毎回ウィットに富んだつぶやきで、人気を得ているライアン・レイノルズ。主演作『デッドプール』がディズニープラス(Disney+)で配信されるにあたり、米国でR指定(17歳未満は保護者同席が必要)されたことを受け、「皮肉」ともとれる面白ツイートを現地時間2022年7月21日(木)に投稿。日本時間7月25日時点で22万を超える「いいね」を獲得し、話題になっています。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

「もうすぐDisney+で、『ローガン』と『デッドプール』が初のR指定映画になることが発表されるはず。でも僕たちはこれ以前に、いくつかのディズニー映画は、取り返しのつかないトラウマを与えるためR指定されるべきだってことを知っているよね」

このつぶやきに添付されていたのは、4つの画像。一見、ただのR指定表示に見えるもののよくよく見ると、本物そっくりに加工された偽物。内容は「R指定されるべき」理由が細かく書いてあり、映画ファンならずとも何の映画を指しているのか答えを導きたくなるデザイン構成になっています。

ひとつずつ考えていきましょう。

r指定
MPA
ちなみに本物はこちら

Q1.母鹿が冷徹に殺害されるトラウマ映画

ライアン・レイノルズ
Courtesy of RyanCourtesy via twitter
Post上の画像右下。 @VancityReynolds
  • この愛されクラシックアニメ作品は、すべての人の鑑賞には向いていません。なぜなら、セラピー代が高くつくからです。
  • この映画は“R”にレーティングされています。
  • いたいけな母鹿が冷血非道に殺害されます。生涯のトラウマになるでしょう。
  • 17歳未満の鑑賞には、両親もしくはエモーショナル・ブランケット(※)の支えが必要です。 

※子どもなどが精神安定のため、常に手にしている毛布やぬいぐるみなどのこと

正解は…『バンビ』

『バンビ』

『バンビ』

『バンビ』

skimresources.com で見る
Credit: .

かわいらしい小鹿バンビは、突然人間によって母親鹿が射止められることで孤独になります。その上、バンビ自身も被弾してしまう物語です。これは明らかに、子どもにとってとてつもなくショッキングだと言えますね。

Q2.一妻多夫制を暗喩するファンタジー

ライアン・レイノルズ
Courtesy of Ryan Reynolds via twitter
Post上の画像左上。@VancityReynolds
  • こちらの愛されクラシックアニメ作品は、すべての人の鑑賞には向いていません。マイナー(MINORS=未成年者)であれマイナー(MINERS=鉱夫)であれ、バッシュフル(BASHFUL=恥ずかしがり屋の意。7人の小人の中の1人の「てれすけ」)であれ。
  • この作品は“R”にレーティングされています
  • 破壊、そして侵入行為、さらにギリギリの一妻多夫制…。また、ほぼ確実ですが(小人たちが掘り起こす)ダイヤモンドは、クルエルティフリーな(動物実験など生物に害を与えない)ものではありません
  • 鑑賞にあたり17歳未満は、1人の保護者もしくは7人の成人の保護者が必要です

正解は…『白雪姫』

Snow White and The Seven Dwarfs

Snow White and The Seven Dwarfs

Snow White and The Seven Dwarfs

Credit: .

記念すべきディズニー最初の長編アニメーションにも、ライアン視点ではR指摘要素が…。白雪姫が7人の小人の家に黙って入り込んで寝てしまった、小人が山へ宝石を採りに行っていたなどを押さえていれば簡単。冷静に考えれば「家宅侵入罪」や「盗掘」といった立派な犯罪になります。また、そう言われてみれば、「ポリアンドリー(一妻多夫制)」ともとれる内容にも突っ込みを入れています。

Q3.義理のきょうだいの恋愛が堂々と描かれる作品

ライアン・レイノルズ
Courtesy of Ryan Reynolds via twitter
Post上の画像左下。@VancityReynolds
  • こちらの愛されクラシックアニメ作品は、すべての人の鑑賞には向いていません。ですが、それがCircle Of Life (自然の摂理=『サークル・オブ・ライフ』は1994年版アニメで使用されたエルトン・ジョンの楽曲であり、冒頭に流れる挿入歌)です。
  • この映画は“R”にレーティングされています。
  • 兄弟間の殺害。動物たちの激しい傷つけ合い。義理のきょうだい間の恋愛、もしくは少なくともいとこ同士のキスがあります。本当に(「ナラの父親はスカー」あるいは「シンバとナラは異母兄弟」の可能性は大と推測できます)。
  • 17歳未満の鑑賞には、保護者、イボイノシシ、そしてミーアキャットが必要です

正解は…『ライオン・キング』

『ライオンキング』

『ライオンキング』

『ライオンキング』

「サークル・オブ・ライフ」、イボイノシシ、ミーアキャットですぐに答えが導き出されます。しかし答えよりも、シンバとナラは同じプライド(群れ)にいるため“近親相姦”の可能性が高いことにハッとします。いとこ間の結婚が大半の州で禁止されている米国では、かなり気になるポイントのようです。

次は最後の問題。かなり難易度が増します。

Q4.「老いぼれ」の殺害と熊虐待が繰り広げられる実写映画

ライアン・レイノルズ
Courtesy of Ryan Reynolds via twitter
Post上の画像右上。@VancityReynolds
  • こちらの愛されクラシック作品は、すべての人の鑑賞には向いていません。特に愛犬家には…。
  • この映画は“R”にレーティングされています。
  • 総じて号泣を引き起こすガチの老犬殺し。熊虐待の物語でもあります。
  • 17歳未満の鑑賞には、保護者もしくはとても活発な“お利口さん”1名の同伴が必要

正解は…『黄色い老犬』

『黄色い老犬』

『黄色い老犬』

『黄色い老犬』

これは映画通向けのハイレベル問題。正解は1957年公開のディズニー実写作品『黄色い老犬』。19世紀末のテキサスで母と2人きりで暮らす苦労人の少年が、襲い来る熊と闘う過酷な生活の中、老犬と最高のバディになるものの、狂犬病にかかり泣く泣く自分で打ち殺す結末は大人になっても引きずりかねない内容。

『デッドプール』シリーズ過去2作プロデューサーも務めるライアン・レイノルズにとって、「R指定されるかどうか?」は鑑賞者数が大きく左右される一大事。ですが、レーティングには批判がつきもの。日本の映倫に当たるMPA(モーション・ピクチャー・アソシエーション)のレーティング(pdf)ひとつとっても、「この理由ならばR指定になっていいはずではないか」と疑問に思うこと仕方のないことと言えるでしょう。

第三弾の製作もR指定として進めることが発表された今、「愚痴」と受け取れなくもないですが、R指定から逃れている子ども向け作品の中にも、親が気をつけるべき要素はたくさんあることをライアンなりに指摘しているとも言えそうです。