世界最大の広告代理店のひとつ「Wunderman Thompson」は2021年のトレンド研究「Future 100」の中で、Airbnbのようなプラットフォームに対応して、ホテルが提供する「我が家から離れた我が家」のような宿泊サービスに拍車が掛かっていると発表しました。「できるだけ部屋の中に籠(こも)りたい」「食事のたびに外出したくない」「服はこまめに洗濯したい」「コロナ禍で急増した、『泊まる』というより『暮らす』に近い宿泊形態」は経済的にもメリットがあるだけでなく、よりその土地を理解することにもつながります。

そこで久々のハワイ旅行で体験してきたのが、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジにあるバケーション・オーナーシップリゾート「ザ・グランドアイランダー・ヒルトングランドバケーションズクラブ」。

ヒルトンワイキキ
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ヒルトン・ハワイアン・ビレッジと言えば、エルヴィス・プレスリーが生涯ハワイではここにしか泊まらなかったことで有名ですが、その中にある「ヒルトングランドバケーション ズ」は“バケーション・オーナーシップ”を所有するメンバーが宿泊できる施設です。

「バケーション・オーナーシップ(タイムシェア)リゾート」と呼ばれるこのシステムは、所有するオーナーシップに応じて毎年定数のポイントが付与されます。このポイントを使用して各地のリゾートに宿泊することができます。8450$~77万2990$(年間週単位で宿泊する場合)と、車を購入するくらいの金額で決して安くはありませんが、1回購入してしまえば一生使えるとお得かもしれません。不動産として登記も可能です。

柔軟なポイントを使用しハワイはもちろんニューヨークから沖縄まで全世界に154ある(2022年8月時点)どの直営リゾートやヒルトン系のホテルなど提携リゾートに泊まってもOKなので無駄になりづらく、消費仕切れなかったポイントは翌年以降に持ち越すこともできます。また、法律(消防法など)が定める最大宿泊人数以内なら、基本的に何人泊まっても大丈夫。将来的に子どもが増えても、両親を連れてきたりとライフステージによって宿泊費を増減させずに旅行ができます。 

ヒルトン
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ヒルトン・グランド・アイランダーの1室

経済的に無駄を減らせる以上の利益は、余分な消費をしなくてすむこと。例えば食事。長期滞在になればなるほど、外食が負担になった経験はないでしょうか。レストランに行くたびにとられるサービス税に愕然としたり、チップに悩んだり……。とは言え、ホテルの部屋にある調理器具といえば湯沸かしポットぐらいで、加えてあっても電子レンジくらいでしょう。せいぜいできるのは、インスタントラーメンやみそ汁くらい。ところが「暮らすような旅」を提唱している「ヒルトングランドバケーションズ」は、(自宅以上の)本格的キッチンがほぼすべての部屋に設置してあります。ファーマーズマーケットで食材を買ってきて、食べたいものをつくることも可能です。それだけで、長期の旅にほっと一息する時間が生まれるでしょう。

アメリカ式の巨大なオーブンと強力食洗機に感動

実際ホールフーズで地元産の激安パイナップルやら、ファーマーズマーケットで販売されていた地元産のお肉などでパーティーをしてしまいました。外食と比べたらかなりのお得感ですし、地産地消にも貢献できます。ちなみにこちらの食洗機が、実に強力で感動しました。家事の中で食器洗いが一番不毛だと思っている私にとって、料理したあとのお皿洗いがなくなっただけでかなり得した気分。

ハワイ旅行2022
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クアロア・ランチ産豚肉のポークソテーをメインに、ブロッコリーのサラダとハワイ産ベーコンと卵でカルボナーラのメニューを用意。これらを使って夜は、ツアー仲間とパーティーしました。酔っぱらってもすぐに帰れる&寝られるこの快適さはたまりません。

「暮らすように旅する」は近年、旅のトレンドキーワード。もちろん、短い休みしか取れない日本の働き方では、なんでもやってくれるホテルでの宿泊はとてつもなく快適ですが、「ヒルトン グランド バケーションズ」のマーケティング・マネージャー、コニュニケーションディレクター メグミ・ハーブナーさんによれば、「長期間旅行でなるべく自分の思うように過ごしたいという旅慣れた人は、こういった宿泊を選ぶ傾向が年々高くなっている」とのこと。

特にハワイ好きにはそういった人が多いそうで、「バケーション・オーナーシップ(タイムシェア)」を購入した日本人約7万組のうち8割がハワイで契約しているとのこと。そのためこちらの「ヒルトングランドバケーションズ」内は、日本の契約者が楽しめるさまざまなアクティヴィティが用意されています。

ハワイ旅行2022
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毎週金曜日に打ち上げられる花火

暮らすように旅することは、能動的に地元の社会との交流が増えるため、その土地を知ることになります。食材や生活品の物価、観光価格と市場価格の違い、生ごみの処分の仕方まで、ただホテルに泊まるだけでは知ることが難しい情報が手に入ります。

ヒルトングランドバケーションズWebサイト