メルセデス・ベンツは北米市場において、2025年モデルの「Gクラス」を発表しました。2019年モデルから採用されたプラットフォームをベースに、エンジンはツインターボ4.0リッターV型8気筒エンジンから直列6気筒3.0リッターターボエンジンへと変更されています。
このエンジンは443ps*¹のパワーと約560Nm*²のトルクを発揮し、内蔵のスタータージェネレーターを介した48Vマイルドハイブリッドシステムによってさらにパワーが強化されます。このシステムは、低回転域でさらに20psと約200Nmのトルクをサポートします。
オフロード機能の強化としては、「オフロードコックピット」が搭載されています。これは新しいインフォテイメント機能で、オフロード走行に不可欠な車両情報を一カ所に集約するもの。車両の角度やコンパス、高度、ステアリングの角度、タイヤの空気圧、温度などの主要な指標を強調表示します。画面にはディファレンシャルポジションも表示され、その他のオフロード機能にも簡単にアクセスすることが可能。360度カメラによって車両の下を見ることも可能です。
アクティブ・ステアリング・アシストや、アクティブ緊急停止アシスト、ルートベース速度適応システムなどのアクティブセーフティ機能も初めて搭載されています。
その他にも、ルーバーを追加した新しいフロントグリルなど、フロントとリアのデザインにもマイナーチェンジが施されています。走行中の風切り音の軽減と走行効率向上を目的に、Aピラー付近やルーフには、スポイラーなどのエアロ調整も施されています。
オーダーメイド車両を求める顧客には、完全受注生産オプションの「Manufaktur（マヌファクトゥーア）プログラム」を通じて、専用のペイントカラーや拡張レザーオプションの追加など、より多くのオプションも提供されます。
後部座席には11.6インチのタッチディスプレイを備えたエンターテインメントシステムも提供される予定です。フロントにはダッシュボードカメラのオプションもあり、オフロードでの冒険や不慮の事故を記録するために使用できます。映像はインフォテインメント画面上で直接再生することもできます。
現時点では価格は公表されていませんが、およそ14万5000ドル（約2200万円）以上ではないかと予想されています。日本での展開については、現時点では明らかになっていません。
*1：PS 自動車のエンジン性能を示す単位の一つで、「馬力」を意味するドイツ語「Pferdestärke」の略。PSは主に（英国以外の）ヨーロッパで使用され、1PSは約0.986馬力に相当。1PSは75kgm/s…つまり、1秒間に75キログラムの質量を1メートル持ち上げる力でこれは735.49875ワットに相当するとされる。通常、英国およびアメリカで使われる単位は「HP」で、「Horsepower」の略。1HPは550フィート・ポンド/秒、つまり1秒間に550ポンドの重さを1フィート持ち上げる力として定義されている。すなわち、1HP（機械馬力）は約745.7ワットなので1HP＝0.986PSであり、1PSは約1.014 HPという計算になる。
*2：Nm 回転またはねじれる力のこと指す「torque（トルク）」の単位。具体的には、ある軸周りで物体を回転させようとする力の効果を表し、その大きさは力と、力が作用する点と軸との距離（力の作用腕の長さ）に依存する。その単位がこの「Nm（ニュートンメートル）」。この単位は、力の単位である「N（ニュートン）」と距離の単位である「m（メートル）」から成り立っているもので、ニュートンメートルで表されるトルクの値は、1ニュートンの力がその力の作用点から1メートル離れた点に対して作用するときのトルクの大きさに相当する。
