2017 年春にメンズコレクションをスタートした、ステラ・マッカートニー。彼女のデザインには父・ポールの影響が色濃く表れています。

 Stella Mccartney

 セレブのインタビューには、決まった型があります。彼らは礼儀正しく、用心深く、そっけない。でも、ステラ・マッカートニーの場合は、そのいずれも当てはまりません。 

 インタビューをはじめる前から、彼女は長椅子でリラックスし、最新コレクションのルックブックをめくりはじめました。そしてその後の45分間、フランクに話をしてくれたのです。

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写真:元ビートルズのポール・マッカートニーと写真家リンダの次女として生まれた、ステラ・マッカートニー。

 
 それがステラのスタイル。ビートルズのメンバーだった彼女の父親とフォトグラファーの母親が彼女に教えたのは、「自然で飾らないときにこそ、自分は輝く」ということ。 

 そして、このとき彼女には話したいことが山ほどあったようです。なぜなら、彼女にとって初となる秋冬のメンズコレクションが始まったばかりだったから…。 

 ステラは、クロエのクリエイティブ・ディレクターを務めた後、2001年にセクシーでスポーティ、かつエコ意識の高い女性をターゲットに、自らの名前を冠したブランド「ステラ マッカートニー」をスタートさせました。“It”バッグが欲しいけれど、動物を使わない“ビーガンレザー”を求める女性に圧倒的支持を誇ります。 

 さらに、それまでウィメンズをデザインしていたステラですが、ついに今年の春夏のコレクションからメンズコレクションもデビュさせたのでした。


ダブルの幅広ラペルは
70年代の父をイメージ

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(写真右)ジャケット20万5000円、シャツ6万9000円、パンツ7万5000円(ステラ マッカートニー メンズウェア ●お問い合わせ先/ステラ マッカートニー ジャパン TEL 03・6427・3507

 
 グレンチェックのスーツは、父親が70年代初めに着ていたスーツ(写真左)を彷彿させます。幅広ラペルと絞ったウエストが特徴の、ダブルブレステッド・ジャケット。

 ロンドンの紳士服街であるサヴィルロウの仕立て服にインスピレーションを得て、アクセントにロックンロールの要素を加えた最新コレクションは、男性たちの心を惹きつけています。

 彼女のインスピレーションの多くは父親のクローゼット、母親の写真、その二人にまつわる彼女自身の思い出に起因していました。勇敢な人とは、己の道を突き進みながらも自然体でいられる人だと、両親から学んだと言います。ステラにとって、勇気と創造力とは密接に結びついたものなのです。
 

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写真:幼いステラを抱くポール・マッカートニー。それを見守る母親のリンダは、お揃いのコートを着用。


Esquire (以下、ESQ): 今回のコレクションはノスタルジックな印象を受けましたが、父親を投影しているのでしょうか?
ステラ・マッカートニー(以下、SM):たしかに父親のワードローブの影響はありますが、大切なのは生き方です。両親は他人のためだけではなく、それ以上に自分のために服を着ていました。そのことを私はとても誇らしく思っています。私のコレクションは、彼らへのオマージュでもあるのです。


ESQ:父親に、「あのとき何を着ていた?」と尋ねたりしましたか?

SM:幸いマッカートニー家の歴史は、ほとんど保存されています。グーグルで検索すれば、父の着ていた服のアーカイブを見ることができますし…。それに母親はフォトグラファーでしたから、誰も見たことのない個人的なお宝写真もたくさんあります。今回のコレクションには、そうした影響が色濃く表れています。


ESQ:ほかには?
SM: 私は何年も、サヴィルロウで学びました。英国調の仕立ての影響もかなり受けています。また、音楽も大事な要素となっています。


ESQ:ウィメンズのラインと重なる部分もありますか?
SM:ウィメンズでやっていることを、メンズに取り入れた部分もあります。男女でワードローブに求めるものに大きな違いはないですから…。


ESQ:動物の革は使っていませんね。
SM:はい。革という伝統的な素材を別の素材に代えたからといって、ラグジュアリーとスタイルを断念したわけではありません。私たちは、現代のブランドなのですからね。



クラシックディテールとビーガンレザーが持ち味  

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ビーガンレザーのバッグは、倫理観のためにスタイルを犠牲にする必要はないと主張しています。大きな襟、パッチポケットとコートはクラシックな雰囲気が印象的。
 

ESQ:あなたのデザインした服で男性に何を伝えたいと思いますか?

SM:私はこう自問しながら、服を作っています。彼らはなぜそのとき、その服を選んだのか? なぜ父は、シルクのブラウスを着たのか? なぜ男性たちは、それを着なくなったのか? その答えを考え、私は男性たちに素晴らしい仕立ての服を着てほしいと思っています。ですが、同時にユーモアのあるもの、楽しいものも着てほしいとも考えています。だって、そのほうが素敵でしょう? 私のインスピレーションを刺激する男性は、力強く目立つタイプ。決して従来の型にはまらない、それがメンズウエアへの私たちのアプローチなのです。 
 

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すべて参考商品(ステラ マッカートニー メンズウェア●お問い合わせ先/ステラ マッカートニー ジャパン TEL 03・6427・3507

 

●お問い合わせ先
ステラ マッカートニー ジャパン
TEL 03・6427・3507
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By Esquire Editor on September, 2017
Photos by ESQUIRE US
ESQUIRE US 原文(English)

TRANSLATION BY Tomoko Kawaguchi
※この翻訳は抄訳です。