デミ・ロヴァートのように、自らが「ノンバイナリー(non-binary)」であることを公表するセレブも増えてきている中、そのノンバイナリーの人たちについては未だに、誤解されている部分も大きいのが現状です。

 ただ、近年はSNSのおかげもあり、セクシュアリティやジェンダーについての情報が、以前より多くの人たちに伝えられるようになっています。ツイッターへの投稿などから、LGBTQ+(性的マイノリティー)に関連のある言葉の意味を知ることができた、自身のアイデンティティーについて明確に認識することができた、という人もいます。

 そうした情報を得ることで自分の中で何か、「歯車がかみ合ったような」瞬間を経験することもあるかもしれません。

ノンバイナリーとは?

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 イギリスのLGBTQ+の権利団体ストーンウォールによると、ノンバイナリーとは、ジェンダー・アイデンティティーが明確に「男性」でも「女性」でもない人たちのことを言います。

 ジェンダー・アイデンティティーとは、ノンバイナリーやシスジェンダー(身体的性とその人の性自認が一致している人)と、その対義語にあたるトランスジェンダーなど、その人が自ら特定するジェンダーのことを言います。

「アライ」の重要性

 自分自身は経験しないような問題に直面している可能性があるLGBTQ+の人たちをサポートする人を「アライ(ally、同盟者)」、そうしたサポートを「アライシップ(allyship)」と言います。

 トランスジェンダーやノンバイナリーの人たちの多くが直面する困難の中で、特に大きな問題は“世間の偏見”です。

 例えば、公共交通機関を利用していて、誰かに写真を撮られたり、笑われたり、失礼な態度をとられたりするなど、ただ移動をするだけでもそれが悪夢のような経験になる場合もあるというのです。

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Kevin Kozicki
Non binary meaning explained

 さらには暴力を受ける危険もあり、恐怖心から、ノンバイナリーであることを隠しているという人も多いと言われています。そこでシスジェンダーの人たちが積極的なアライでいてくれることは、とても重要なことだと言えるでしょう。

適切な「代名詞」を使う

 「彼」、「彼女」、「彼ら」など、その人を表わす代名詞もまた、非常に重要なものとなります。自分のジェンダー・アイデンティティーを自ら明確にするのと同じように、自分のことを示す代名詞は、自分で選択することができるはずです。そして、その人をどう呼ぶべきかについては、本人の希望に合わせるのが一番です。

 トランスジェンダーやノンバイナリーの人たちは、改名する場合もあります。2018年に発表された調査結果では、「自分で選んだ名前を使うことができたトランスジェンダーの人は、そうでない人に比べて自殺を図るリスクが65%低下していた」とのこと。また、「重度のうつ病を発症する可能性は、71%低下していた」と言います。

 つまり、名前の問題は小さなことではなく、大きな違いを生み出す可能性があるということです。

 また、トランスジェンダーやノンバイナリーの人には、実体験をもとに素晴らしい作品を発表しているアーティストが大勢います。詩の朗読や演劇などの活動を行うトラヴィス・アラバンザ、アート作品やフィルムを制作するフォックス・フィッシャーオウル・フィッシャーなどは、多くの人たちにインスピレーションを与えています。

LGBTQ+支援団体の活動

 例えばイギリスのマーメイズ(Mermaids)やアルバート・ケネディ・トラスト(The Albert Kennedy Trust)など、LGBTQ+ の人たちの命を救うような活動をしている素晴らしい慈善団体は数多くあります。こうした団体を支える積極的なアライシップは、LGBTQ+コミュニティーをより幅広く支援していくことにつながるでしょう。

 あなたとは全く異なる人生経験をしている多くの人に共感し、何が起こっているのかを理解することはそう簡単なものではありません。ですが、 忘れないでください、私たちは互いに理解し合うことが重要であるということを。理解し合いながら、助け合っていく…そんな輪を広げることによって、より良い環境も広げていきましょう。

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Jena Ardell
preview for STONEWALL BAME LGBT VOICES DOCUMENTARY


Source / COSMOPOLITAN UK
※この翻訳は抄訳です。

From: Harper's BAZAAR JP