空飛ぶクルマや未来感たっぷりのモデルも! 2020年の北京オートショーで話題となった14台のコンセプトカー
開催中止が相次いだ2020年のオートショーですが、北京オートショーは開催されました。その中で、話題を呼んだ注目のクルマをご紹介します。
突然ですが問題です。デトロイト、ジュネーブ、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ…。これらのオートショーに共通していることと言えば、何でしょうか? この答えが、簡単と思える方もいるでしょう。それは、新型コロナウイルスのパンデミックによって2020年の開催は中止続きとなったオートショーです。
しかし、世界のいくつかの地域では、オートショーの開催にグリーンライトが灯されている所もあります。その一つが中国の北京です。2020年も北京オートショーは開催され、いくつかのメーカーが中国で開かれるモーターショーにデビューを果たしました。
今年の北京オートショーで話題の中心となったのは、電気自動車(EV)でした。高級SUVも見どころが多くありました。そこでこのページでは、2020年の北京オートショーで光った注目のコンセプトカーをご紹介します。
ビュイック「エレクトラ」(Buick Electra)
ビュイック史上初となる、北京でのお披露目となった記念すべき1台が「エレクトラ」でした。583馬力の完全電気SUVで、航続距離は410マイル。GMの新しいウルティウム電気パワートレインを使用しています。
このパワートレインは、新型モデルが待たれる話題のGMC「ハマー」への搭載が検討されているものと同じで、すでにキャデラックの新型「リリック」に使用されることが決定しています。
シボレー「メンロ」(Chevrolet Menlo)
シボレーが将来計画している完全電気自動車についてのニュースや、GMがGMC「ハマー」のEVピックアップトラック & SUVとしてハマーの名前を復活させたことなど…。数多くの電気自動車に関連するニュースが行き交っています。
目まぐるしい動きが続くEV業界ですが、走行距離250マイル(約402km)のシボレー「メンロ」は、中国ですでに販売されています。
シボレー「ボルトEV」よりもサイズは大きく、荷室スペースも広く、その上価格も安い1台です。ですが…残念なことに、中国でしか販売されていません。
フォトン「G9」(Foton G9)
商用セミトラックや農機具で知られるフォトン(福田汽車:中国の商用車メーカー)は、フルサイズピックアップトラックの中国市場への投入の機会をうかがっています。
その鍵を握る存在なのが、「G9」です。外観は、アメリカで最も売れている13代目フォード「F-150」と酷似しています。
しかし、Fシリーズと違う点として、そのパワートレインの存在が挙げられます。「G9」はカミンズ製ディーゼル、中国製2.0リッターターボディーゼル、いすゞ製2.5リッターターボディーゼルの3つのパワートレインで提供されると見込まれています。
グレートウォールモーター「フューチャリスト コンセプト」(Great Wall Motors Futurist Concept)
「フューチャリスト コンセプト」は、家庭用キッチンミキサーのトップブランド「KitchenAid(キッチンエイド)」のミキサーのような色合いにペイントされた英国スタイルのセダンです。
4ドアで、各コーナーにキャプテンズチェアを配し、Bピラー(車体中央部にあるドアの柱)を省略したセンターオープンドアを採用しています。コバルト不要のバッテリーを使用し、航続距離は430マイル(約692km)以上を見込まれています。
ホンダ [SUV e:コンセプト」(Honda SUV e:concept)
ホンダは、中国市場向けのオール電化SUV「SUV e:concept」を発表しました。大きなホイール、グリルレスのスタイリッシュなフロントバンパーカバー、フロントに大きく掲げられたホンダのエンブレムも魅力的です。
このコンセプトカーは2ドアタイプのSUVですが、生産準備が整い次第、4ドアタイプが追加されることを期待しています。
ホンチー「E-HS9」(Hongqi E-HS9)
ひょっとして、どこかで見覚えがありますか? 恐らくそれは勘違いです。このクルマはリンカーンではありませんので、誤解のないように…。これは中国の老舗自動車メーカー、ホンチー(紅旗)の新型電気SUVです。
「E-HS9」は、中国で最も高価な新車と言われていますが、アメリカ郊外のような広大な土地が残る地域で乗るべき大型の1台となります。
デュアルモーターを備え、メルセデスベンツ「GLS」とほぼ同じ大きさに見えます。が、その顔付きはビクトリア朝後期のヒートラジエーターを思わせます。
ホンチー「2.0コンセプト」(Hongqi 2.0 Concept)
ホンチーは、自律型ミニバスのコンセプトカーを発表しました。見た目はとても愛らしい箱型ボディ(トーストが2枚飛び出てこないのが驚きです)。
助手席側にある大きなガラスドアが、アメリカの食料品店の自動ドアのように外側にスライドして開きます。車内では2つある乗客用シートが回転し、通勤に便利な広々とした待合室になります。
ホンサン「ドルフィンSS」(Hongsang Dolphin SS)
1958年、シボレーの「C1コルベット」のヘッドライトは2倍に増え、燃料噴射式V型8気筒エンジンから290馬力にパワーアップしました。アメリカではお馴染みとなったそのルックスは、中国でもプラグインハイブリッドクーペとして健在です。
ホンサンの「ドルフィンSS」は、電気モーターとターボチャージャー付き1.5リットルガソリンエンジンを搭載し、「コルベット」には1965年まで搭載されていなかった4輪ディスクブレーキも搭載しています。
カラーは8色で、価格は8万6000ドル(約906万円)程度になると見込まれています。
ファーウェイ「トランスパレント コンセプト」(Huawei Transparent Concept)
ファーウェイは自動車に、5G機能を搭載するための取り組みを進めています。この画像にある透明なディスプレイには、ファーウェイが調達したさまざまな制御モジュールを搭載したデュアルモーターEVの構造が映し出されています。
これは見た目だけでも格好いいですよね。
しかし、もしこの中身がシャンパンで満たされていたら…。さらに魅力的でしょうね。
Kiwigogo「A-One」
空飛ぶクルマを製作するKiwigogoが思い描く世界は、電車もスクーターもバスもない世界。8ローターの推進力で人々が都市を飛び回って通勤するような世の中を想像しています。
「A-One」は空飛ぶクルマの前身とも言える製品で、機体上部に複数のプロペラを搭載しています。2人乗りで、最大25mの高さまで浮上することが可能とのこと。
厳密にはクルマではありませんが、さまざまな近未来の道具が登場する奇想天外なアニメ「ガジェット警部」の世界を思い起こさせます。
ネタ「エウレカ03コンセプト」(Neta Eureka 03 Concept)
ネタは「エウレカ03コンセプト」で、電気自動車のパイオニア・テスラが誇るバッテリーの航続距離を上回ることを目指しています。実際に「エウレカ03」では、約500マイル(約805km)の航続距離を目指して設計されています。
しかし、今回出展されたコンセプトカーには、まだ内装が施されていないことから考えると、その航続距離は「約束」というよりも「目標」と言うべきかもしれません。
確かにエクステリアは未来的なデザインで、特にそのデジタルサイドミラーとLEDヘッドライトのデザインは、未来を感じさせます。
Ora「GT」
Ora「GT」はフィアット「500X」とほぼ同じサイズで、ミニクーパーを思わせるコンパクトEVです。
フォルクスワーゲンの「ゴルフGTI」やヒュンダイの「ベロスターN」をイメージした赤いトリムハイライトやレーシングストライプを採用しすることで、スポーティーな印象を与えることに成功しています。
ポールスター「プレセプト」(Polestar Precept)
まだ、製作途中のクルマのように見えますか? こう見えても、ポールスター「プレセプト」は実車デビューの準備がほぼ整っています。
ボルボ傘下のブランドであるポールスターは、生産拠点となる新工場を建設することを発表しましたが、フルサイズの高級セダンEVの航続距離やコストについては、いまだ沈黙を守っています。
ボヤ「アイフリー」(Voyah iFree)
ボヤは中国の自動車メーカー東風汽車が、長い間熱望した高級EVブランドです。「iFree(アイフリー)」と名付けられた同社の2番目のコンセプト車で、3列シートを乗せるには十分な大きさとなる見込みです。そして走行距離、価格、インテリアデザインなどの詳細は、まだ明らかにされていません。
ですが、すでに存在する別のクルマの、レプリカのような見飽きたデザインのクルマが多かった北京モーターショーの中では、唯一無二のデザインを持つ数少ないクルマであったことは確かです。
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Source / CAR & DRIVER
Translation / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。