いきなりの回答ですが、その答えは「ジェフ・ベゾス」です。

 とは言え、そもそもこの質問自体、少し間違っています。本当は、「バットマンの表の姿である大富豪ブルース・ウェインの財産はなぜ、漫画や映画で脚本家がどれだけ想像力を働かせたとしても、アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス(2021年7月5日にCEOの座をアンディ・ジャシーに譲った)を超えられないのか?」という疑問にすべきでしょう。

  架空のキャラクターなわけです。概念としてでも、「世界で最も裕福な人」にすればいいのに…。そうならないのはなぜなのか? 「フィクション」というかなりのアドバンテージを持っているわけです。ジェフ・ベゾスの財産を超えることなど簡単なことではないか? そう思ってしまいます。影のヒーローとしてゴッサムシティで悪と戦いまくっているウェインなのに、それでベゾスに及ばないということは少々かわいそうです…。

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 米『フォーブス』誌の世界長者番付のリストに見れば、ベゾスの保有資産は1770億ドルということ。これと比較してもウェインは、はるかに、はるかに劣っているのが現実です。架空のビジネスマンが現実のビジネスマンを超えることができない…「ウェインだけが問題を抱えているのか?」と、 ベゾスよりもお金を持っている架空のキャラクターがいるのかを調査してみたところ、ベゾスよりも資産を持っているキャラクターが、たった1人だけ存在していることがわかりました(安心しましたか?)。

 ですがその前に、まずはウェインの資産について確認してましょう。

 ゴッサムシティで最も有名な実業家であり、慈善家でもある彼の財産については、ペンシルバニア州リーハイ大学の経済学部の学生たちが、数年前にDCコミックスの大富豪の財産をブログで分析していたおかげで知ることができました(彼らは卒業後も、ブログを続けています)。

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 映画(基本的には『ダークナイト』3部作)に登場するバットマンのビジネスに関する情報をもとに、20世紀前半に生まれた建設分野の企業やウェイン家の財閥であるウェイン・エンタープライズ、武器・防衛市場のビジネスなどを分析して換算した結果、(『バットマン・ビギンズ』で注目すべき成功を収めて上場した後の)バットマンの純資産は、232億2000万ドルであるという結論に達したということです。ウェインが株式の50%しか所有していないとすれば116億ドルの価値になり、その半分よりはるかに少なくなります。

 つまりウェインは、例えば一度の取引で80億ドルもの資産を増やすことなどできないのです。その額の資産を一度に増やせるのは、やはりベゾスだけのようです(ベゾスは5750万株を保有しており、7%上がればドカンと80億円、1日でウェインの資産をほぼ手に入れることができるというわけです)。

 でも、それで終わらせたくはありません…ね⁉ ウェイン以外のキャラクターで、ベゾスよりもお金持ちなのは誰なのでしょうか? 映画『アイアンマン』のトニー・スタークはどうでしょう。彼の資産も、換算すると124億ドルとのこと。ベゾスを上回ることはできません。おっと、悪役を忘れていました!! コミック史上最も裕福な悪役である『スーパーマン』のレックス・ルーサーは…と言うと、101億ドルもの資産を持っているようですが、これでもベゾスを超えることはできません。

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「ブラックパンサー」MovieNEX ティ・チャラのメッセージ付き予告編
「ブラックパンサー」MovieNEX ティ・チャラのメッセージ付き予告編 thumnail
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 お待たせしました、その答えは…ブラックパンサーの分身であるティ・チャラ(2018年に公開された映画『ブラックパンサー』では故チャドウィック・ボーズマンが演じています)です。ベゾスよりも金持ちであるチャラの資産は、「1グラム当たり1万ドル」とされるヴィブラニウム(映画の中だけに存在する架空の金属)の埋蔵量によるものが大きく、その合計の推計はなんと3兆ドルとのこと。んん、これは世界のGDP合計以上となります…。

Source / ESQUIRE ES