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この記事は2020年1月前半、新型コロナウイルス感染症が拡大する以前に雑誌『メンズクラブ』編集部がハワイでの現地取材を行ったものになります。そしてその後、コロナ禍となってしまったことで、この記事の公開を見送っていました。2021年4月現在に至っても、新型コロナウイルス感染症の拡大はなおも続いています。ですが、現状のコロナ禍における新しい生活様式の中でこそ、「ALOHAの精神」=「忍耐と思いやりをもった行動」こそ大切であり必要では?と思い立ち、それを再確認していただけたら…と願って、折しも「アースデーの日」に公開させていただきます。
新型コロナウイルス感染症感染拡大による厳しい状況はなおも続いています。引き続き感染防止対策を徹底していただきながら、この先、絶好のタイミングでハワイ旅行ができる日が訪れることを願って、まずはこの記事上でハワイ旅行をお楽しみいただければ幸いです。
ハワイとサーフィンの関係は?
公益財団法人 日本生産性本部が毎年1回発行している書籍『レジャー白書 2020』によれば、2019年1年間の日本における「サーフィン、ウィンドサーフィン」人口はおよそ60万人と発表されています。全28項目中23位と下位ではありますが、「乗馬」人口がおよそ50万、「ヨット、モーターボート」人口がおよそ40万人であることを考えれば、その規模感がイメージできるはずです。そう、皆さんの予想以上にたくさんの方々が楽しんでいるスポーツなのです。また、2021年春の自粛解除以降全国のサーフショップでは、「回復傾向にある」「前年比売上増」という声も数多く挙がっているという話もあります。
そんないま注目のサーフィンというスポーツの発祥の地と言えば、そう、ハワイ州の島々もあるポリネシアとされています。また、古代ポリネシア民族の儀式にまで登場するなど、この文化の中心的存在にまでになっていたそうです。
ハワイ諸島を初めて統一し、1810年にハワイ王国を建国して初代国王となったカメハメハ大王も、サーフィンを嗜んでいたことが伝えられています。その後、これら島々にキリスト教宣教師たちなどヨーロッパ人が移り住むようになると、布教にあたってポリネシア文化を野蛮とみなし、「文明化する」を理由に彼らの文化の一部であったサーフィンを禁止にし、サーフボードを取り上げ焼却するという事態となりました。サーフボードを本に置き換えれば、まさにレイ・ブラッドベリの小説『華氏451』さながらの歴史もありました。
そして20世紀初頭になると、再び楽しまれるようになります。それは1912年開催のストックホルム五輪で米競泳選手として金メダル獲得して以来、4大会出場し計6つのメダルを獲得した先住ハワイ人の英雄デューク・カハナモクが、サーフィンを愛好していたことが話題となったから。さらに1960年代に入ると、「楽園ハワイ」を前面に押し出した映画がハリウッドで大量に制作され、サーフィンはマリンスポーツとして世界的な市民権を得ることになります。さらに1970年代半ば以降からはショートボードが普及すると共に、サーフィンの大会が活発化します。すると、競技スポーツとしての存在も高めまっていくのでした。
そうして現在では、ライフスタイルに密着した独自のサーフカルチャーが築かれているのは、皆さん御存知のとおりです。そんなわけで雑誌『メンズクラブ』は2020年4月月号のハワイ特集に合わせて、編集部スタッフのMがサーフィンにまつわるスポットや人々を現地取材を行ったわけです。
ハワイの歴史の研究と保存を目的につくられた、ハワイ最大の博物館「ビショップ ミュージアム」では、2019年12月14日(土)~2021年3月28日(日)まで、サーフィンの歴史や進化などを紹介する「マイ・キノヒ・マイ(Mai Kinohi Mai):Surfing in Hawai‘i」が開催されました。
エキシビションではサーフィンの歴史を貴重な写真と共に振り返るほか、サーフボードのカタチや大きさの変遷、波に乗るためのテクニックや知識も紹介。シミュレーターを使ったサーフィンを疑似体験するブースも実施しました。
ビショップ ミュージアム
Bishop Museum
住所:1525 Bernice St, Honolulu, HI 96817
TEL:808-847-3511
営業:9:00 ~ 17:00
定休日:クリスマス、感謝祭
公式サイト
オンラインプログラム
サーフィンの本場で体験レッスンをするなら、「フェイス サーフ スクール」がおすすめです。アウトリガー ワイキキやアウトリガー リーフなど、ワイキキの有名ホテルのビーチ前にあってアクセスがいいことはもちろん、伝説のプロサーファーであるトニー ・モニーツさんが設立していることから、インストラクターの質が良いとローカルからの信頼も厚いスクールです。
レッスンは少人数がモットー。まず簡単な講義を受け、ビーチで丁寧な説明を踏まえてから、実際に波乗りにチャレンジします。全くの初心者でも、多くの方が補助を受けながら波に立つところまで上達できると評判です。
フェイス サーフ スクール
Faith Surf School
住所:Outrigger Waikiki on the Beach (Beachfront) Outrigger Reef (Beachfront)
TEL:808-931-6262
営業:8:00 ~ 17:00
無休
公式サイト
世界のトップサーファーがこぞってオーダーする最高峰のシェイパーが、「トコロ サーフボード」のもの。オアフ島の東側、カネオヘにある工房では、ウェイド トコロとヘリー トコロ兄弟が、最高のマテリアルと最新技術を駆使して逸品をつくり上げています。
世界各地を旅し、各地でサーフィンを楽しんでいるというトコロ兄弟。とくに日本には何度も訪れ、日本特有のパワーのない波でも高いパフォーマンスが発揮できるようデザインを工夫しているそうです。
トコロ サーフボード
Tokoro Surfboard
公式サイト
ノースショアにアトリエを構えるジャック ソレンさんは、自身もサーファー。「PowWow Hawaii'19」に参加以来、精力的に活躍の場を広げ、企業とのコラボプロジェクトも多くこなす気鋭のアーティストです。
インスピレーションの源は、自身がハワイの海に対して感じる“想い”。「リラックスした気分、楽しい気持ちをペインティングに込めています」と語ります。作品はハワイに複数店舗のある人気アートショップ、Green Room Hawaii等で購入可能。自室に飾れば、一機にインテリアがハワイらしさ満点のリラックスモードに。
ジャック ソレン
Jack Soren
公式サイト
サーフィンのメッカ、ノースショアでは国際大会が多く開催されています。大波にダイナミックに乗り上げる選手の姿は、生で見ると迫力満点。ぜひ一度は観戦の旅を! 年中波が高い印象のノースショアですが、高くなるのは10月から3月頃にかけて。
例年、世界各地から多くのプロサーファーが訪れるこの時期は、大きな大会が行われています。2019年には、日本のオリンピック代表でもある五十嵐カノア選手が出場したパイプラインが舞台となる「Billabong Pipe Masters」で最終ランク6位に入賞して注目を集めました。
そして2020年の「Billabong Pipe Masters」は一時中断になりながらも開催。気になる五十嵐カノア選手はベスト8まで勝ち上がるも、準々決勝でガブリエル・メディーナ選手に敗れ、この大会では5位で終えています。
ワールド サーフ リーグ
World Surf League
ハワイでサーフィンがこんなにも盛んになったのは“地の利”もありますが、先達の“人の利”も大きいのです。今回、サーフカルチャーを盛り上げてきた3人の方々に話を聞くことができました。
一人目は、全米ライフガード協会顧問そして、海洋局長を務め海の安全を守ってきたラルフ ゴトーさん。
「32年間ライフガードを務め、2013年に引退しました。僕が始めた頃は35人しかいませんでしたが、今では250人くらいのメンバーが活躍しています。ライフガードの仕事は救助だけでなく、事故の予防活動にも力を入れていることを是非知ってもらいたいたいですね。ハワイを訪れる日本人、そして世界各国の皆さんには、海、そして周囲の人々に敬意を払いながらサーフィンを楽しんでほしいと思います」と語ります。
二人目は、ハワイで一番老舗のサーフショップ「サーフ アンド シー」をノースショアで営む、ジャクソン ビルさん。
「もともとフロリダでサーフィンをしていたんですが、ハワイのほうが波がいい。ジャクソン ビルから1997年に移住して、気づけばサーフショップを経営しているんだから、人生は分かりません。僕がサーフショップを始めた当時のノースショアは人があまりいなくて、随分とのんびりしたものでした。サーフィンの大会が多数開かれるようになってから移住する人も増えてきましたが、アロハスピリットに満ちた温かな雰囲気は無くなりませんね。ハワイ旅行の際は是非ノースショアを訪れて、このエリア独特ののんびりとしたムードを満喫してください」とのこと。
三人目は、ハワイ発祥のブランド、T&C サーフ デザインズ創業者のクレッグ スギハラさん。
「カカアコで生まれ育ち、1971年にパールシティでT&C サーフ デザインズを立ち上げました。ブランド名の由来は、オフィスがタウン(Town)とカントリー(Country)の間にあったから。サーフボードのブランドとして始めたのですが、Tシャツを作ったら飛ぶように売れてアパレルも始めたんです。楽しんで仕事しているだけなのに、どんどんブランドが大きくなっていったんだ(笑)。僕にとってサーフィンは生活の一部。73歳の今でも、週に何回も海に行っているよ。ヘルシーな生活を送るのにとっても役立っているね」と言います。
彼ら第一人者の奮闘と活躍があって、ハワイのサーフカルチャーは盛んになっていったと言えるのです。
全米ライフガード協会
United States Lifesaving Association
サーフ アンド シー
Surf N Sea
ティー アンド シー サーフ デザインズ
T&C Surf Desings
利便性の高い、ワイキキの中心に位置。“Wish You Were Here!”(あなたがここにいてくれたら!)と、心温まるフレーズが描かれたプールで知られるホテルがこちら。
2020年より星野リゾートが運営、より一層のホスピタリティが期待されます。館内は1960年代のサーフカルチャーを彷彿させる、レトロハワイアンなインテリアにこだわっているのが特徴。ハワイのアーティストの作品が館内の至る所に飾られ、フォトジェニックでありながらハワイらしいリラックスしたムードを醸し出しています。
また、ファーム トゥ テーブルとサステイナビリティがテーマのダイニング「マヒナ&サンズ」にも注目を。ハワイの食文化に敬意と斬新なアイディアから生まれた、“アイランドスタイル”の料理はヘルシーな味わい。ディナータイムは地元ミュージシャンの生ライブも楽しめます。
星野リゾート サーフジャック ハワイ
The Surfjack Hotel & Swim Club
住所:412 Lewers St, Honolulu
TEL:0570-073-022(星野リゾート予約センター)
料金:US$215 ~ / 1泊
公式サイト
※なお現在(2021年4月23日時点)日本では、全ての入国者に対し、出国前72時間以内の検査証明の提出を求めるとともに入国時の検査を実施し、陰性であった場合でも「14日間の自宅等での待機」を要請するなど防疫対策の強化を行っています。
またハワイ側も、2020年11月6日(金)のフライトより日本向けの事前検査プログラムが適応されています。内容としては日本からの渡航者に対し、「出発前72時間以内に実施された検査で新型コロナウイルスへの感染が陰性であり、その証明を提示すると、10日間の自主隔離が免除される」という方法で、ハワイへの旅行が許可されます。また、その検査は日本の厚生労働省が認可する新型コロナウイルス感染症の核酸増幅検査(NAT)を行うことができる84カ所の医療機関と契約を締結しています。
さらに詳しくは、ハワイ州 新型コロナウイルス情報サイトご確認ください。