いまから36年前の1986年に公開された『トップガン』の続編、『トップガン マーヴェリック』は、5月下旬に公開されたばかり。だが、すでに莫大な興行成績を収めている（とみられる）。そのことからも、そしてオリジナルの作品よりも高い評価を受けていることからも、この続編は、いま見るべき映画のひとつといえる。
ただ、ここで考えてみたいのは、『トップガン マーヴェリック』は実際のところ、パラマウントが考える「シリーズ」のうちの一作なのかどうかということ。
驚く人もいるかもしれないが、主演のトム・クルーズは1990年に『プレイボーイ』誌に対し、「続編に出演するつもりはない」と語っていたことがわかっている。『ギズモード』が今月初めに公開した記事によると、トムは当時、次のように語っていた。
「『トップガン』は、海軍を宣伝するための右翼的な映画だという人もいたよ」
「でも、多くの若者たちはこの作品を気に入ってくれた。ただ、僕が若者たちに知ってもらいたいのは、戦争はああいうものではないということだ──『トップガン』は単なる遊園地の乗り物で、これは現実を描こうとした映画ではない。“PG-13指定（13歳未満の子どもが鑑賞する場合は保護者の注意が必要）”の楽しめる映画だ」
「だから僕は、『トップガン』の2や３、４、５は作らなかった。無責任なことになると思ったからね」
──はっきりとものを言うタイプのトムのような人でさえ、時がたてば変わることは間違いないようだ。
パラマウントと『トップガン』の制作チームが、『マーヴェリック』を3部作の一部とする考えがあるのかについて、何か発言したわけではない。『マーヴェリック』にまだ続きがあるのかどうか、いまのところ私たちは、自分で想像する以外にない。
『マーヴェリック』には、“ルースター”を演じるマイルズ・テラーのほか、モニカ・バルバロ（フェニックス役）、グレン・パウエル（ハングマン役）、ジェイ・エリス（ペイバック役）、ダニー・ラミレス（ファンボーイ役）など、新人パイロットたちが登場する。
これらの新人パイロットたちと一緒に空を飛ぶ、あれほどのスリルを観客に提供したパラマウントが、これからまた36年間、その保有する“知的財産”を眠ったままにさせておくだろうか──？少なくとも私たちには、そうとは思えないのだが……。
From Esquire US
