犬がなんでも食べてしまうことは、飼い主であればご存知のことかと思います。
食べ物を床に落としてしまったときはすぐさま、舐めてきれいにしてくれるので…ある意味助かりはしますが(笑)。とは言え、例えば子どもより先におやつを見つけてしまったりする場合には、喜んでいられませんね。
しかし、そんなほっこりエピソードと思いがちなこの一連の仕草もある意味、その隣には命にも係わる危険も伴っているということを理解しておいたほうがいいでしょう。
それがペットにおける中毒事故になります。米国動物虐待防止協会 中毒事故管理センター(APCC)は、思っている以上に多発しているペットの中毒事故に対しての注意を喚起するため、2018年に対応した213,773件の事故を分析した結果からなる「中毒の原因となった10の物質」を発表しました。
あなたの犬や猫が有害な可能性のあるものを食べてしまった場合は、すぐにかかりつけの獣医か救急病院に相談しましょう。「早く対処すれば、ペットの安全のためはもちろん、治療費も安くすみます」と、APCCの医長で獣医学と毒物学の博士であるティナ・ウィスマー医師は言います。
電話をする際はペットの体重、年齢、現在他にかかっている病気や服用中の薬、何をいつどれくらいの量食べてしまったのか、説明できるようにしておくことが肝心です。その情報があれば、すぐに獣医に行ったほうがいいのか、しばらく様子を見たほうがいいのかが判断できるとのこと…。
そして医師による指示がない限り、間違っても無理に吐かせようとするのはやめましょう。
「胃や食道が焼けてしまう可能性のある洗浄液のような場合、吐かせてしまうと損傷を広げることになりますので」と、ウィスマー医師は言います。
もちろん、まずは有害物質をペットが食べてしまわないように予防するのが重要となります。特にこれからご紹介するものがペットの手(足)が届く場所に置いてないか、チェックしてみてください。ペットの側にある可能性も、とても高いものばかりですので…。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物1】市販薬
痛み止めや風邪薬、漢方薬などの市販薬の誤飲が、去年APCCに寄せられた電話の19.6%を占めてたと言います。
ペットに薬を飲ませる前に獣医に確認するのはもちろんのことですが、それ以前に薬の容器はしっかりと閉め、安全な場所に保管しておきましょう。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物2】人間用の処方薬
次いでADHD(注意欠陥多動性障害)や鬱(うつ)、心臓病などの処方薬が、電話の17.5%を占めていると言います。
多くの場合は事故のようですが、薬は子どもやペットの届かない場所に保管することは当たり前のこと。徹底して行ってください。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物3】食べ物
人間の食べ物をいつもペットにあげているという方。グレープやレーズン、玉ねぎ、にんにくのような一般的な材料が、ペットの命取りとなってしまうことはご存知でしょうか。
あまりよく知られていないのが、飴やガム、焼き菓子、歯磨き粉などに入っているキシリトールで、これは犬に有害だと報告されています。日本でも日本獣医学会の公式サイト内のQ&Aにて、それに関する解説がなされています。
「キシリトールは犬の血糖値を下げ、肝不全を引き起こすので、とても危険です」とウィスマー医師は言います。そして最後に、「アルコールは何があってもペットには与えないでください」と強く警告していますので、お気をつけください。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物4】チョコレート
チョコレートはあえて、「食べ物」のカテゴリから分けました。他の食べ物と一緒に摂取された場合を換算すると、毎年中毒の原因のトップとなっているからです。
ウィスマー医師によると、APCCはなんと毎日約60件ものカカオ関連の中毒事故に対応しているそうです。毒性は動物の大きさや、カカオの含有率によって異なります。9キロの犬であれば、ミルクチョコレート450グラム、ダークチョコレート255グラム、または製菓用チョコレートであればたった42グラムで発作を引き起こしてしまうということです。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物5】獣医の処方薬
指示通りに使用すれば問題のない動物用処方薬ですが、用量には気をつけてください。必ずペットが届かない場所に保管しましょう。
「犬が薬を飲み込んでくれるように、味をつけたり噛んだりできるようにしています。つまり、気をつけないと全部食べてしまう可能性があるのです」と、ウィスマー博士は説明しています。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物6】家庭用品
子どもの手の届かないところに置くよう注意書きがされているペンキや接着剤、洗浄剤のような家庭用品も、ペットにとっても同様に危険なものなのです。
2018年は、家庭用品による中毒事故は7.3%を占めていました。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物7】殺鼠剤
殺鼠剤(さっそざい)は、食べ物に似せて作られています。
ネズミだけでなくあなたのペットにとってもおいしそうに見えているので、注意しましょう。
【ペットが中毒事故に陥りやすい危険物10】園芸用品
最後に忘れてはいけないのが、肥料や除草剤がペットに与える影響です。
ガーデニング中、庭でペットと一緒に戯れながら…というときなど、大切な子ども(ペット)たちが口にしないよう注意しましょう。
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Source / GOOD HOUSEKEEPING
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。