リアーナの決断は、NFL(米プロアメリカンフットボールリーグ)に対しての強力な抗議となるでしょう。

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Rihanna Refused to Play the Super Bowl Halftime Show to Support Colin Kaepernick

 2016年8月中旬に元NFL選手のコリン・キャパニック氏は、当時所属していたサンフランシスコ49ersのプレシーズンの試合でアフリカ系米国人に対する警察の暴力に抗議し、国歌斉唱中に起立を拒否しました。
 
 そして、2016年8月26日以降にはメディアも注目し始め、当時キャパニック氏はメディアに、「黒人と有色人種の人々を抑圧する国の国旗には、誇りを持つことができない」と主張。「自分にとってこれはフットボールより大事なことであり、この問題から目を背けるのは自己中心的だと感じている。今も道には遺体が転がっているのに、人殺したちは無罪放免で有給休暇までとっている」と語りました。 
 
 2016年9月中旬における彼の抗議に関して、NFLはもちろんのこと、それ以上に広がりを見せ、ドナルド・トランプ大統領がこの平和的な抗議者に対し、「国歌斉唱で起立しないのなら、その選手たちをクビにすべきだ」と支援者集会で攻撃的な発言をするなど、全米を巻き込む話題となりました。 
 

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トランプ氏はNFLチームのオーナーに、「国歌斉唱で起立しないのなら、その選手たちをクビにすべきだ」と話している。 
 
 キャパニック氏のこの抗議に対して、反米的かつ反軍事的なものとして共和党員は忌みきらい、政治問題にまで発展しました。ですが実際には、彼の行動はまさにアメリカ人らしく、非武装の黒人を殺すことに対して静かで平和的な抗議行動だったと言えるでしょう。

 
コリン・キャパニック氏がかつて試合前に披露していた、「膝まづく」パフォーマンス

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 NFLはシーズン前、この論争を避けるために、「試合前の国歌斉唱時に選手は起立するか、またはロッカールームに留まるか、どちらかを選択しなければいけない」という新しいルールを制定しました。そしてしばらくして、キャパニック氏の名前は、NFLの名簿から消えました。この抗議活動のいわゆる殉教者になったキャパニック氏は、その後新しいナイキの広告塔として登場しました。 
 
 そして今、リアーナが新たにキャパニック氏を力強くサポートとしているようです。
 
 情報によると、リアーナはキャパニック氏の抗議活動を強く支持しているため、次回のスーパーボウルのハーフタイムショーの出演を固辞したとメディアに話したと言われています。 
 
 さらに同じ情報筋からは、「NFLとCBS(TV局)はリアーナが来年のアトランタでパフォーマンスすることをとても望んでいたはず」という声もあったと、「USウィークリー」誌に伝えていました。
 
「彼らは彼女に出演のオファーをしましたが、リアーナはキャパニック氏の抗議行動を支持しているため、“ノー”と言ったそうです。彼女は、NFLのスタンスに同意しないということです」とも続けています。

キャパニック氏の抗議行動は、多くのミュージシャンに影響を与えていた

 キャパニック氏の抗議行動は、ケンドリック・ラマー、ビヨンセ、ジェイ・Zのようなポップやヒップホップミュージシャンへも影響を与えています。
 
 例えばジェイ・Zは、2018年にミネソタ州ミネアポリスで開催された第52回スーパーボウルのハーフタイムショーを辞退したと伝えられています。さらにビヨンセとコラボした「APE S ** T」の中では、NFLを次のように批判しています。「スーパーボウルに“No”といった。NFLが必要としても、俺たちはもう必要としない。毎晩俺たちはエンドゾーンにいる。NFLにも伝えてやる。俺たちもスタジアムにいることを」とジェイ・Z。 
  
「APE S ** T」のPVはこちら↓ 

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 2019年2月に開催予定の第53回スーパーボウルのハーフタイムショーは、人気バンドのマルーン5という安全な選択に落ち着くようです。マルーン5はパフォーマンスの間、何か論争の余地があるようなことはしないでしょう。しかしながら、「ガールズ・ライク・ユー」でコラボしているカーディ・Bが、マルーン5とともにハーフタイムショーに出演するかもしれないという噂がありますが、これはもしかすると注目すべきことかもしれません。
 
 カーディ・Bは、「キャパニック氏が戻ってきた場合のみ、スーパーボウルでパフォーマンスする」と、周囲に伝えていると言われています。 

 
 パフォーマンスを拒否することは、アーティストがNFLに対する最も強い声明となります。
 
 スーパーボウルのハーフタイムショーでは、どんな種類の政治声明を発することも非常に困難です。いくつかの保守派とNFLは、ブラック・パワーを賞賛した2016年のビヨンセの圧倒的なパフォーマンスに対して激怒したとも言われています。さらに2017年のスーパーボウルのハーフタイムショーに関しては、NFLは事前にレディ・ガガに対して、彼女がパフォーマンス中に政治的な発言や行動をすることを禁止したと伝えられています。 
  
 2019年2月3日に開催予定の第53回スーパーボウルでも、観戦の折り返し地点であるハーフタイムショーも注目です。生演奏を聞きながら、何か政治的な動きがあるのかどうか? 聞き耳を立てることにしましょう。

By Matt Miller on October 19, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Nana Takeda
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊