「BMWアート・カー」をご存知でしょうか?
これは世界的に有名なアーティストがBMWの希少なレーシングマシンや伝説の名車などをキャンバスに見立て、アート作品へと昇華する、夢のコラボレーションプロジェクトです。1975年にレーシングドライバーのエルヴェ・プーランが芸術家のアレクサンダー・カルダーにデザインを依頼したことがきっかけで始められました。
作品は不定期で発表され、これまでにアンディ・ウォーホル(車両は「M1」)やデイヴィッド・ホックニー(車両は「850 CSi」)、日本からは加山又造(車両は「535i」)など、錚々たるアーティストが参加。2024年のジュリー・メレトゥ(車両は「BMW MハイブリッドV8」とのコラボで、記念すべき20回目を迎えます。
1977年にはロイ・リキテンスタインがこの「BMWアート・カー」に参加しました。アメリカ・NY出身、劇画調のアメリカンコミックにインスパイアされた作風で知られる、ポップアート界の巨匠の1人です。
BMW「320i ターボ」を題材に、リキテンスタインのトレードマークでもある(1879年にさかのぼる印刷および写真版画の技法の)ドット柄「Ben Day dots(ベン・デイ・ドット)」を車体全面に配し、雲をかたどったブルーとレッド、さらにグリーンとイエローのペイントでアーティスティックな1台に仕上げました。
驚くべきことにアート作品として完成した車は、なんとル・マン24時間レースに出走し、クラス優勝と総合9位という輝かしい成績を残しています。
リキテンスタインは1997年にこの世を去りましたが、2023年は彼が生まれてから、ちょうど100周年の節目の年となります。そのアニバーサリーとして、BMWのモータースポーツ部門にあたるBMW Mとドイツのスポーツブランドのプーマは、1977年に彼が手掛けた「BMWアート・カー」作品にインスピレーションを得た限定のファッションアイテムを発表しました。
ラインアップされているのは、ボンバージャケットやトラックパンツ、Tシャツ、キャップ、スニーカーなどで、どれもリキテンスタインが残したBMWアート・カーを想起させるアートピースのような仕上がりです。
全身をコテコテのカーファッションにするのは少し微妙ですが、今回のようなデザインなら普段の着こなしになじみやすいですし、BMWのスポーティさとリキテンスタインのアート性を味方にできるはず。文化系らしい、車とアートの楽しみを実践してみてはいかがでしょうか。
商品は、BMWの特設オンラインストアからオーダーが可能です。