夏は映画というより、アウトドアを楽しみたい季節かもしれません。ですが、この時期だからこそ観て欲しい映画もあります。というのも、映画史のなかでも「スタイリッシュである」と呼び名の高い名作の中には、参考にしたい夏の着こなしがいくつも見つけることができるからです。
今回はそんな名作映画の中から、2018年のトレンドにも合致する5作品をピックアップしてみました。ぜひ参考にしてください。
『ロミオ+ジュリエット』
教訓:色鮮やかなプリントをコーディネートの主役に
バズ・ラーマン監督のカルト的名作は「どうしてロミオなの?」というよりは、「どうしてカラフルなプリントばかり?」と聞きたくなります。
シェイクスピアの偉大なラブストーリーを現代劇に翻案したこの1996年の作品は、ピンクの髪、ベビーフェイスのディカプリオ、夏のバケーション(あるいはヴェローナ・ビーチでの抗争)にぴったりな鮮やかなシャツと目を楽しませてくれる(そして、ワードローブにもヒントにもなる)ものでいっぱいです。
この色鮮やかなシャツをコーディネートに取り入れるなら、トーンを変えてみるのもいいでしょう。たとえば、下のシャツのように少し落ち着いた色合いにしてみるのはどうでしょう。シャツが決まれば、大急ぎで運命の相手を探しに行きましょう。
『君の名前で僕を呼んで』
教訓:ショートパンツでスタイリッシュに
この映画に登場する「愛」「詩」「ロマンス」「北イタリア」「美しい人」といった要素は、残念ながらどれもロンドンの夏とはかけ離れたものです。とはいえ、『君の名前で僕を呼んで』は、まったくのファンタジーというわけではないのです。
アーミー・ハマーと、今をときめくティモシー・シャラメのコーディネートにならって、ショートパンツを取り入れてみましょう。
ただしオススメは、この作品に登場する太もも上までの短いショートパンツではなく、膝の少し上くらいまでの丈のものです。これは大切なことなので忘れずに…。この映画のような17歳の未成年とのひと夏の恋とったストーリーを、われわれが実践することがもうできないのですから。
『華麗なるギャツビー』
教訓:ワイドパンツでワイルドに
バズ・ラーマンが監督を務めた2013年版の『華麗なるギャツビー』も目の保養とも言うべき作品ですが、1974年に製作されたジャック・クレイトン監督の同作も同じようにスタイリッシュな1本です。
中でも注目したいのは、ロバート・レッドフォードと仲間たちのワイドパンツです。個性のないスリムパンツばかりの近年において、このスタイルは新鮮で人気が高まりつつあります。
問題は着こなしが難しいことです。が、当たり障りのないワードローブの定番アイテム(無地の白シャツなど)と組み合わせれば、違和感なく取り入れられるはずです。
『スカーフェイス』
教訓:暗黒街のボスらしいテーラリング
「Say hello to my little friend! (俺の坊やに挨拶しな!)」の名台詞でお馴染みのこの映画ですが、参考にすべきなのはアル・パチーノ演じるトニー・モンタナの破滅的なコカイン中毒や、マシンガンさばき…だけではありません。そう、彼らが着こなすイタリアンテーラリングにも注目です。
80年代のイタリアンスーツスタイルに影響を受けた不定型的なフィットは、JACQUEMUS(ジャックムス)やPRADA(プラダ)、そしてBALENCIAGA(バレンシアガ)などが好んで採用してきました。さらにこのワイドなシルエットには、ジムに通っていない人でも逞しい肩を演出できるというメリットもあるのです。
『リプリー』
教訓:キューバ襟でイタリア風に
トム・リプリーにも才能はあったかもしれませんが、ジュード・ロウ演じるディッキー・グリーンリーフには到底およぶものではありませんでした。ディッキーはファッショナブルで金持ち、傲慢で女好きで圧倒的な魅力を備えていましたから。
そんなディッキーのスタイルを真似するなら、1950年代のイタリアを意識したキューバンカラーシャツが一番いいでしょう。
ポイントは生地の質感とニュートラルな色合い、クラシックなディテールで、パイピング襟あるいは実用的なポケットがついたものもいいでしょう。日焼けした肌も間違いなく効果的となります。
Source / ESQUIRE UK
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。