歌手、バンド、ロックスター。彼らは英国のあらゆるファッションムーブメントにおいて、刺激的な存在であり続けてきました。その一部としてのファッションも、音楽との密な関係を常に求めてきたと言えます。ナイキのヒップホップへのバックアップにしろ、ジェイク・バグやパトリック・ウルフのハイエンド・ファッションでのモデル業にしろ、今この2つの世界はかつてなく親密です(ちゃんとバンドしろ!と先輩からお叱りを受けることもありますが…)。それゆえ、「センスの良いスタイリストがたまたま付いているだけ」というミュージシャンの中から、“本物”を見つけるのは簡単なことではないのかもしれませんが…。
けれども実際のところ、それほど難しいことではありませんでした。音楽シーンで、最もスタイリッシュな男性を集めたこの企画でリストを作り始めると、私たちは徐々にそして心地よくも次のことに気づくことができたのです。時代やジャンルがどうであれ、彼らは独自のビートに合わせて服をまとい、さらに非の打ち所なく、正真正銘の本物であるのだと。
そしてもちろん、すべてが独自のセンスを感じさせる主観的なものであるということもわかりました。もしかしたら、あなたのリストには、エルビスが入っているかもしれません。また、ニック・ケイヴやJay-Zがランク外であることが「茶番だ!」と思う人がいるかもしれません。さらには、ハリー・スタイルズが15年、10年、さらには5年後にトレンドセッターになると本気で考えている人もいることでしょう。
でも、そんななか、私たち全員がここで賛同できるのは、このリストに含まれるスターたちは皆、私たちの魂を揺さぶり、心の痛みを代弁し、ビートで私たちの手足を無意識のうちにグルービーに動かし、さらにクールである方法も教えてくれたということではないでしょうか。
だから私たちは、彼らの音楽に対しても感謝の気持ちでいっぱいになるのです。今回、10人のスタイリッシュなミュージシャンをランキング形式で10名選出しました。ぜひチェックしてみてください!
【第10位】アレックス・ターナー
1986年1月6日生まれ。アークティック・モンキーズのフロントマンであるアレックス・ターナーは、年齢の成長とともに独自のスタイルを構築してきた典型的な例と言えます。バンドが世界中で成功を収めるにつれて、彼は徐々にハイストリートのポロシャツと寝癖のように乱れたモップヘアを卒業していきました。ターナーは意外にも賢いテディー・ボーイ風のスタイルをベースとしながら、細身でスレンダーなシルエットで着こなす方法を知っています。タキシードジャケットもレザージャケットも、同じようにレイドバックした反抗的なムードで決めると同時に、見事なヘアスタイルでイギリス中の男性たちを魅了しているのです。
【第8位】カニエ・ウエスト
暴言、革パンツ、一般的な権利意識によって、カニエをこのリストから脱落させる可能性も大でした。ですが、彼のことを好きか嫌いかは別として、彼はファッションやデザイナーブランドに関するイメージを、全く新しい観客へ向けて一歩も二歩も前進させる大きな影響力をもっているのです。彼は7枚のスタジオアルバムを制作するかたわら、ナイキとAir Yeezyを作ったり、A.P.C.やルイ・ヴィトン、クリスチャン・ディオール、グッチ、マイバッハなどとコラボレーションを行ってきました。今のところカニエに対する情熱が、彼に対してあなたを夢中にさせているかもしれません。が、同時に、その行い悪さでいつブラックなレッテルを貼られるかわからないリスクも常にもっている男です。
【第1位】デヴィッド・ボウイ
デヴィッド・ボウイは、スタイルアイコンの概念を最大限に利用し、大胆で斬新でありながら、その過程で決してアイデンティティを失うことなく、ファッションを通して音楽を探求したアーティストなのです。2013年に開催されたV&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)の回顧展では、モッズ、グラム、ボーホー、ソウル、ヒッピーサブカルチャーを通した彼の変遷を讃えながら、単なるミュージシャンとしてだけでなく、ファッションアイコンとしてのボウイの歴史を追いかけた内容でした。人々はしばしば、ボウイのカメレオンのような姿を引き合いにして彼を讃えますが、私たちにとってそれは誤った認識でしかありません。ボウイは卓越を求めたのです。何かになぞられること、そして埋もれることは、彼の選択肢では決してありませんでした。
From ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Spring Hill, MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。