(前編はコチラから)

すべては快適な睡眠のために

ユナイテッド航空は、長距離国際線向けビジネスクラスを「ユナイテッド・ポラリス」と言いますが、そのキャビン内はじつにスタイリッシュ。シートはもちろんフルフラットシートで、NYの高級百貨店サックス・フィフス・アベニューのロゴ入りブランケットやクッションが用意されています。一人分のスペースは窮屈さを感じることもなく、コンパートメント内にはほどよいプライベート感が漂います。

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Hidehiko Kuwata
ビジネスクラス「ユナイテッド・ポラリス」のキャビン。窓際から1席-2席-1席というシート配列です。
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Hidehiko Kuwata
「ユナイテッド・ポラリス」のキャビンに設置されたフルフラットシート。最大で198cmのベッドスペースが確保されています。

シートは絶妙な硬さで、心地よい座り心地。食事中でも身体をしっかりとホールドしてくれます。このシートは“グッドスリープ”をテーマに、100種類以上のプロダクトを検証して生まれたもの。シートは心地よく、特に寝具のブランケットは羽布団のような軽やかな感触です。

「ユナイテッド・ポラリス」は、その開発に向けて膨大なリサーチ時間が費やされました。その結果、ユナイテッド航空は「長距離国際線のビジネスクラスにおいて、旅客が最も優先するのは機内での快適な睡眠である」という結論にたどりついたと言います。極上の睡眠のために開発されたのがこのキャビンであり、機内環境やサービスを含めて、利用者の間で「よく眠りたければ、ユナイテッドへ」と評価の声が挙がるのは必然とも言えるのかもしれません。

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Hidehiko Kuwata
プレミアムエコノミークラス「ユナイテッド・プレミアムプラス」のキャビン。シート幅は47cm(エコノミーは43.3cm)、フットレスト、レッグレスト、ヘッドレストも装備され、リクライニング幅は15cm。

さて機内には、「ユナイテッド・ポラリス」に続くクラスとして、「ユナイテッド・プレミアムプラス」も導入されています。このクラス専用のシートが新たに開発され、チェックイン時にはビジネスクラスカウンターの利用も可能。機内食もグレードアップされたものが提供されています。

実は一目置かれる存在なのが
ユナイテッド航空のラウンジ

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Hidehiko Kuwata

空港に到着して諸手続きを終えた後、搭乗時刻までゆったりと過ごしたいのが航空会社によって設けられている空港ラウンジです。落ち着いた雰囲気の中で身体を休ませ、旅への興奮を落ち着ける空間であり、そこで過ごす時間はすでに旅の始まりを意味しています。ラグジュアリー化を極める一方のラウンジですが、実はその中でも一目置かれる存在と評判なのがユナイテッド航空の「ポラリス・ラウンジ」です。

「ユナイテッド・ポラリス」のサービス開始に合わせて主要ハブ空港にオープンしたラウンジで、主に長距離国際線ビジネスクラス搭乗者のみが利用できます。贅沢かつ機能的な空間や提供される食事、サービスなどワンランク上のクオリティを誇ると高い評価を集めています。

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「ポラリス・ラウンジ」は、現在シカゴ、ヒューストン、ロサンゼルス、ニューアーク、サンフランシスコ、ワシントンDCの空港で展開されています。コチラは、ニューアーク・リバティ国際空港のターミナルCにあるポラリス・ラウンジ。

空港ごとにコンセプトやインアテリア、内装などは異なりますが、「ポラリス・ラウンジ」は、洗練されたラグジュアリーなたたずまいが特徴です。バーカウンターには選りすぐりのワインやスピリッツが並び、絶品のブラディマリーからオリジナルカクテルまで、ドリンクの選択肢は多岐にわたります。

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Hidehiko Kuwata
写真左:スタイリッシュにレイアウトされた「ポラリス・ラウンジ」のバー。 写真右:ポラリス・ラウンジオリジナルカクテルのひとつ、ラベンダー・リフト。プロセッコとウォッカをベースにしたカクテル。

利用者の間で特に人気スペースとなっているのが、ラウンジ内のレストラン「ザ・ダイニングルーム」です。テーブルに置かれたメニューから食事をオーダーでき、しかもその味はトップランクのレストランクオリティとの呼び声も高い。朝食メニューに用意されているエッグベネディクトやオムレツなど卵料理の半熟加減、添えられている野菜の絶妙な味つけなど、まさに一流シェフの料理と評判です。

サステナブルへの取り組み

世界のCO2排出量のうち、航空業界はその約2%を負っています。今後、地球環境を考えるうえでも、空の旅との向き合い方は従来どおりとは行かなくなることも予想されます。何かを変えなければならない…それは、航空会社も同じです。多くのエアラインはすでにさまざまな取り組みを打ち出しています。もちろんユナイテッド航空も例外でなく、温室効果ガスの排出を2050年までに100%減らす取り組みを続けています。

具体的には、サステナブルとされる航空燃料のSAF(サフ)とそのための投資の継続です。SAFとは「Sustainable Aviation Fuel」の略称で、持続可能な航空燃料を意味します。次世代の航空燃料と期待されており、化石燃料と比較して、動植物から生まれた有機性のバイオマス由来の物質を原料とするSAFは、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できるとされています。

2016年、ユナイテッド航空はAltAir社(現World Energy社)から、ロサンゼルス国際空港へのSAF供給を受け、定期出発便にSAFを使用して運航する初めてのエアラインとなりました。ユナイテッド航空はSAFの導入と脱炭素化分野において、世界の航空業界を牽引してきたのです。

28社の航空会社が加盟するスターアライアンスの創設メンバーでもあるユナイテッド航空が運航する、アメリカ全土と世界6大陸を結ぶネットワークの利便性は世界でも指折り。同社の初期のスローガンである「The Main Line Airway」の理念は現在でも貫かれています。