2018年10月11日に発表された「ブルームバーグ」のレポートによると、「アメリカの若者たちは自らの地元の名前が付けられたようなアメリカンチーズに対し、徐々に興味がなくなってきている」と報告しています。

アメリカンチーズは、近年のファーストフード店では好まれていないからでしょう。その小売価格は、11年ぶりに下落しているとのことです。2018年の若者たちは、とうとうアメリカンチーズにまで満足することができなくなったようです。

そうした中、世間ではファンシーなチーズが目立つ存在になってきました。

程よく温められたプレッツェルの裂け目に、パヴェ ダフィノア(白かびタイプのチーズ)の三角のトリプルクリームブリーチーズをとろけさせれば、「そのテイストが人生を変える」といっても過言ではない…そんなグルメな思考になってきているようです。

さらには、「上質なチーズ屋さんにあるようなブルーチーズには、フレッシュでキリッとした味わいの白ワインもあれば格別」また、「香りの強いチーズも、サイドにピッタリ」といったようにグルメ思考が高まっているようにも見受けるられるのです。

これらのチーズは、とても品格のあるチーズです。しかしながら、サンドウィッチやオムレツ、そして多くのアメリカ人が大好きなチーズバーガーには、このようは上品なチーズは適していないことは明白です。

アイゼンハワー政権時、実験室でつくられたもののようになめらかで均等に溶けるチーズも良いですが、チェダーチーズのように、無限に結びついて引き伸ばされるチーズはいかがでしょうか? エッグチーズサンドイッチの最初の一口目から、ホットで濃厚な汁がしたたるのを想像して見てください。

さらにチェダーチーズは、ブリトー(メキシコ料理の一品)の具材を結びつける接着剤としても役立っています。

例えばジャック・イン・ザ・ボックス(米ハンバーガーチェーン)のタコスなども、チェダーチーズがいい存在感を出しています。おそらく、これが嫌いな人はいないでしょう。そしてまさしく、このようなチーズの楽しみ方こそアメリカ式なのです。

マクドナルドとシェイクシャックのチーズバーガーに使われているチーズは全く同じだった

そもそもアメリカのチーズの代表格である、アメリカンチーズとは一体何なのでしょうか?

その正解を私は知りませんし、知りたくもないというのが正直なところです。それはもしかしたら、秘密の化学物質、美味しさを感じさせるための化合物、そして美味しさを求めるチャレンジ精神から作られているものかもしれません。

また、アメリカンチーズの色を表すのならば、ゴールデンライトとカラーコーンの間のような色とでも表現できるでしょうか。

ちなみにマクドナルドのチーズバーガーとシェイクシャックのチーズバーガーに使われているチーズは、全く同じです。それはあなたが何の食材の上に乗っけても粘性があり、くっつきます。

もしかしたら、どこかでブリックチーズに遭遇するかもしれませんが、私自身は1インチの厚さで、個別にラップされた1/8のシングルスライスのチーズを見たことがあります。

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アメリカンチーズは、実用的でもあります。例えば、こんな状況は何度もあったのではないでしょうか?

皆さんと皆さんの友人が、ナチョスの素敵な大きなプレートを注文したとします。ナチョスが来てから、あなたはそのうちのひとつをつまみます。チェダーミックスは、チップの周りにすでにトロトロの濃厚状態になっているため、もうあなたの口に入る準備ができています。そのため、皆さんはもう片方の手で、さらに別のナチョスをつまもうとします。

しかしその時、サワークリームやワカモレ(アボカドディップ)の中にあなたの肘が当たります。それを目撃した友人は明らかに不機嫌になり、あなたの食欲も一気になくなることでしょう。

でも、アメリカンチーズなら、そんなことは起きません。アメリカンチーズを頼まなかったから起きたこと…この出来事は、自業自得とも言えるです。

米国ミズーリ州セントルイスのチーズ事情

私のチーズの味覚は、ミズーリ州セントルイスで育ったことによって、皆さんと違うかもしれません。セントルイスのピザは、「プロベル」と呼ばれるチーズで支配されています。 「プロベル」はプロボローネと米国産の柔らかいプロセスチーズを掛け合わせた “変わり者のチーズ”です。

この正体は食べ終えた後、ずっと皆さんの体の中にとどまるゼラチンと呼ばれる物質です(これに関しては、まだ議論の余地があるようですけれども…)。セントルイスで有名なイモーズ・ピザ (Imo’s Pizza)のソーセージピザを食べた後、もし午前中に頭痛が起きてしまった場合、皆さんは自分自身に何を食べたか問いただすこととでしょう。

そして覚えているのは、「重要な仕事の合間に、プロベルを食べただけのはず…」となります。そしてあなたは、その日ゆっくり休むことになるのです。

私が最も好きなチーズ料理は、グリルドチーズ サンドウィッチです。グリルドチーズ サンドウィッチとは、クラフトチーズを4つにスライスして、パンに挟んで焼き上げるホットサンドです。アメリカの定番メニューであり、たまに恋しくなることがあるのです。

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アメリカの定番メニュー、グリルドチーズ サンドウィッチ。

ご興味があればですが、「ストップ」と叫ぶまで、口の中をチーズでいっぱいにして見ませんか? 食べきるのに少し苦労するかもしれませんが、アメリカのチーズがこれまで通りに美味しいことが保証されることでしょう。

アメリカに多くのチーズが存在しますが、その数以上に合う料理もたくさん存在するのです。そこには、永遠に人々から愛され続ける魅力がたっぷりとあるのです。

Source / ESQUIRE US
Translation / Nana Takeda
※この翻訳は抄訳です。