2020年3月11日にWHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を「パンデミック」と宣言してから、間もなく2年が経とうとしています。そんな中、いまだ終息していないにもかかわらず、既に「また起きる」と警鐘を鳴らす人物がいます。

それは、マイクロソフト社の共同設立者である、ビル・ゲイツ。彼は、現地時間2022年2月18日(金)から22日(日)にドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議で、「われわれは再びパンデミックを体験することになる」と明言したのです。さらに、「次はまた、違う病原体になるだろう」とゲイツは記者団に語っています。

今回のパンデミック当初より、彼はワクチンの重要性を訴えたり、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団を通じてCEPI(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)に1億5千万ドルを寄付するなどして、この驚異的な感染症に対してフォーカスし続けてきました。そうしてこの2年間に学んだこと、さらに次に同じようなシチュエーションが起きたらどう応用できるか? また、どう応用すべきかをつづった新著を、このたび発表したのです。

新著発表に伴って公開された動画の中で彼は、「われわれが望むほど、このパンデミックの終焉に近づいてはいない。が、われわれはパンデミックの再発を阻止する方法について多くのことを学んだ」と述べています。

つまりゲイツは、「私たちは来るべきものに備えることができる知恵を得てきたのだから、次はその知識を素早く実践すべきだ」と、全地球の人類および各政府に対して釘を刺してるのではないでしょうか。

How to Prevent the Next Pandemic (English Edition)

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また、ミュンヘン安全保障会議では、「すべての国がオーストラリアがやったようにすれば、次のパンデミックは抑えることができるはずだ」と、ゲイツは話しています。オーストラリアは2020年3月20日に国境を閉ざすとともに、各州においても徹底した封鎖措置の対応を行ってきました。

長年続けているブログ「ゲイツ・ノーツ(GatesNotes)」への投稿で明かれたビル・ゲイツの新著『How to Prevent the Next Pandemic(次のパンデミックを防ぐ方法)』と題されたこの本は、ペンギン・ランダムハウス(Penguin Random House)社から出版されます。発売は2022年5月で、Amazonでは上記のように予約受付中です。※日本語版の出版に関しては、現在わかっていません。

「新型コロナウイルス感染症が生み出した苦しみを目にするたびに、最新の死者数の記事を読むたびに、職を失った人の話を聞くたびに、廃校となった学校の前を通るたびに、『もう二度とこんなことが起こらないように手を打たなくては』と思わずにはいられません」と述べています。

ゲイツはこの『How to Prevent the Next Pandemic』において、現在の科学的知見とゲイツ財団での自らの経験をもとに、将来のパンデミックを阻止するための具体的な対策だけでなく、世界中のすべての人により良い医療を提供するための方法を、本の中で示しています。

さらに、バイデン政権の首席医療顧問アンソニー・ファウチや世界保健機関事務局長のテドロス・アダノムのような公衆衛生のリーダーたちとの対話から生まれた知見、ウイルスの拡散を遅らせているワクチンに関する彼の意見について、そして、ネット上でささやかれる陰謀説にも言及しています。

「世界各国が力を合わせ、同時に民間と手を組めば、新型コロナウイルス感染症の大災害を防ぐだけでなく、インフルエンザを含むすべての呼吸器疾患をなくすことができる」と、本の裏表紙には書かれています。

ビル・ゲイツの未来予知能力の高さを考えれば、「彼の話は極力考慮すべきこと」と言えるはず。

「正しい選択と投資を行えば、今回の新型コロナウイルス感染症を“最後のパンデミック”にすることができるはずです」と、ゲイツはこのブログを締めくくっています。

Source / ESQUIRE ES
※この翻訳は抄訳です。