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映画史に名を刻む名車5選「俳優以上に記憶に残るマシーン」【Part1】

ボンドカー から「デロリアン」まで、あなたのお気に入りはいくつあるでしょうか?

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UNIVERSAL PICTURES

 皆さんがいままで観た映画の中に、俳優の顔よりも、その俳優が乗っていたクルマの顔のほうが先行して頭に浮かぶような作品はありませんか? きっと男性なら1作品どころか…複数本あるはずです。

 事実、各時代のボンドカーであれ、デロリアンであれ…これまでの映画史上、記憶に残るクルマは数多く登場してきました。各クルマは、それぞれの世代やカーカルチャーに影響を与え、子どもたちが夢想するような存在となったクルマも…。それこそまさに、映画史を代表する名車と呼べるでしょう。

 今回は、そんな映画史に残る名車を第1弾として5選ご紹介します。本記事『映画史に残る名車』は連載として、まだまだ続きますので、ぜひ楽しみにしていてください。

【1】『007 ゴールドフィンガー』の1964年型アストンマーティン「DB5」

1964 Aston Martin DB5, <em>Goldfinger</em>
Eon Productions

 ジェームズ・ボンドと言えば、ボンドカーと斬新なスパイグッズでおなじみです。

 その歴史は『007 ゴールドフィンガー』および『007 サンダーボール作戦』で彼が運転した、1964年型のアストンマーティン「DB5」にまでさかのぼることができます。

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Getty Images

 「DB5」は、ボンド向けの改造なしでも、1つのアートとも言うべきクルマです。しかし、このクルマが映画史の中でも最も愛されるようになった理由は、スパイ仕様への改造で加えられた数々の機能にあるのです。

 多数のクールな特殊装備には、ラムバンパーやマシンガン、射出座席、煙幕、オイル散布装置などが含まれていました。現代的な視点からこのボンドカーを振り返れば、最も興味深い機能は現代のナビゲーションシステムを予期する「マップスクリーン」かもしれません。

【動画】1964 Aston Martin DB5, Goldfinger

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Goldfinger (1964) - Aston Martin DB5
Goldfinger (1964) - Aston Martin DB5 thumnail
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 それでは、このオリジナルのボンドカーの影響力や重要性はどれほどのものでしょうか?

 2017年に前述の2作で使用されたアストンマーティンのうちの1台が売りに出されたときには、460万ドル(約5億1400万)もの価格となりました…。

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【2】『007 私を愛したスパイ』の1976年型ロータス「エスプリ S1」

1976 Lotus Esprit Series I, <em>The Spy Who Loved Me</em>
Eon Productions

 もう1台…、何と言っても定番のボンドカーを紹介します。

【動画①】1976 Lotus Esprit Series I, The Spy Who Loved Me

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James Bond 007 - The Spy Who Loved Me - Lotus Esprit Car Chase
James Bond 007 - The Spy Who Loved Me - Lotus Esprit Car Chase thumnail
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 1950〜1960年代に流行した官能的なデザインのスポーツカーは、1970年代までには個性的で未来的なウェッジ・デザインに取って代わられました。

 「ランチア・ストラトス」や「ランボルギーニ・カウンタック」のようなシャープなクルマが、自動車業界を一変させたのです。ですが、このどちらのクルマも、ジェームズ・ボンドが運転したことはありません。

【動画②】1976 Lotus Esprit Series I, The Spy Who Loved Me

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The Spy Who Loved Me Movie CLIP - Can You Swim? (1977) HD
The Spy Who Loved Me Movie CLIP - Can You Swim? (1977) HD thumnail
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 映画『007 私を愛したスパイ』の中で、ボンドは白のロータス「エスプリ S1」で激しいカーチェイスを演じました。ですが、何より記憶に残っているのは、このクルマがボンドを乗せて水中へと飛び込んだ後のことです。

 なんとフィンスタビライザーとスクリューが飛び出し、潜水艇へと姿を変えたのです。その後、このクルマは再び自動車の形態に戻ってビーチに上陸し、人々の度肝を抜いたのでした。

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【3】『トランザム7000』の1977年型ポンティアック「トランザム」

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Universal Pictures

 1977年に制作されたアメリカ映画『トランザム7000』のハル・ニーダム監督は、バート・レイノルズとサリー・フィールドという2人の俳優とともに、1977年型のポンティアック「トランザム」をキャスティングしました。

 しかしそんな彼も、このクルマが米国全土で一大ブームになるとは予想できなかったことでしょう。

【動画①】1977 Pontiac Trans Am, Smokey and the Bandit

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Smokey and the Bandit (4/10) Movie CLIP - Runaway Bride (1977) HD
Smokey and the Bandit (4/10) Movie CLIP - Runaway Bride (1977) HD thumnail
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 「トランザム」のデザインは、この映画が上映される5年ほど前からほとんど変わっていませんでした。ですが、そんなことなど関係ありませんでした。

 コーナーを巧みに曲がり、壊れた橋を飛び越え、ビュフォード・T・ジャスティス保安官(ジャッキー・グリーソン)と数百マイルもの逃走劇を演じる「トランザム」を観て観客は、このブラックとゴールドのクルマが欲しくてたまらなくなったのです。

【動画②】1977 Pontiac Trans Am, Smokey and the Bandit

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Special The best crashes, jumps "Smokey & The Bandit part 2-3"
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 この映画の公開以降、「トランザム」の販売台数は1977〜1978年にかけておよそ3万台増加し、1979年にはさらに2万4000台増えました。

 誰もが「スターライト・ブラック・スペシャル・エディション」の塗装やTトップルーフ、同世代の「コルベット」よりもスピードやハンドリングの良さで勝るという事実に熱狂しました。
 
 「トランザム」が伝説となったのは、これらの3つの魅力とバートの素晴らしいスター性のおかげではないでしょうか。

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【4】『アメリカン・グラフィティ』の1932年型フォード「デュース・クーペ」

'32 Ford Coupe, <em>American Graffiti</em>
Universal Pictures

 ジョージ・ルーカスが名作『スターウォーズ』の数年前に撮影した映画『アメリカン・グラフィティ』。

 この映画は、1960年代のカリフォルニアのカーカルチャーを彼の記憶に基づいて描き出したものです。

映画『アメリカン・グラフィティ』

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American Graffiti Official Trailer #1 - Richard Dreyfuss Movie (1973) HD
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 ロン・ハワードやハリソン・フォード、リチャード・ドレイファスなどの将来の大スターたちも出演したこの映画ですが、多くのカスタムカーも登場しました。

 とはいえ、この映画で最も世界に知られるようになったクルマと言えば、「デュース・クーペ」の一択でしょう。

【動画①】1932 Ford Coupe, American Graffiti

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American Graffiti (2/10) Movie CLIP - Wanna Go For A Ride? (1973) HD
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 この鮮やかな黄色の1932年型フォードはシボレーの「327 V8」エンジンを搭載し、わずかに高くなったリア部分がクールな傾斜を生んでいます。

 パラダイスロードで行われたクライマックスのドラッグレースでは、ジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)が運転するこの「デュース・クーペ」が、ボブ・ファルファ(ハリソン・フォード)の1955年型シボレー「ベルエア」と対決します。

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【動画②】1932 Ford Coupe, American Graffiti

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American Graffiti (10/10) Movie CLIP - Drag Race at Paradise Road (1973) HD
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 「デュース・クーペ」はスタートから「ベルエア」を振り切り、「ベルエア」は途中でコースを外れて横転。そして炎上します。

 特殊効果を使った素晴らしいシーンでした。

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Two-Lane Blacktop (1971) - Trailer
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 ちなみに、この映画に登場するものとまったく同じ1955年型シボレー「ベルエア」は、(フラットグレーにペイントされて)別の名作自動車映画『断絶』にも登場しています。

【5】『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の1981年型デロリアン「DMC-12」

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Universal Pictures

 ジョン・デロリアンが伝説のデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロに設計を依頼した「DMC-12」は、「ステンレススチールの衝撃」とも呼ぶべきクルマでした。

 しかし、ボンネットの下に積んでいたのは、130馬力の2.9リッターV6エンジンという非力なものであり、派手なボディに見合うようなスーパーカーとは言えませんでした。

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【動画】1981 DeLorean DMC-12, Back to the Future

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Back To The Future [1985] - The DeLorean
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 いずれにしても、その未来的なデザインと映画自体の魅力により、「デロリアン」は伝説のクルマとなったのです。そして、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の中での「DMC-12」はタイムマシンであったこともあり、実際のスペックは大した問題ではありませんでした。

 ただし、1つだけ例外がありました。

 この映画の小道具スタッフは、非力なV6エンジンを「ポルシェ・928」のV8エンジンに交換していたという話が伝えられているのです。これは、マーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)が時速88マイル(約142km/h)を出すために大いに役立ったことでしょう。「デロリアン」が次元転移装置を作動させ、1955年にタイムスリップするためにはこの速度が必要でしたので…。

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1981 Delorean - TIME MACHINE
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 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で大人気になった「デロリアン」でしたが、1980年代の発売時には大失敗していました。
 
 しかし、このクルマのユニークでレトロフューチャーなデザインは、現在もカルト的な人気を誇っています。実際、このクルマのレストアと改造のための新たなデロリアン・モーター・カンパニーが立ち上げられたほどですので。


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『時を操るクルマ、「デロリアン」秘話』


『人気テレビ番組に登場した名車10台』


『【Part2へ続く!】俳優以上に、映画史にの記憶に残る名車たち5選』


 
From POPULAR MECHANICS
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。

バック・トゥ・ザ・フューチャー

these two deloreans have spent the last 40 years locked away in a california barn,2台のデロリアン 発見,カリフォルニア州,納屋,39年,死蔵,

2台のデロリアンが発見 ― カリフォルニア州の納屋で39年ものあいだ死蔵されていた

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