『エスクァイア』UK編集部の二人のファッションエディターは、帽子に関連した直接対決に挑むことを決心しました。帽子のスタイリングについて それぞれ異なった意見を述べています。果たして、あなたはどちらの意見を尊重しますか?

男性が帽子をかぶるとお人よしに見える?

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Aflo

 あなたは嫌なやつに見られることなく、帽子を被ることができますか? はい、しかし、それは簡単にできるという意味ではありません。

 帽子を被るという行為は、原人が太陽によって水ぶくれのできた頭を保護するために、頭上にコケをのせるようになったのがことの始まりです。総体的な帽子に対する好みは、20世紀半ばにピークを迎えるまでの数百万年間で顕著に表れました。しかし、それ以来、帽子の市場は落ち込み、今日その人気は以前よりも低くなってしまっています。

 そのため過去数年間においては、帽子を被っている男性のみが最高の紳士服を好む傾向がありました。彼らは定期的にスポーツスーツを着用し、服装の伝統を大切にしているのです。

 例えば、デヴィッド・ギャンディ(イギリス出身のモデル)のような男性です。

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GIOVANNI CORAVI
最も成功した男性モデル、デヴィッド・ギャンディ。

 「帽子、とりわけフェドラやトリルビーをかぶるという行為には、どこか非常に年を取った学校の紳士のようなところがあります」と、ギャンディとLC:M(ロンドンコレクションズ:メン)の大使は述べています。

▼フェドラ、トリルビーのコーデ・着こなし方

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 「私は個人的に帽子が大好きで、実質的には毎日かぶっています。モータースポーツ用に野球キャップ、街中で雨が降っているときはフェドラとトリルビーです。キャスケットは一番よく被りますね。最も汎用性が高いですからね」。

 ギャンディが英国におけるベストドレッサーの一人であるという事実は広く知られており、帽子をかぶるという行為は、馬鹿に見えるようにするためではないことは明らかです。

 でも、私には持論があります。帽子を被っている彼を脱帽させてしまうような英国の品々を着用していれば、ベストドレッサーの一人になれるのです。

 結局、フェドラをかぶることができるのは、自身のカッコ良さがすでに実証済みである場合に限られます。インディ・ジョーンズのフェドラは、カッコ良く見えました。彼はムチを携えたトレジャーハンターでしたから…。

ドン・ドレイパーのトリルビー
AMC
『MAD MEN マッドメン』でジョン・ハム演じるドン・ドレイパーのトリルビ帽スタイル。

 ドン・ドレイパーのトリルビーがカッコ良いのは、彼が会社を率いる女好きの広告マンだからです。またコリン・ファレルのビーニー帽だけがカッコ良く見えるのは、彼の「愛情を征したリスト」がアイルランドの海岸線よりも長くなっているからです。

トレンド浮上の“ビーニー帽”を着こなすストリートスナップ集
Street Style : Paris Fashion Week - Womenswear Spring Summer 2020 : Day Eight

 この持論を検証する上で必要なのは、魅力的な広いつばのついた帽子を被ることです。そして非難を始めましょう。それから、すぐに俳優としてのキャリアを踏み出し、オスカーをいくつか獲得してから再び帽子を試してみて、その反応をうかがうのです。顕著な差異に気づくはずです。

 あるいは、スーパーレトロな方向に向かって、ご自身の頭上にコケをいくらか貼りつけると、すべてを超越することができるかもしれません。でも、少なくとも、ご自身の頭を太陽から守ることができますから。

帽子(ハット)のコーディネート方法

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Getty Images

帽子を被ったイケメンを例示しようとすると、最近では片手でカウントできてしまいます。

 映画『北北西に進路を取れ』で、フェドラを被っていたケーリー・グラントが一人目。デヴィッド・ボウイは、シン・ホワイト・デュークを名乗っていた時期や別の時期には、フェドラもかぶっています。映画『華麗なるギャツビー』をパナマで撮影中のロバート・レッドフォードも良い例ですね。

 まあ、そんなところでしょうかね。もちろん、1959年にハンチングキャップをかぶってショッピングをするポール・ニューマンをカウントから除外(それは全くの公平とはいえませんが)しなければ、その男性は羽根飾り付きファシネーターを身に着けたイケメンと見られていたでしょう。これまで(すべての女性を含めて)主張している人は他に誰もいませんが…。

 覚えておかなければならないのは、紳士服のトレンドの大部分が成功したのは、包括的な機能に起因している可能性があるという点です。衣類は直接的かつ明確な目的が存在しない限り、スタイルの歴史年代記の間を腎臓結石のように通り過ぎていってしまいます。

 つまり、こういうことです。鳥打ち帽子は、北極圏への旅行中に発生する聴覚の減退を防ぐためのものではありません。野球キャップは、野球をしている間に顔が日焼けしないように保つものです。またパナマ帽によって、ヨットに乗っている間の肌の露出を避けることができます。帽子は絶対に避けるべきです。

 その理由を聞きたいですか?

 「パーソナリティ・アクセサリー」以上に、議論を引き起こすものはないからです。例えば、数年前にはパーソナリティ・ポケットチーフがありました。ちょっとした派手な布をジャケットのポケットに詰めて、そのジャケットを着用する人がより楽しめるようにしたものです(逆効果となってしまいましたが)。パーソナリティ・ネクタイピンが、すぐに追随しました。

 パーソナル帽子は、おそらくこれらの世界的流行病の中で最も陰湿です。ハリー・スタイルズのカテーテル・バッグ・ビーニーか、オリー・マーズのポーク・パイ・シリネスをご覧になってください。純粋に身に着けること自体が目的であって、着用者の脳の消滅を防止する以外の機能は提供されていません。これらの帽子はスタイルのアンチテーゼであるため、是が非でも避けなければなりません。

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Source / ESQUIRE UK
Translation / Spring Hill
※この翻訳は抄訳です。