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ゴールデン・グローブ賞2024で披露された気まずいジョーク8選

アメリカ現地時間2024年1月7日に行われた第81回ゴールデン・グローブ賞授賞式。ハリウッド業界人からしたらそうでもないかもですが、観ていた一般視聴者たちを気まずくさせた司会のジョー・コイが発したジョークの数々をここで振り返りましょう。

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81st golden globe awards show
Michael Buckner/Golden Globes 2024//Getty Images

授賞式の司会は、ショービジネス界で最も難しい仕事のひとつです。それを「大したことではない」と自然にこなせるのは、卓越した才能のある人物だけでしょう。

先日開催された2024年のゴールデングローブ賞授賞式の司会を務めたジョー・コイにとって不運だったのは、これまで賛否両論を巻き起こすトークながらも複数回司会を務めたリッキー・ジャーヴェイス、そしてティナ・フェイ&エイミー・ポーラー、加えて昨年のジェロッド・カーマイケルといった才能豊かなコメディ俳優たちが素晴らしいトークを披露してきたという実績があったこと。そのため、評価のハードルは非常に高かったと言えます。

(アメリカでは酷評されていますが)コイ自身もベテランのスタンドアップコメディアンであり、「司会者として全くダメだった」とは断言すべきではありません。しっかりジョークを飛ばし、しっかりと自分でツッコミも入れていました。ですが、彼のトークは例年の司会者のものたちのものより、かなりぎこちなさが目立ったのです。

トークの中で、「セレブをからかってはいけません」などと言うつもりはありません。過去の授賞式を振り返ってみれば、司会者たちが手加減してこなかったことは明らかです。コイ本人もステージで明かしていますが、彼がこの授賞式の司会に決定したのはわずか10日前。かばうわけではありませんが、完璧なトークを準備するには、かなり厳しい時間的制約であったのは否めません。

ここでは、彼が披露した出来の悪いジョークをどこかで耳にして恥ずかしい思いをするのを避けたい人のために、授賞式でその場を気まずくさせた8つのジョークをまとめてみました。とは言え、コイはとても面白いコメディアンです。今回のジョークが「?」だとしても、(英語になりますが…)Netflixの特別番組『ジョー・コイのライブ・フロム・ロサンゼルス・フォーラム』ライブで彼の笑いの実力を体験してみてください。

1

「『BEEF/ビーフ』しか見ていない」

us entertainment film television golden globes press room
ROBYN BECK//Getty Images

失敗作を紹介する前に、優れたジョークを紹介しましょう。コイは司会を依頼されたときのエピソードを面白おかしく披露。

「『候補作を全部観たか?』と聞かれて『イエス』って答えたんだ。そんなの嘘! ボクは『BEEF/ビーフ』しか観ていない。アリ・ウォンは大好きだからね…」

アワードシーズンが近づくと、コイと同じような経験をしている人も多いはずです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
 thumnail
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ちなみに『BEEF/ビーフ』は 作品賞(リミテッド・シリーズ、アンソロジー・シリーズ、テレビ映画部門)、スティーヴン・ユァンとアリ・ウォンが主演男優賞と主演女優賞(リミテッド・シリーズ、アンソロジー・シリーズ、テレビ映画部門)を受賞し、主要部門トリプル受賞の快挙を達成しました。

2

「ケヴィン・コスナーが来ているよ!」

81st annual golden globe awards arrivals
Axelle/Bauer-Griffin//Getty Images

コイにとって不幸なことに、これが最初のゴールデングローブ賞の司会だったことを考えれば、オープニングトークはかなりまともと言えます。それでも彼は、司会ができるこの機会を感謝した後、プレゼンターを務めたケヴィン・コスナーを指してこうジョークを飛ばしました。

「ケヴィンが来るとは! 普段は牛と山の中にいるみたいだけれど、今日はココに来てるね。彼の牧場に招待して欲しい人は、アフターパーティーで彼に聞いてみよう」

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81st golden globe awards show
Rich Polk/Golden Globes 2024//Getty Images

いくつかの牧場を所有しているいるケヴィンは昨年、アメリカ西部の牧場を舞台にした人間ドラマ「イエローストーン」で昨年のゴールデングローブ賞主演男優賞に輝くも、カリフォルニア州サンタバーバラ近くに洪水が発生し、授賞式を断念。

そんな事情を知っていれば、このジョークは受け止めにくいかと…。

3

「『バービー』の原作は(胸の大きい)プラスチックの人形」

golden globes
CBS Photo Archive//Getty Images

このジョークは、決して披露すべきではなかったでしょう。

『オッペンハイマー』『バービー』が、映画興行成績を競っています。『オッペンハイマー』はマンハッタン計画について書いた721ページのピューリッツァー賞受賞作が原作だ…(つづく)」

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「…一方のバービーは(胸の大きな)プラスチックの人形が原作だね」

例え映画『バービー』のファンでなくても、このジョークが「超」のつくほど上から目線で、『バービー』を見下していると言わざるを得ないかもしれません。

ネットユーザーからこのジョークを「性差別的」とソーシャルメディアで非難もされていました。ですがその後、この作品の監督を務めたグレタ・ガーウィグは「コイの言うことにも一理ある」と認めています。BBCラジオ4の番組『トゥデイ』で、話しながら笑いとばしました。「彼女は大量生産された最初の胸のある人形なんだから、彼の言う通りですね」とも言っています。

“Barbie’ is on a plastic doll with big boobies”と、「韻を踏まなければ」というコイのコメディアン魂が理解できたのでしょう。

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4

「息が臭くてセルライト持ちの性格俳優」

81st golden globe awards show
Rich Polk/Golden Globes 2024//Getty Images

今回の授賞式で最多ノミネート数を誇っていた『バービー』ですが、受賞結果を見てみると『オッペンハイマー』の5冠には遠く及びませんでした。

コイはさらに、「『バービー』でカギとなるシーンは、彼女が完全無欠な美人から、息が臭くてセルライト持ちの扁平足になるところだね。キャスティングディレクターが“性格俳優”って呼ぶものだね」と言います。

しかもコイはこの後、「私が書いたジョークもあれば、他の人が考えたものもある」と奇妙な言い訳まで披露していました。

5

「(司会になるのは)10日前に決まったんだ!」

81st annual golden globe awards arrivals
Lionel Hahn//Getty Images

会場のセレブたちに自分のジョークが受けないと、コイは逆ギレ。

「司会に決まったのが10日前だっていうのに、完璧なトークを聞きたいっていうのか? 黙れ! 冗談だろう? いい加減にしてくれよ。みんなが笑ったのは、私が書いたジョークだよ」

観客とライターたちを味方につけなければ、司会がうまくいくわけがありません。観客に「黙れ!」というのもウケないジョークを書いたライターたちが本当にいても、それを笑いものにするのもいいやり方とは言えませんね。

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6

「どうやって妊娠させたんだ?」

81st golden globe awards show
Michael Buckner/Golden Globes 2024//Getty Images

おまけに、「最低でもこの場面では、気の利いたジョークを飛すべきでしょう…」と世界中の人々が思ったに違いない瞬間がありました。

好きな映画スターがいれば褒め称え、自分のファンになってもらうチャンスでもあります。それを逃す手はないでしょう。ですが、それにはその瞬間を盛り上げる素晴らしいジョークが必須です…が、コイはロバート・デ・ニーロに向かって、こう話し始めたから驚きです。。

「あなたの最新作でのパフォーマンスは、これまで一番だったに違いない…(つづく)」(しかも彼が褒めたのは、デ・ニーロが助演男優賞でノミネートされている『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』での演技ではなかったのです)

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Jo Koy Opening Monologue I 81st Annual Golden Globes
Jo Koy Opening Monologue I 81st Annual Golden Globes thumnail
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「…でも、80歳でどうやって妊娠させたんだ? CGを使って3D化したのか?」

と、2023年5月に79歳で第7子を授かったことをジョークのネタにしました。なにより幸いなことは、このジョークにデ・ニーロ自身が苦笑いを浮かべていたところです(本心はわかりませんが…)。

7

「ヘンリー王子がお金をねだったほどだ」

81st golden globe awards press room
Gilbert Flores/Golden Globes 2024//Getty Images

ダイアナ妃を演じたエリザベス・デビッキが助演女優賞を受賞した、Netflixの人気ドラマ『ザ・クラウン』に関しても飛ばしています。コイは同作で、エリザベス女王を演じたイメルダ・スタウントンの演技を称賛しながら、こうジョークを披露しました。

「彼女の女王役は素晴らしかった。ヘンリー王子が電話をかけてお金をねだったほどだから」

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ロイヤルファミリーを擁護する必要はありませんが、ジョークとしては失敗です。一部のセレブたちからは笑いが起きましたが、コイは「僕の書いたものではない」と、これを書いたライターを非難していました。

さらにヘンリー王子とメーガン妃をネタに、「全く何もしていないのに、何百万ドルもの報酬をもらっている。払っているのはNetflixだけだけど…」と言います。

8

「違いはテイラー・スウィフトがあまり映らないこと」

81st annual golden globe awards arrivals
Axelle/Bauer-Griffin//Getty Images

もちろん、最もメディアの注目を集めたジョークはテイラー・スウィフトを標的にしたものでした。

今年、新設された「興行成績賞(※)」に自身のコンサートツアーを追った映画『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』がノミネートされたテイラー。

※世界の観客から最も支持され、同時にクリエイティブな内容でもある作品を選出し称える。具体的には興行成績1億5000万ドル(約223億円)以上を記録した作品8つを候補とし、そこから優れた作品を選ぶもの。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Taylor Swift gives host Jo Koy a ‘deadly stare’ after ‘unnecessarily rude’ Golden Globes joke
Taylor Swift gives host Jo Koy a ‘deadly stare’ after ‘unnecessarily rude’ Golden Globes joke thumnail
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彼女は現在、NFL選手のトラヴィス・ケルシーと交際中。彼が所属するカンザスシティ・チーフスの試合をたびたび観戦に行っています。そこでコイはこう言い放ちます。

「ご存じの通り、私たちはNFLのダブルヘッダーの後に放映されているよね。そこでゴールデン・グローブとNFLの違いは何かって知ってる? こっちのほうがテイラーのショットが少ないんだ

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los angeles chargers v kansas city chiefs
Jamie Squire//Getty Images

テイラーがトラヴィスの試合の応援にスタジアムに行くと、カメラが試合よりも彼女ばかり撮ろうとすることへの茶化しているのですが…。このジョークが面白くないのも間違いません。テイラーも冷ややかな表情でコイを見ていたのですが、それが一部の視聴者の笑いを誘っていました。コイはそれを狙っていたのでしょうか…。

Translation / Yoko Nagasaka
Edit / Minako Shitara
※この翻訳は抄訳です

From: Esquire US

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