• 中国の武漢当局は、新型コロナウィルスの患者を隔離・治療するための新たな仮説病院の建設を開始しました。
  • 武漢市は、この病院の建設をわずか10日間で完成させる予定です。
  • 中国が、このような偉業を成し遂げたのは初めてではありません。2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が大流行した際、北京当局は同じような医療施設をわずか1週間弱で完成させています。

 現在、中国の武漢(ぶかん)市は新型コロナウィルスの流行発生地となっています。このウィルスはこれまでに、中国・日本・韓国・タイ・シンガポール・ベトナム・台湾・米国で830人以上に感染しており、少なくとも26人が死亡しています。

 武漢市は2020年1月23日夜、この危機に取り組むために市内の蔡甸区にベッド数1000床規模の仮説病院の建設を開始。武漢市当局によれば、この建設プロジェクトは10日間で完了させる予定であると発表しており、開院は2020年2月3日を予定しているとのことです。

 約2万4000平方メートルの騒がしい建設現場に、すでに多数の労働者が集まっており、ショベルカーやその他の重機で作業を進めています。「長江日報」紙によれば、2020年1月23日夜、この現場に35台以上のショベルカーや10台以上のブルドーザーが送り出され、その多くは中国建築第三工程局有限公司のものだと言います。

 「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」紙の取材を受けた地元民によれば、武漢市は急ピッチで建設を進めるため、労働者に1日あたり最大で1200元(約1万9000円)の報酬を支払っているとのこと。

新型コロナウィルス, コロナウィルス, 病気, 中国, 病院, 建築, ニュース
Getty Images
新型コロナウィルスの発生地となった中国の武漢で、整地作業を進めるショベルカー。武漢市はこの仮設病院の建設を、わずか10日間で完成させる予定です。

 この規模の病院を短期間で建設することは、本当に可能なのでしょうか?

 実は中国当局は、以前にもこのようなプロジェクトを引き受けたことがあります。2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が大流行した際、当局は北京に同じくベッド数1000床規模の仮説病院を建設。7000人以上の労働者を動員して、わずか1週間で完成させていました。

 「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」紙によれば、この病院ではその後2カ月の間に現地のSARS患者の15%が治療を受けたとのことです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
China virus: Wuhan 'to build hospital in just six days'
China virus: Wuhan 'to build hospital in just six days' thumnail
Watch onWatch on YouTube

 複数の情報筋によれば、武漢CITIC設計研究所によるこのプレハブ工法の建造物は20個のブロックで構成される1階建てあるいは2階建ての病院となり、収容できる患者数は現時点で未定です。労働者は旧正月を祝う夕食も、建設現場で摂ることになりそうとのことです。

 今回の呼吸器疾患の蔓延に対抗するため中国政府は、同地域の3500万人の住民に移動制限を課すことを決定しています。旧正月は中国で最も旅行の多い時期ですが、武漢や周辺の12都市の住民は、今後しばらくの間旅行を禁止されることになるでしょう。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Matthew Graham氏のツイート内容:
武漢の病院建設現場。新型コロナウィルスを治療するための病院を、わずか10日間で建設する目標だと言う。

 ソーシャルメディア上には、人員や物資の不足から一部患者が治療を拒否されるなど、武漢の医療施設の混沌とした様子が投稿されています。「ザ・ガーディアン」紙によれば、同地域の複数の病院がマスクやゴーグル、病衣を含めた物資の寄付を募集していると伝えています。



Source / Popular Mechanics
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。