、トレーニングのニーズにあわせてプログラミングされ、素材は作られます。こうしてマルチパフォーマンスな一枚布構造のアッパーができあがる…それが「Flexweave™」なのです。

 そんな「Flexweave™」を採用した最初の製品が、「Flexweave Fast(フレックスウィーブ ファスト)」というランニングシューズで、2018年2月1日に英国で発売されました。リーボックは、他にもこの最新技術を使った製品を作る予定とのこと。

 フレックスウィーブの発表を記念して、(同技術を開発した)リーボック・イノベーション・コレクティブでは、全世界のデザイナーに声をかけ、この素材を使用したユニークなアイテムを製作依頼。

 各デザイナーとのコラボから生まれたアイテムのなかには、ジョー・ドーセットの手になるGPS付グローブや、オランダのデザイン集団オッド・マターによる「アクティブ・シート」と呼ばれるもの、そしてモドラという英国のデザインスタジオが作った高地トレーニング(シミュレーション)用マスクなどがあります。 
 

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 ただし、他に類を見ないこれらのアイテムは、一般向けに販売されません。新素材のファンは今のところ、「フレックスウィーブ ファスト」で我慢しなければなりません。が、リーボックでは今後新たな製品を投入していく予定ですので、ぜひ今後の発表に注目してみてください。

 日本での発売は2018年3月1日になります。


By Jonathan Evans on January 29, 2018
Photos by Reebok
ESQUIRE UK 原文(English)

TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。


編集者:山野井 俊