それはその映画のイメージから抽出されたスタイリングをしているからです。それを崩すも飾り立てるも主人公のキャラ次第。
皆さんももし共感する映画あるなら、その着こなしをぜひとも参考にしるといいでしょう。でも、忘れてはいけないのは、あなた自身、ロバート・レッドフォードやショーン・コネリーよりも男前がいなか…。もし、もしも負けてるなぁ~と思ったのなら、さらなる努力が必要ってことになります(笑)。
今回、スクリーンの中で登場した10の素晴らしいスーツのスタイリングを紹介いたします。銀幕に登場した最高にクールなテーラリングスーツたちが今ここに現れます!
『カジノ』のロバート・デ・ニーロ
この手のスーツが、万人受けするスタイルでないことは認めましょう。このスタイルは、映画のスケールでなければ、なかなか太刀打ちできないことでしょう…。
デ・ニーロは、このスコセッシによるラスベガスのギャングスター映画で45着ものスーツをまといました。それもすべて特注品なのです。『カジノ』の衣装経費が、100万ドルと公表されているのにもうなずけますね。さらに、ディテールへの注意は桁外れなのです。
「ロススタインがギャンブル界でより幅を利かせるにつれて、デ・ニーロの装いも派手になって行きました」と、衣装デザイナーのリタ・ライアックはコメントしています。「でも、デ・ニーロのジャケットの裏地に施された大胆なプリント柄は、決してスクリーン上で見られることはなかったんですよ。彼のような俳優にとって、体にぴったりとフィットする衣装を身に着けるのは大切なことなのです。あれほどの大胆な服を、コミカルにならずに着こなせる人は他にはいませんね。デ・ニーロは依然として、セクシーで危険な印象を与えていましたから…」。
『アメリカン・ジゴロ』のリチャード・ギア
恐らくストーリーの本質よりも、スタイルが上を行く作品ですが、80年代もスタイリッシュになれるという映像の証でもありますね。ジョルジオ・アルマーニがリチャード・ギアの多くのアウトフィットを提供したことでも有名です。膨大なシャツとブレザーのワードローブを流す場面は、衣装を披露する映画のシーンで、最も印象に残るシーンの1つとなっています。
この映画は多くの動員数を記録し、作中のものと同様のスリムなイタリアンカットのウェアの流行の火付け役となり、アメリカのテーラリングスタイルのターニングポイントになりました。また、「アルマーニ・スーツ」という表現が“世界的な共通語”の仲間入りを果たしたのでした。
『カサブランカ』のハンフリー・ボガート
ボガートは決して、ファッションアイコンとして話題に上る人物ではありませんでしたが、スーツを着こなせる俳優なのです。ダブルブレストのジャケットを着て彼の右に出る者はいなかったし、これがワードローブのマストアイテムである理由を証明してくれました。
また生涯にわたって、ハイウエストのトラウザーが持つ長所を讃え、ボガートの全盛期はずっと彼の個人的なスタイルがテーラリングに影響を与えました。
『カサブランカ』の白のディナージャケットは彼の衣装で最も有名であり、依然として映画史上最もエレガントなアウトフィットの1つでもあります。ラズロのダブルブレストスーツのシーンも、特筆に値しますが。
『チャイナタウン』のジャック・ニコルソン
舞台は1937年のロサンゼルス。ポランスキー監督の最高傑作は、いつの世も変わらない素晴らしいドラマの1つであるということだけでなく、最もスタイリッシュな映画の1つとも言えるのです。
ニコルソンはポケットチーフとネクタイのコンビネーションという非の打ち所のないアクセサリーでブラッシュアップした、究極のオーダーメイ ドのスリーピーススーツで最も得をした男と言えるでしょう。
そしてこのスタイルは、今日から真似することができるでしょう。服地から滲みでるクオリティーの良さとディテールへの心配りは計り知れず。全体的な効果が、この映画と中心的なキャラクターを映画史上の伝説へと揺るぎないものにしています。
『北北西に進路を取れ』のケーリー・グラント
映画史上最もアイコニックなスーツと言えば、そこにはもちろん納得の行く理由があるものです。タイムレスなクオリティーを備えたこのスーツは、アルフレッド・ヒッチコック監督自らがデザインの一部に関わっているのでした。ヒッチコック監督は自分の映画が時代遅れに見えないよう、衣装へ最新の注意を払っていたことは有名です。ケーリー・グラントの顔の大きさに合わせて、スーツのラペルの幅も調節したという逸話もあるくらいです。
現代のスリムフィットよりもワイドながら、スマートな青い格子柄スーツ、パリッと清潔な白いシャツ、グレイのソリッドタイとの完璧な組み合わせは、1959年の当時と同じくらい今でも新鮮に映ります。テクニカラーの艶を加えれば、オスカーノミネートに匹敵するほどのスーツをあなたも手にすることができるはずです。
皆さんはどのハリウッドスターのスタイリングが一番心に刺さりましたか!? 今後もぜひ参考にしてくださいね!
From ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION / Spring Hill
※この翻訳は抄訳です。