防寒性にとても優れているパーカは、特にオススメのアイテムとなっています。

◇カナダが誇る優良ブランド「ムースナックルズ」

文化に関することとなると、カナダはアメリカの弟分の役割を担ってきました。認められてはいるが、称賛に値することは滅多にありません。これがすぐに変わるか否か、今のところ不明ですが、この趨勢(すうせい)が別の方向へと揺れ動き始めている兆しがあるのです(例:メジャーリーグ球団のトロントブルージェイズ、ミュージシャンのドレイクやザ・ウィークエンドなど)。

 なかでもファッションの世界は、次へと向かっているようです。

 クラブモナコのような会社が道を開き(だが、国際的に認知されないがため、カナダを後にした)、アウターウエアブランドはより一層活気を増しているのです。おそらく、最も有名なのは「カナダグース」ではないでしょうか。創業58年になるブランドですが、ここ数年、冬季の外せないブランドとなっています。

 しかし、今では他のブランドも登場しているのです。そして次に知っておくべきビッグブランドは、モントリオールに本社を置く「ムースナックルズ」です(ブランド名についての詳細は後回しにしますが、おそらく、読者の考えているような意味はないことでしょう)。

 アヤル・ツウィク最高経営責任者(CEO)は、カナダが国際的なファッションとなるときが来たと考え、2008年にその種が蒔かれたと指摘しています。「2008年の不況はアメリカに大打撃を与えたが、カナダはそこまでひどい打撃を受けなかった」と、ツウィクは語っています。

 「銀行は安定していたし、経済も安定していた。その結果、我々は愛国心を新たにした。この国はかっこいい国なのだ、もっと注目を浴びるべきだと、自らに言い聞かせたのだ」とツウィクは続けて語りました。

 確かに、ムースナックルズは今注目を浴びています。創業7年のこのブランドは、この秋冬に影響力のあるブティックと大手小売業者などを展開し、アメリカ市場で大々的なデビューを果たしました。例えば、サックス・フィフス・アベニュー(高級百貨店)は、アウターウエアフロアではなく、コンテンポラリーセクションに陳列するブランドに強い信頼を置いているのです(多くの大手小売店はこのセクションに大成功を収める見込みのあるブランドを割いています)。

イチオシアイテムはパーカ

 公平を期すと、口コミによる人気が沸騰しています。コートはモダンでスタイリッシュなだけではありません。それは、感心するほどうまく作られているのです。

 つまり、アウターウエアであるため、機能性に影響を与えるような過ちがあれば、どうにもならないのです。そのため、ボンバージャケットやレザージャケット、パーカのラインナップは丈夫でありながら軽量で、肩回りは柔軟でポケットも豊富なのです。

 特にパーカが素晴らしいデキなのです。表は防水素材を使用し、本物のフォックスファー付きフード、防寒のためにウクライナダックダウンを使用し、ふっくらした手触りとなっているのです。厳しい寒さに見舞われても、このコートなら大丈夫。まさにこれが「ムースナックルズ」がすでに母国やアジア、ヨーロッパで定着している所以なのです。「ムースナックルズ」は、その名も含め何者もアメリカを目指すことを止められはしないと自信を見せています(だから、これに注目しているのです)。

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Courtesy of Moose Knuckles

 「この名前は、ムース(ヘラジカ)とホッケーファイトという、カナダにとって最高の二つの組み合わせから生まれました。ロゴは、雪の中のヘラジカの足跡をモチーフにして、肢はメリケンサックを表現しています」と、「ムースナックルズ」のマーケティングディレクター、アリー・ケンパーは話しています。

 「我々のブランドは他の冬物コートブランドよりも若者向けでやんちゃなイメージになっています。着て楽しめ、カナダが凍てついた凍土帯だけではないことを示しています」。

 クイック検索エンジンに入力すると、別の意味が見つかることでしょう。

 もしかすると、検索結果には何も書かれていないのかもしれません。本当に関連があるか否かについては、読者の想像力に委ねましょう。しかし、ツウィクによれば、名前はあの使い方とは全く関係がなく、カナダの遺産へのオマージュであると主張しています。

 サックス・フィフス・アベニュー以外の高級小売店にとってそれが明らかになれば、このブランドは、ノードストロームやブルーミングデールで販売を開始することでしょう。そして、「ムースナックルズ」は評価を得ているのです。今や彼らは、本社を移転することなく、自分たちの思い通りに成功を収めようとする他のカナダブランドに加わろうとしています。

 「カナダ以外の国々の人々に、我々はアメリカとは違う、そしてカナダ人であることは隠すべきことではないと認められるには、しばらく時間がかかることでしょう。大抵の場合、カナダ人デザイナーは成功を求めて故国を離れなければなりません」と、ファッションスタイリストのミーガン・アン・ウィルソンは話します。

 彼女の多様な顧客リストには、NBAプレーヤーも含まれています。「クラブモナコはラルフローレンに買収される以前は、カナダブランドでした。典型的なカナダブランドであるルーツは外国製であること。アーデムやマーク・ファストのようなデザイナーはイギリスへ、ディー スクエアードはミラノへ行かなければなりませんでした。これが確実に続き、一時的な流行とならないようにしさえすればよいのです」と、ウィルソンは話しています。

 「ムースナックルズ」は、竜頭蛇尾(りゅうとうだび)という言葉をテストするだけの準備は、十分整っていそうです。残るは、尻つぼみのならないよう最後まで突き進むだけなのです。「まだ温かいとはいえ、お洒落でいるためには常に需要と供給が存在します。そこが我々の見出した生かしどころです」と、ケンパーは話します。

 「最善のシナリオは、人々が我々の商品を他のブランドに代わり得るものと考えてもらえることです。我々はそんな軌跡に立っているのです」と、ケンパーは続けています。今後の「ムースナックルズ」の活動に注目しましょう。

Source / ESQUIRE US
Translation / Spring Hill, MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。