ラルフ ローレンのエグゼクティブ・バイスプレデントであるデヴィッド・ローレン氏が、同ブランドが平昌五輪の米国チームのためにデザインしたユニフォームについて語ってくれました。

Outerwear, Jacket, Goose, Parka, Coat, Sleeve, Water bird, Winter, Headgear, Uniform, pinterest

 平昌五輪用アメリカ代表の ユニフォームに注目!

「チームUSAを代表できることはとても特別なことで、あらゆるアスリートが一生をかけて目指しています」
 そう話すのは、フィギュアスケートのアレックス・シブタニ選手。アレックス選手は妹のマイア・シブタニと共に、今年の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの米国代表として出場を予定しています。 

「ユニフォームの出来が完璧だからといって、それを頼りにする人はいないかもしれません…。ですが、このユニフォームに袖を通したときには、あらゆるスポーツを超えてチームメイトと一体になれるような…とても特別な気持ちになりました」とアレックス選手。
 

People, Knit cap, Beanie, Headgear, Smile, Tourism, Cap, pinterest

写真:(左から)マイア・シブタニ選手、アレックス・シブタニ選手、そしてエイジャ・エヴァンス選手。Photograph/ Ralph Lauren 

 今回も米国代表チームのユニフォームは、前回同様にラルフ ローレンによってデザインされたものになります。

 同ブランドは、米国選手団が開会式と閉会式で着用するユニフォームをデザインしたほか、オリンピック村では米国の競合チームが着用するウエアも提供。同社のエグゼクティブ・バイスプレデント兼チーフ・イノベーション・オフィサーでもあるデヴィッド・ローレン氏(ラルフ・ローレンの次男)は、今回のオリンピックユニフォームのデザインについて、「大きな責任を感じている…」と言っています…。 

「今は、不安と興奮が入り交じった気持ちです。社内には異様なエネルギーが満ちており、誰もが『オーマイゴッド! オリンピックに行くんだ。すべてうまくいくだろうか?』と、そわそわしています」、デヴィッド・ローレン氏は語っています。 

 
「オリンピックはファッションブランドにとって、最大の晴れ舞台と言えるでしょう。あらゆる企業にとって、もっともグローバルで唯一無二の舞台なんです。もちろん、それはアスリートにとっても同じことになります。そして、人生のすべてをオリンピックのために費やしてきたであろう、そんなアスリートたちがセレモニーを闊歩するとき、われわれは彼らの魂を感じ、このユニフォームを通して一体になれるのです」とデヴィッド・ローレン氏。

 
<<次ページではUSAユニフォームのスケッチデザインを公開>>

今回のユニフォームには、 古き良きアメリカを感じさせる アイテムが含まれている!

 デヴィッド・ローレン氏らは今回のオリンピックにあたって、セレモニー用のユニフォームのためのテクノロジー開発に注力しました。そして完成したのが、パレードを歩くアスリートたちを暖かく包む、導電性カーボンと銀インクを使った発熱ジャケットです。 

「テクノロジーとファッションが本当のニーズと目的に一致したとき、とてもエキサイティングなものが生まれるんです」と、デヴィッド・ローレン氏は語ります。 

 
「最近の人々は、とにかくキャッチーなものを求めます。このバランスでいくと、『ウェアラブル分野でのクールな最新イノベーション』とされるような商品でも、それが機能的に優れたものであったり、顧客のニーズに合ったものであるとは限らない状況となります。ですが、われわれは特定の顧客、つまりアスリートを念頭においてデザインをしました。そして、そこには確かなニーズがあるのです。このようなデザインプロセスを経たからこそ目的や使命が生まれ、すばらしい製品ができたのだと思います。オリンピックは、着心地についての究極の試験場とも言えるのです。そこで成功を収めることができれば、今後1年ほどでこのテクノロジーを一般向けにも投入したいと考えています」とデヴィッド・ローレン氏。 

  
 こういった最先端のテクノロジーとは対象的に、今回のユニフォームにはデニムジーンズやスエードのハイキングブーツなど、古き良きアメリカを感じさせるアイテムの数々も含まれています。 

 そして何と言っても、注目すべきは手袋です。スエード製でフリンジの付いたこの手袋は大胆不敵なデザインで、多くの人が気になったことでしょう。 

 全体としては洗練されたルックのなかで、唯一浮いているように見えるこのアイテム。ですが、デヴィッド・ローレン氏によれば、この手袋は見た目の評価よりも象徴的な意味合いに重きをおいてデザインされたものだと語っています。 
  

Clothing, Sportswear, Outerwear, Jersey, Uniform, Footwear, Jacket, Sleeve, Textile, Sports uniform, pinterest

写真:普段着用しても違和感のないオリンピックスタイリング。Photograph/ Ralph Lauren 

 
「この手袋は、西部開拓時代のフロンティア精神の意識したデザインなのです。なにせ、この時代はクールだと思っていますから…」とデヴィッド・ローレン氏。 

 デヴィッド・ローレン氏とブランドの両方にとって、この手袋を含むユニフォームは着用するアスリートたちの母国、つまり米国についての本質を語るものになっているのです。 

「アメリカは伝統を重んじる国です。しかし常に前を向き、先進的であろうとする国でもあります。このユニフォームは過去の歴史を振り返り、未来につなげていくものなのです」と、デヴィッド・ローレン氏は重ねて語ってくれました。 

 
 また、「もちろん躍動感や勇敢さ、(米国旗を示す)赤と白、青も盛り込みました。チームがセレモニーを歩くときには、世界中の人々はこれらのユニフォームを見て、大きな旗がはためいているように感じることでしょう」とコメントしています。

 では皆さん、USAユニフォームを着用した選手たちの活躍に注目しましょう! もちろん、そのユニフォームにも着目してみてください。


By Jonathan Evans on January 27, 2018
Photos by Ralph Lauren
ESQUIRE US 原文(English)

TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。


編集者:山野井 俊