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2016年9月24日から10月1日までの
8日間、カナダへロイヤルツアー中の
ウィリアム王子一家の様子が
マスコミで脚光を浴びていました。
特に2016年9月29日(木)、
ブリティッシュ・コロンビア州副総督邸にて
陸軍の家族のためのパーティに同席した際、
10月2日に1歳5カ月を向けえようとしている
シャーロット王女のカーディガンが
兄のジョージ王子のおさがりであり、
着回し上手のキャサリン妃らしい行いに、
多くの人の感銘を受けたのでした。
 

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2016年9月29日(木)のシャーロット王女。このブルーのカーディガンが、ジョージ王子が2015年に
シャーロット王女のお見舞いに病院を訪れたときに着ていたものと同じだという記事が話題になっていますが…。
Photograph/Chris Jackson - Pool(Getty Images)

 
 ピープル誌で、このカーディガンの子ども服ブティック共同オーナーであるアマイア・アリエタさんのコメントがあります。

“I'm so happy that she chose our cardigan, first for Prince George and now for Princess Charlotte – it's so lovely and exciting to see our pieces enjoyed and worn in different ways,”
「キャサリン妃が私たちのカーディガンを、最初にジョージ王子に、そして今はシャーロット王女に選んでくれたことを、とても嬉しく思います。私たちの服を幾通りにもお召しになっているのは、とても喜ばしいです」

 …と、ここで「お下がり」を意味する“hand-me-down”に類する英語は出てきません。一部の日本の記事では、ジョージ王子のカーディガンを“お下がり”で着こなしている、という記事もございました。そのほうが、質素な生活を旨とするウィリアム王子とキャサリン妃らしいですし、一見、同素材で同色のカーディガンなので、そう思えたのでしょう。

キャサリン妃自身のスタイリングも、同じ服を何度も着回すおしゃれ上手なキャサリン妃としても有名なので…。そのセンスは、こうしてシャーロット王女にも引き継がれるという話は素敵ですから。ですが、よ~く見るとディテールが違うので、このページ担当編集からすると別物かと思えるのです。まず、フロントボタンの数が違います。そして、フロントボタンとその受け手となるボタンホールが付いている前身頃のエッジ部分、シャツでいうところの前立ての編み方をチェックしてみてください。

  
 しかし、そんなことはどうでもいいことかもしれませんね。ここで注目すべきは、ウィリアム王子とキャサリン妃がお子様に選んでいる服は、ごく一般的なブランドから購入していることであり、さらに「シンプル」かつ「良識」あるスタイングが一貫して表現されているところなのです。質素で堅実な生活を大切にしているウィリアム王子一家らしい、実に微笑ましい光景ではなかったでしょうか。


>>> 01.シャーロット王女の服装解説

 
 

2016年9月29日(木)のシャーロット王女

Child, Baby & toddler clothing, People in nature, Balloon, Party supply, Lavender, Dress, Purple, Toddler, Day dress, pinterest

Photograph/Chris Jackson - Pool(Getty Images)

Clothing, Hair, Ear, Shoe, Hand, Human leg, Child, Mammal, Fashion accessory, Summer, pinterest

Photograph/Chris Jackson - Pool(Getty Images) 

 
 2015年5月2日生まれのシャーロット王女も、よちよちながら自らの脚で歩いてご公務を。微笑ましい光景です。

 ここで着用しているカーディガンが、2015年5月2日にジョージ王子が、シャーロット王女誕生のお見舞いのためにウィリアム王子とともにセント・メアリーズ病院に訪れたときのものと同一では?と、思えるカーディガンです。コットン糸を熟練した職人による手編み仕上げた、いわゆるハンドスモッキングタイプのカーディガンです。そして色も、イギリス王室らしいブルー。いわゆる「ロイヤルブルー」「キングズブルー」とも呼ばれる色です。

 王室の伝統を感じさせながらも、華美でなく、良質なライフスタイルが想像できるスタイリングです。こうしてシャーロット王女も、ウィリアム王子とキャサリン妃が実践する高貴なだけでない良質のライフスタイルを伝承していくことでしょう。 


>>> 02.ジョージ王子の服装解説

2016年9月29日(木)のジョージ王子

Face, Head, Ear, Finger, Eye, Shoe, Sock, Interaction, Baby & toddler clothing, Knee, pinterest

Photograph/Anwar Hussein(WireImage)

Ear, Arm, Finger, Collar, Sleeve, Dress shirt, Wrist, Child, Baby & toddler clothing, Interaction, pinterest

Photograph/Max Mumby/Indigo(Getty Images)

 こちらの写真は、2015年5月2日にシャーロット王女が無事出産されたあと、ウィリアム王子とともにセント・メアリーズ病院にお見舞いにきたジョージ王子です。ロイヤルブルーのコットン糸によるハンドスモッキングの素材は同一なことはわかりますが、2つのディテールが大きく違います。

 まず、フロントボタンの数がこちらは5つに対し、シャーロット王女のほうは4つになります。また、前身頃の合わせ部分であるボタン&ボタンホールが配されているエッジ、いわゆる前立て部分になりますが、こちらはフラットになっていますが、シャーロット王女のほうはフラットな鹿の子タイプの編みからリブ編みへとエキスチェンジされているように見えないでしょうか。たとえお直しで、シャーロット王女用にボタン1個分をツメルことはできるでしょうが、前立て部分の編み方に手を加えることはお直しですることはないかと思います。さらに、シルエットもシャーロット王女のほうはAラインの女の子らしいしシルエットになっていますね。

>>> 前ページのシャーロット王女


 「お下がりか」「お下がりでないか」はどうでもいいでしょう。「お下がり」のほうが、より美談にはなりますが…。このお二人のお子様の、シンプルで良識あふれる一貫したスタイリング、ここではあえて服装術と言わせていただきまそう。ご自身たちを含めた、この一環して良質の服装術からも、ウィリアム王子一家が精神性も含めて上でクォリティの高く、尊敬に値する生活をおくっていることがうかがえる出来事だったのではないでしょうか? 

 もし、皆さんもお子様をお持ちであれば、このことを学んで実践してみてはいかがでしょうか? 「食育」があれば「着育」もあるかと思いますので…。 


>>> 03.ウィリアム王子一家の服装術

2016年10月1日(土)のウィリアム王子一家

Face, Trousers, Coat, Outerwear, Suit, Dress, Formal wear, Tie, Interaction, Gesture, pinterest

Photograph/Karwai Tang(WireImage)

Sleeve, Collar, Child, Jewellery, Baby & toddler clothing, Toddler, Gesture, Love, Necklace, Pocket, pinterest

左/Photograph/Samir Hussein/Pool(WireImage) 右/Photograph/Karwai Tang(WireImage) 

 
 2016年10月1日(土)、8日間のカナダロイヤルツアー最終日のウィリアム王子一家。ジョージ王子とシャーロット王女は、やはりここでも一貫してフラットなセーターをアッパーに着用しています。やはり、無地のセータースタイルはいい意味でコンサバティブなスタイルなのですね。好印象間違いなしです。

 お子様の着こなしに悩んでいる方がいるなら、ぜひともこちら、ウィリアム王子一家の服装術を学ぶといいのではないでしょうか? アバンギャルドな着こなしをさせたいと思っている方も、まずは基本となるコンサバティブを知っておくことも大切なので、まずはこの服装術から始めることをおすすめします!

We have created such happy memories for our children during this visit #RoyalVisitCanadapic.twitter.com/S1v0XO3WvT

— Kensington Palace (@KensingtonRoyal) 2016年10月1日

編集者:小川和繁